バランスファンド

eMAXIS Slimバランスがコロナショックで露呈した弱点

eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)は人気の高いバランスファンドですが、コロナショックによる株価暴落では下落率が高かったです。他のバランスファンドと比べてであって、株式100%のインデックスファンドほどではありませんが、期待外れと思っている人もいることでしょう。

どうしてそうなってしまったのでしょうか。確認しました。

ブラック・クリスマスはどうだったか

2018年年末の株価急落は、クリスマスに底を打ったので、ブラック・クリスマスと呼ばれています。その時のスリムバランスの下落率がどうだったのか、主なバランスファンドと比較しました。

赤のラインがスリムバランス、緑のラインが比較対象です。

スリムバランスとセゾングローバルバランスのリターン比較

圧倒的な人気を誇るセゾングローバルバランスとの比較です。

スリムバランスとセゾングローバルバランスのリターン比較グラフ、ブラッククリスマス時

互角です。

スリムバランスと楽天バランス(均等型)のリターン比較

株式と債券の比率が50:50の、楽天バランス(均等型)との比較です。

スリムバランスと楽天バランス(均等型)のリターン比較グラフ、ブラッククリスマス時

互角です。

スリムバランスとつみたて4資産バランスのリターン比較

先進国と国内の株式と債券に均等に投資する、つみたて4資産バランスとの比較です。

スリムバランスとつみたて4資産バランスのリターン比較グラフ、ブラッククリスマス時

互角です。

スリムバランスと野村6資産均等バランスのリターン比較

スリムバランスから新興国株式と新興国株式債券を除いた組成である、野村6資産均等型バランスとの比較です。

スリムバランスと野村6資産均等バランスのリターン比較グラフ、ブラッククリスマス時

互角です。

コロナショックによる株価暴落ではどうだったか

スリムバランスとセゾングローバルバランスのリターン比較

セゾングローバルバランスとの比較です。

スリムバランスとセゾングローバルバランスのリターン比較グラフ、今回の暴落時

スリムバランスの下落率が大きいです。

スリムバランスと楽天バランス(均等型)のリターン比較

楽天バランス(均等型)との比較です。

スリムバランスと楽天バランス(均等型)のリターン比較グラフ、今回の暴落時

スリムバランスの下落率が大きいです。

スリムバランスとつみたて4資産バランスのリターン比較

つみたて4資産バランスとの比較です。

スリムバランスとつみたて4資産バランスのリターン比較グラフ、今回の暴落時

スリムバランスの下落率が大きいです。

スリムバランスと野村6資産均等バランスのリターン比較

野村6資産均等型バランスとの比較です。

スリムバランスと野村6資産均等バランスのリターン比較グラフ、今回の暴落時

互角です。

8資産の値動き

スリムバランスが投資している8資産の値動きはどうだったでしょうか。次はeMAXISシリーズの各資産クラスに投資するものの基準価額の推移です。

eMAXISシリーズの各資産クラスに投資するものの基準価額の推移グラフ

これだと見にくいので、小分けにして比較します。

次は先進国株式と先進国債券、国内債券の比較です。

先進国株式と先進国債券、国内債券の比較グラフ

青のラインの国内債券は、このスケールではほぼフラットで、存在が希薄です。緑のラインの先進国債券も下落気味で、株式と逆の値動きにはなっていません。

次は先進国株式と新興国株式、新興国債券の比較です。

先進国株式と新興国株式、新興国債券の比較グラフ

緑のラインの新興国株式は、先進国株式同様に下がっています。これはしょうがないでしょう。青のラインの新興国債券は、株式と逆の値動きどころではなく、同じように下落しています。

次は先進国株式と先進国リートの比較です。

先進国株式と先進国リートの比較グラフ

先進国株式より下がっています。

次は先進国株式と国内リートの比較です。

先進国株式と国内リートの比較グラフ

めっちゃ下がっています。

リートが足を引っ張りました

スリムバランスと、野村6資産均等バランスが他のバランスファンドより大きく下落したのは、先進国リートと国内リートが含まれていたからですね。8資産均等型は、どの資産クラスが値上がりするか分からないから全部に均等に投資する、という考え方なので、ほとんど全資産クラスが値下がりした場合にこうなってしまうのはしょうがないです。

次はセゾングローバルバランスと、スリムバランスの、最高値からの下落率比較です。ブラック・クリスマス前からです。

セゾングローバルバランスと、スリムバランスの、最高値からの下落率比較グラフ

組成の違いによって、得意な相場とそうでない相場があるということです。実際、絶好調の国内リートの恩恵を受けていた頃もありました。ですから、他のバランスファンドより少し含み損が大きいとしても、狼狽売りしたりせず、買い持ちを継続しましょう。きっとまた良い時がやってきます。

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