新興国株式

【徹底比較】新興国株式インデックスのおすすめを教えて下さい

近年は米国株式の好調さと対称的に、新興国株式の低迷が続いています。でもそれと真逆だった時代もありました。その時代の再来を期待するかどうかは別にして、新興国株式インデックスに投資したいという人は一定数存在するようです。

新興国株式インデックスの選択肢はたくさんあります。でも運用コストと人気(純資産総額)を考慮すると、おすすめできる商品は限られます。まず最初に検討すべきは、ベンチマークです。

MSCIエマージング・マーケット連動商品

MSCIエマージング・マーケットは、新興国株式で人気のベンチマークです。つみたてNISA認定の新興国株式インデックスファンド12本中、10本がこのベンチマークを採用しています。主なローコスト商品は詳細を別記事にまとめてあります。

新興国株式インデックスは隠れコストが高い商品が多く、信託報酬だけを見てローコストだと判断してはいけない良い実例です。

eMAXIS Slim新興国株式

トータルコストの安さ、純資産総額(人気)の高さ、安定した運用実績を考えると、MSCIエマージング・マーケットに投資するならeMAXIS Slim新興国株式がおすすめです。

ニッセイ新興国株式

ニッセイ新興国株式とeMAXIS Slim新興国株式の信託報酬は同率首位で並んでいますが、ニッセイ新興国株式は隠れコストが高いです。ニッセイアセットマネジメントが好きであっても、eMAXIS Slim新興国株式を選んだ方がいいです。

  • 運用コストが高く、わざわざ選択する経済的合理性はありません。
  • 不人気で売れていません。

たわら新興国株式

厳しいようですが、たわら新興国株式を選択する経済的合理性はありません。

  • 信託報酬が高い。ローコスト化競争から距離を置いているのは明らか。
  • 相対的に不人気。現状では、eMAXIS Slim新興国株式の純資産総額に追い付くのは無理。

新興国株式という資産クラス(ジャンル)で、たわら新興国株式が生き残れるとは思えません。たわら新興国株式を応援したいのなら話は別ですが、その気がないのなら投資しない方が賢明です。

三井住友DC新興国株式

企業型DCで他に良い選択肢がない場合を除いて、買う価値ありません。

  • 信託報酬、隠れコスト共に高い。
  • 先物比率が高くベンチマークに忠実な運用と言えない。
  • 不人気で純資産総額が少ない。

MSCIエマージング・マーケット連動だけど高コストで買う価値がない商品

ここに登場する6本の商品は、どれも高コストで買う価値ありません。そういうのには興味ないって方はここまで飛ばして下さい。

トータルコストは運用報告書から計算したものです。運用報告書に記載される数値は運用報告書によって基準が異なるので、隠れコスト、トータルコストは参考値と思って下さい。

eMAXIS Slim新興国株式とリターン比較をしています。青のラインはeMAXIS Slim新興国株式ー比較対象で、青のラインの傾きは比較対象の運用コストの大きさを示しています。比較期間は2018年2月15日から株価暴落開始直前の2020年2月20日までです。

青のラインの傾きが期待通りかどうかを判定していますが、それはeMAXIS Slim新興国株式の運用コストを増量し、青のラインがフラットになる値を調べる方法を使っています。

eMAXIS新興国株式

eMAXIS新興国株式は2009年10月28日に設定されました。税込み信託報酬は0.60%で、設定来引き下げられていません。つみたてNISA適格です。

eMAXIS新興国株式のトータルコスト表

信託報酬が高いので、トータルコストは引いちゃいそうな水準です。

eMAXIS新興国株式とeMAXIS Slim新興国株式はマザーファンドが同じなので、リターン差は暴れません。

eMAXIS新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾きは期待通りです。

純資産総額は275億円ありますが、もう資金流入が頭打ちで今後大きく増えることはないと思われます。

eMAXIS新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

日興インデックスファンド海外新興国株式

日興インデックスファンド海外新興国株式は2008年4月1日設定されました。現在の税込み信託報酬は0.55%です。購入時手数料税抜き3.0%が設定されており、つみたてNISA適格ではありません。

