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One NYダウの運用コストと評価

同じマザーファンドを利用するけど、販路と対象顧客を変えて、高めの信託報酬で別シリーズを設定するというのは、普通に見られます。たとえばスリムシリーズと、つみたてんとうシリーズです。

たわらノーロードシリーズとOneシリーズも同じ関係にありますが、Oneシリーズはボッタクリ感が強いです。

One NYダウ

2019年5月29日に税抜き信託報酬0.60%で設定されました。明らかに時代に逆行しています。2013年8月に設定されたeMAXIS NYダウと同率です。

運用会社はアセットマネジメントOneで、同社はたわらNYダウを2017年3月21日に、税抜き信託報酬0.225%で設定しています。同じようなことは、スリムシリーズとつみたてんとうシリーズでも見られますが、その信託報酬の高さに驚きました。

さらに、税抜き2%を上限に、購入時手数料の設定が可能です。たわらNYダウは、もちろん、ノーロード(購入時手数料なし)です。

One NYダウは、つみたてNISA適格ではありません。

知識がないとカモられます

One NYダウのマザーファンドは、たわらNYダウと同じです。みずほ銀行は、たわらNYダウも販売していますが、その違いに驚かされます。

たわらNYダウとOne NYダウの違い

信託報酬は高いし、購入時手数料も取られます。ひどいですね。中身はたわらNYダウと同じマザーファンドを買うだけですから、One NYダウの受益者は、たわらNYダウの受益者と同じリスクを負いながら、余計なコストを負担させられているのです。

One NYダウは次の金融機関で販売されています。

  • みずほ信託銀行
  • みずほ銀行
  • 九州FG証券
  • 第一勧業信用組合
  • 長野銀行
  • 鹿児島銀行

みなさんしれっと購入時手数料を徴収しているようです。お金があっても知識がないと、金融機関にカモにされるのが現実です。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。たわらNYダウと比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

隠れコストは期待通り同一水準です。One NYダウは信託報酬が高いので、トータルコストは0.7%を超えています。たわらNYダウの倍以上です。

リターン比較

DIAトータルリターンとの比較

NYダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)に連動するETFにDIAがあります。One NYダウは(たわらNYダウと同じで)ほぼ現物株運用で、DIAの比率は高くても7%でしたが、DIAトータルリターンと比較することで運用コストの大小が分かります。

次は2019年6月3日から2020年11月30日までの、DIAトータルリターンとの比較です。

DIAトータルリターンとの比較グラフ

次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.66%ポイント増量したものとの比較です。

DIAトータルリターンの運用コストを年率0.66%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。この運用コストの増量分は、運用報告書から計算したトータルコスト差からみて妥当です。

たわらNYダウとのリターン比較

次はたわらNYダウとのリターン比較です。One NYダウの設定直後を避けた、2019年6月17日から2020年12月11日までです。

青のラインはたわらNYダウーOne NYダウです。マザーファンドが同じなので、期待通りきれいな直線です。

次はたわらNYダウの運用コストを年率0.41%ポイント増量したものとの比較です。

たわらNYダウの運用コストを年率0.41%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインは真っ平らになりました。この運用コストの増量分は、運用報告書から計算したトータルコスト差に一致します。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。悲しいことに、純資産総額は164億円もあります。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

青の矢印の位置でコロナショックによる株価暴落が始まりましたが、他のNYダウ指数連動商品同様、One NYダウにも急激な資金流入がありました。不思議です。でも、6月以降は頭打ちです。

eMAXIS NYダウとたわらNYダウもプロットしました。

eMAXIS NYダウとたわらNYダウもプロットしたグラフ

緑のラインのたわらNYダウは不人気です。赤のラインのOne NYダウは高コストであるにも関わらず、たわらNYダウを軽く追い抜き、eMAXIS NYダウに追い付いています。

不都合な真実

マザーファンドさえあれば、ベビーファンドを作って異なる商品を設定するのは容易です。高コストの商品を設定し、それでも買ってくれる顧客にアクセスできる金融機関が販売してくれるなら、悪い話ではありません。

次はたわらNYダウとOne NYダウから、アセットマネジメントOneが手にできる売上を計算したものです。

たわらNYダウとOne NYダウの売上比較表

売上金額としては目糞鼻糞ですが、One NYダウはたわらNYダウの10倍もあります。これは、ローコストインデックスファンドがいかに儲からないかを示す良い例です。

評価:買う価値ありません

One NYダウは、単に、たわらNYダウの高コスト版です。知識のない顧客からボッタクるために設定されたとしか思えない商品です。買う価値ありません。そもそも、One NYダウを販売している金融機関に近づくべきではありません。そんなことをするから、カモにされてしまうのです。

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