米国株式

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの運用コストと評価

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは明らかにiFreeレバレッジS&P500を意識して設定された商品です。が、連動する指数をS&P500の2倍ブル型に限定していません。それが主な要因ではないと思いますが、人気の獲得に苦戦中です。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しています。

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブル

2020年3月12日に税抜き信託報酬0.80%で設定されました。先行するiFreeレバレッジS&P500の0.90%を意識した設定と思われます。やる気を感じます。

  • 商品名からは分かりませんが、株式の先物取引により、日々の基準価額の値動きがS&P500種指数の値動きの2倍程度となることを目指します。が、S&P500種指数以外に変更することもあるとしています。
  • iFreeレバレッジS&P500同様、E-mini S&P500株価指数先物取引を利用します。米国の株式への直接投資は行っていません。
  • iFreeレバレッジS&P500同様、円で為替ヘッジされます。
  • NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは一般販売商品で、SBI証券、楽天証券、松井証券、マネックス証券、auカブコム証券が扱っています。
  • 購入時手数料税抜き2.0%が設定可能です。主要ネット証券以外でも販売されるようになったら注意が必要です。

もちろん、つみたてNISA適格ではありません。

iFreeレバレッジS&P500にそっくりですが、目論見書にはこう明記されています。

投資する株価指数先物取引については、原則としてS&P500指数を対象とした先物取引としますが、流動性や市況動向等に応じて、他の株価指数先物取引を利用する場合があります。

引用:目論見書

そんなのアリ?って思いますね。僕は好きになれないです。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。iFreeレバレッジS&P500と比較しています。

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの運用報告書から計算したトータルコスト表

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは隠れコストが高いものの、支配的なのは信託報酬で、トータルコストは同水準です。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは「その他」が高いですが、これは単に「信託事務に係る諸費用」となっており、詳細は不明です。なお、レバレッジをかけることで生じる金利は運用報告書には出てこないものと思われます。

iFreeレバレッジS&P500とのリターン比較

次はNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの設定直後を避けた、2020年4月1日から2022年6月10日までの、iFreeレバレッジS&P500との比較です。

iFreeレバレッジS&P500とNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルーiFreeレバレッジS&P500です。2倍のレバレッジをかけていることを考えると、この2商品のパフォーマンスは互角だと言っていいでしょう。

SPUUトータルリターンとNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルのリターン比較

S&P500でブル型と言えばSPXL(Direxion社のETF)が超有名です。これは3倍です。2倍はSPUUですが、SPUUは楽天証券、SBI証券、マネックス証券では買えません。また、SPUUの経費率は0.64%と安くはありません。

次はSPUUトータルリターン(ドルのまま)とNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの比較です。NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの設定日直後を避けた2020年4月1日から、2022年5月31日までです。NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは為替ヘッジありなので、円換算していないSPUUトータルリターンと比較しています。

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルとSPUUトータルリターン(ドルのまま)のリターン比較グラフ

青のラインはSPUUトータルリターン(ドルのまま)ーNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルです。大きなトゲは無視していいと思います。段差を無視すれば青のラインはほぼフラットです。

次はSPUUトータルリターン(ドルのまま)とiFreeレバレッジS&P500の比較です。グラフのスケールは同じです。

iFreeレバレッジS&P500とSPUUトータルリターン(ドルのまま)のリターン比較グラフ

このスケールだと青のラインは見分けが付かないくらいそっくりです。iFreeレバレッジS&P500の運用は期待通りであることが分かっているので、それと大きな差がないNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの運用も期待通りと言えるでしょう。

為替ヘッジの効果

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは円で為替ヘッジされます。それを好ましく思うかどうかは受益者によって異なると思いますが、その(コストの必要な)為替ヘッジはどれぐらい効いているのでしょうか。為替ヘッジが効いているiFreeレバレッジS&P500との差が少ないことから、NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルも効いていると思われますが、同じ方法で確認しました。

次はVOO(S&P500種指数に連動するETF)の日々の値動きをドルのままで2倍にしたものと、NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの比較です。2020年4月1日から2022年5月31日までです。

VOOの日々の値動きをドルのままで2倍にしたものと、NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルのリターン比較グラフ

青のラインはVOO 2倍ブル(ドルのまま)ーNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルです。わずかに右肩下がりの直線でうねりがないことから、為替ヘッジがバッチリ効いていると言えます。

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルはVOOの日々の値動きを2倍にしたものよりわずかながらパフォーマンスが高いですが、これはVOOが配当金を出している(このグラフではVOOの配当金を無視しています)ためですね。

結論です。NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの為替ヘッジは期待通り効いています。

人気の獲得に苦戦中

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は15.83億円です。

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

左端が浮いているのは、設定時の純資産総額がぴったり4億円あったためです。おそらく運用側による初期投資と思われます。

iFreeレバレッジS&P500もプロットしました。純資産総額は183億円(うち3億円は運用側による初期投資のはず)です。

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルとiFreeレバレッジS&P500の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

緑のラインがiFreeレバレッジS&P500です。NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルの不人気ぶりが目立ちますね。

やはり人気商品であるiFreeレバレッジNASDAQ100がラインナップにあるiFreeレバレッジシリーズの方が有利ですよね。ちなみに、NZAMレバレッジシリーズにNASDAQ100版はありません。

評価:運用は期待通りですが不人気です

NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは、iFreeレバレッジS&P500同様に高コストですが、支配的なのは信託報酬です。隠れコストはiFreeレバレッジS&P500より高いものの、運用は期待通りと言えます。

購入時手数料が税抜き2.0%もかかるというデメリットがありますが、証券会社を選べば無料なので、これは気にしなくていいでしょう。

残念に思うのは、S&P500の2倍ブル型とは限らない点です。iFreeレバレッジS&P500に投資する人は、S&P500の2倍ブル型が好きだと思うのですが、その観点ではNZAMレバレッジ米国株式2倍ブルはアピール度が弱いです。僕はS&P500に限定して、商品名もNZAMレバレッジS&P500にした方が良かったと思っています。

シリーズの知名度の違いが大きいと思うのですが、NZAMレバレッジ米国株式2倍ブルは不人気です。繰上償還を心配するほどではないかも知れませんが、パフォーマンスに大きな差がないiFreeレバレッジS&P500方が安心できます。

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