日興インデックスファンド海外新興国株式のトータルコスト表

信託報酬と隠れコストが高いので、トータルコストはびっくりするほど高額です。

日興インデックスファンド海外新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾きは期待通りです。

純資産総額は184億円あります。驚いたことに、まだ売れ続けています。

日興インデックスファンド海外新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

ネット証券を利用する人がわざわざ高コストな日興インデックスファンド海外新興国株式を買うとは思えません。すると、日興インデックスファンド海外新興国株式を買っている人は、どこかの金融機関の窓口で購入時手数料を支払っているのではないか、と思ってしまいます。それって、どう考えても損な行動です。

SMT新興国株式

2008年12月15日に設定されました。現在の税込み信託報酬は0.60%です。購入時手数料税抜き3.0%が設定されていますが、つみたてNISAならノーロードで買えます。

SMT新興国株式のトータルコスト表

トータルコストはeMAXIS新興国株式並です。

SMT新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾きは予想外に小さいです。つまり、運用報告書から計算したトータルコストほどの差がない、ということです。そうなる理由は不明です。

純資産総額は204億円あります。驚いたことに、まだ売れ続けています。

SMT新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

Funds-i 新興国株式

Funds-i 新興国株式は2010年11月16日に設定されました。税込み信託報酬は0.60%で、設定来引き下げられていません。つみたてNISA適格です。

Funds-i 新興国株式のトータルコスト表

隠れコストは0.2%程度が多いのですが、Funds-i 新興国株式は少し低いです。

Funds-i 新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾きはほぼ期待通りです。

純資産総額は42億円です。資金流入は頭打ちになりつつあります。

Funds-i 新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

iシェアーズ新興国株式

iシェアーズ新興国株式は2013年9月3日に設定されました。税抜き信託報酬0.58%でした。当時、i-mizuho 新興国株式でしたが、その後iシェアーズ新興国株式に改名されました。現在の税抜き信託報酬は044%(ETFの経費率を含みます)です。

iシェアーズ新興国株式は、iShares Core MSCI Emerging ETF (IEMG)を買うだけのインデックスファンドです。

iシェアーズ新興国株式のトータルコスト表

隠れコストは現物株運用のものの半分程度です。でも、仕組み的に三重課税問題が存在します。

リターン差は激しく暴れています。縦軸のスケールを変更しています。

iシェアーズ新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾向(傾き)は、期待値より大きいです。運用報告書から計算したトータルコストより、高コストだと思います。

