NZAMベータ米国2資産(株式+REIT)は米国株式と米国リート(不動産投資信託)に50:50で投資するニッチな商品です。運用会社は農林中金全共連アセットマネジメントですが、農林中央金庫専売ではなく、ネット証券で普通に買えます。
NZAMベータ米国2資産(株式+REIT)は2021年のつみたてNISAリターン実績ランキングで1位でした。2021年は米国株式に加え米国リートも絶好調だったのです。
NZAMベータ米国2資産(株式+REIT)
2020年2月13日に税抜き信託報酬0.37%で設定されました。超ローコストではありませんが、ニッチな組成なので競争力はあると思われます。
- 商品名に「ベータ」とありますが、普通のインデックスファンドです。
- ベンチマークはS&P500種指数とS&P米国REIT指数を50:50で合成したものです。指定インデックス投資信託枠でつみたてNISA適格です。
- NZAMベータ米国2資産(株式+REIT)は一般販売商品で、SBI証券、楽天証券、松井証券、auカブコム証券、SMBC日興証券が扱っています。
S&P500種指数とS&P500米国REIT指数に50:50で投資する、攻めている組成です。
NZAMベータS&P500とNZAMベータ米国REITのマザーファンドが利用できるので商品化のハードルは低かったと思いますが、マニアック過ぎる気がします。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。
隠れコストの高さに驚きます。次は隠れコストの明細です。
保管費用が引いちゃうくらい高いですが、これは米国REITの保管費用の高さが反映された結果です。第二期以降は頑張って削減して欲しいものです。
リターン比較
連動する指数が異なる商品のリターン比較には注意が必要です。
NZAMベータ米国2資産(株式+REIT)はコロナショックによる株価暴落が始まる10日前に設定されました。迷いましたが、あえて設定日から2022年1月7日までを比較期間としています。
スリム米国株式(S&P500)との比較
次はスリム米国株式(S&P500)とのリターン比較です。
赤のラインがスリム米国株式(S&P500)、緑のラインがNZAMベータ米国2資産(株式+REIT)です。青のラインはリターン差で、スリム米国株式(S&P500)ーNZAMベータ米国2資産(株式+REIT)です。
コロナショックによる株価暴落からの回復はスリム米国株式(S&P500)の方が早かったのですが、2021年は互角で推移しました。2021年だけで見ると、NZAMベータ米国2資産(株式+REIT)の方がわずかに高パフォーマンスでした。
iFree NEXT NASDAQ100との比較
この比較に抵抗を感じる方もいるでしょうね。
赤のラインがiFree NEXT NASDAQ100、緑のラインがNZAMベータ米国2資産(株式+REIT)です。NASDAQ100指数はコロナショックからの回復がずば抜けて早かったのですが、2021年はS&P500を圧倒したわけではありませんでした。
S&P500種指数 vs S&P500米国REIT指数
次はS&P500米国REIT指数に連動するSMT米国REITと、iFree S&P500のリターン比較です。2017年9月15日から2022年1月7日までです。
この比較だとS&P500米国REIT指数はS&P500種指数に負けています。米国リートへの十分な理解とこだわりがないと、NZAMベータ米国2資産(株式+REIT)への投資を継続するのは難しい気がします。
不人気です
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。運用会社による初期投資と思われる1,000万円は除外しています。また右端に余白を追加しています。
順調に資金流入を増やしているように見えますが、純資産総額は1.67億円しかありません。NZAMベータS&P500ですら1.33億円しかなく、NZAMベータシリーズ全体が人気の獲得に苦戦しています。
NZAMベータシリーズは知名度が低く、話題性にも欠けるため、他の超ローコスト投信とは違う戦い方が必要でしょう。
評価:微妙です
この組成が自分の好みにぴったりで、相場がどうなっても買い持ちできるという確信があるなら良い商品だと思います。でも現在は隠れコストが高いので、そこは改善して欲しいです。
この組成に強い魅力を感じない場合は、素直に米国株式だけに投資する商品を選択した方がいいでしょう。そうなると、スリム米国株式(S&P500)か楽天全米株式がおすすめです。