純資産総額は8億円しかありません。資金流入も頭打ちになりつつあります。

iシェアーズ新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

Smart-i 新興国株式

Smart-i 新興国株式は2017年8月29日に設定されました。税抜き信託報酬は0.34%で、設定来引き下げられていません。つみたてNISA適格です。

Smart-i 新興国株式のトータルコスト表

隠れコストが高いです。

Smart-i 新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

ちょっと問題起こしていますね。現物株運用なんですが、暴れが大きいです。

青のラインの傾きは期待通りです。

純資産総額は9.8億円しかありません。資金流入はいい感じで増えていますが、増加ペースが小さすぎます。

Smart-i 新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

MSCIエマージング・マーケット連動だけどコストが高めでおすすめできない商品

ここに登場する3本の商品は、どれもコストが高めでおすすめできません。そういうのには興味ないって方はここまで飛ばして下さい。

つみたて新興国株式

つみたて新興国株式は2017年8月16日に設定されました。税抜き信託報酬は0.34%で、設定来引き下げられていません。つみたてNISA適格です。

つみたて新興国株式のトータルコスト表

eMAXIS Slim新興国株式とマザーファンドが同じなので、リターン差はきれいな直線です。

つみたて新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾きは期待通りです。

純資産総額は51億円あります。資金流入はいい感じで増えています。でも増加ペースは、eMAXIS Slim新興国株式にはかないません。

つみたて新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

eMAXIS Slim新興国株式の方が明らかに安いにも関わらず、このように売れているというのは不思議です。

ステートストリート新興国株式

ステートストリート新興国株式は2016年5月9日に設定されました。現在の税抜き信託報酬は0.29%です。

ステートストリート新興国株式のトータルコスト表

隠れコストは現物株運用の一般的な水準です。

ステートストリート新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾きはほぼ期待通りです。

純資産総額は9億円しかありません。資金流入は続いていますが、増加ペースが小さすぎます。

ステートストリート新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

i-SMT新興国株式

i-SMT新興国株式は2018年1月12日に設定されました。税抜き信託報酬は0.33%です。つみたてNISA適格です。

i-SMT新興国株式のトータルコスト表

SMT新興国株式の廉価版です。マザーファンドはSMT新興国株式と同じです。SMT新興国株式同様、リターン差が期待値と違います。

i-SMT新興国株式とスリム新興国株式のリターン比較グラフ

運用報告書から計算したトータルコストは、i-SMT新興国株式の方が高いので、青のラインは右肩上がりになるのが期待値です。が、実際にはそうなっていません。これだと、eMAXIS Slim新興国株式よりi-SMT新興国株式の方が低コストということになります。不思議ですね。

純資産総額は0.52億円しかありません。絶望的に売れていません。

i-SMT新興国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

ここまで売れないというのは、運用会社も想定外だったことでしょう。

MSCIエマージング・マーケット以外に連動する商品

つみたてNISA認定商品は2本だけです。

iFree新興国株式

iFree新興国株式は、つみたてNISA適格商品で唯一、FTSE RAFIエマージング・インデックスを採用しています。この指数にこだわりがあるなら、iFree新興国株式一択です。運用コストはeMAXIS Slim新興国株式より明らかに高いですが、優先すべきはベンチマークです。

僕は、iFree新興国株式の高い運用コストを払ってまで、FTSE RAFIエマージング・インデックスに投資する価値はないと思っています。

SBI新興国株式

SBI新興国株式は、つみたてNISA適格商品で唯一、FTSEエマージング・インデックスを採用しています。ベンチマークにこだわりがない場合、SBI新興国株式は良い選択肢になります。

  • 運用報告書から計算したトータルコストは激安です。
  • でも三重課税コストを考慮するとeMAXIS Slim新興国株式の方が安いです。
  • 人気(純資産総額)はeMAXIS Slim新興国株式の圧勝ですが、SBI新興国株式はもっと人気が出ても良いと思います。

楽天新興国株式

VWOを買うだけのインデックスファンドである楽天新興国株式のベンチマークは、つみたてNISAの指定インデックスではありません。VWOにこだわりがあるなら、楽天新興国株式一択ですが、つみたてNISAでは買えないので、まずつみたてNISAの非課税枠を埋め終わってもまだ余裕資金がある場合に限った方がいいです。

楽天新興国株式の運用コストは、昔はともかく、現在は低水準です。運用も安定しています。でも三重課税問題、純資産総額の少なさを考えると、積極的におすすめできません。

EXE-i 新興国株式

EXE-i 新興国株式は低コストですが、三重課税問題があること、人気が頭打ちであること、現在の買い付けのほとんどはiDeCoによるものであることから、他の選択肢の方がいいです。つみたてNISA適格でもないし、これからわざわざEXE-i 新興国株式に投資する価値はないでしょう。

結論

純資産総額とトータルコストを一覧表にまとめました。

純資産総額とトータルコストの一覧表

新興国株式に投資するのに、ベンチマークが一番人気のMSCIエマージング・マーケットでいいなら、eMAXIS Slim新興国株式をおすすめします。他のベンチマークがいい場合、対応する商品が実際に投資する価値があるかどうか、良く吟味して決めるといいでしょう。

その他の商品

たわら新興国株式低ボラティリティ高配当戦略

アクティブファンドですが、高コスト・低パフォーマンス・超絶不人気で、繰上償還は避けられないと思われます。

実績のない運用形態には飛び付かない方が良いという、実例です。

おすすめの関連記事

-新興国株式

© 2020 河童のインデックス投資 Powered by STINGER