インデックス投資

超ローコストインデックスファンドの選び方

一般的な指数に連動する超ローコストインデックスファンドに投資する場合、スリムシリーズに該当する商品があるならもうそれを選んでおけば安心です。そうでない商品の場合、売れている人気商品を選べばいいでしょう。受益者が自発的に購入している(金融機関の窓口などで誘導されて買わされているのでない)場合、良い商品でなければ長期間に渡って人気を維持することは不可能だからです。

先進国株式インデックス

日本で先進国株式と言うと、ほぼMSCIコクサイのことを指します。先進国株式は2018年頃までは高い人気を誇っていましたが、現在では米国株式(S&P500など)と全世界株式(オルカンなど)に取って代わられています。

MSCIコクサイとは

先進国株式インデックスを代表する指数であるMSCIコクサイについて、次の記事でやさしく解説しています。

スリム先進国株式

先進国株式インデックスに投資するなら、スリム先進国株式をおすすめします。

スリムシリーズが嫌いなら、ニッセイ外国株式かたわら先進国株式がいいでしょう。

野村スリーゼロ先進国株式投信

野村スリーゼロ先進国株式投信は、2030年末までは信託報酬がゼロ、その後も現在のニッセイ外国株式やスリム先進国株式の信託報酬程度を予定しています。それだけ聞くと強烈なインパクトがあります。が、最大の問題は野村證券のつみたてNISA口座専売だということです。これを餌に顧客を釣り上げて、高コストな商品の販売につなげたいという意図がミエミエです。(現在ではLINE証券のつみたてNISA口座でも販売されています。)

こういう不誠実な商品は無視するに限ります。

S&P500インデックス

S&P500種指数に連動するインデックスファンドの選択肢は豊富ですが、トータルコストと人気を考えると2商品に絞られます。

また、国内籍ETFを活用できる人には良い選択肢があります。

スリム米国株式(S&P500)

トータルコストの安さ、純資産総額(人気)の高さ、販社数の多さ(楽天証券で買えること)から、間違いなくおすすめです。

もちろんiDeCoでも買えます。

SBI・V・S&P500(旧SBIバンガードS&P500)

税抜き信託報酬はスリム米国株式(S&P500)と同じ0.088%、運用報告書から計算したトータルコストは0.112%と超ローコストです。でもそれは、ごまかしの効かない基準価額データとの分析結果と一致しません。

次に該当する方は、SBI・V・S&P500が選択肢になるでしょう。

  • VOOに投資していることに喜びを感じる。
  • スリムシリーズが嫌い。
  • 近い内に(真の)運用コストが下がると信じている。

でも楽天証券では買えませんし、iDeCoでの取り扱いはありません。

MAXIS米国株式(S&P500)【2558】

運用コスト、配当金への課税、課税の繰り延べと、複数の要素が関係しますが、長期投資を前提とするならスリム米国株式(S&P500)の方が有利と言えます。

でもMAXIS米国株式(S&P500)の持つ(ETFゆえの)独特なメリットを活かせる人には、良い選択肢になり得るでしょう。

MAXIS米国株式(S&P500)ヘッジあり【2630】

2558の為替ヘッジあり版です。トータルコストは2558より高いですが、為替ヘッジはバッチリ効いています。

2558と使い分けできる人には、良い選択肢だと思います。

NASDAQ100インデックス

2020年からその圧倒的なパフォーマンスが評価され、NASDAQ100指数連動商品が人気を集めました。2022年になってその熱狂は冷めつつありますが、NASDAQ100指数にローコストで手軽に投資できる環境は素晴らしいです。

NASDAQ100指数とは

NASDAQ100指数は、米国のナスダック市場に上場している時価総額の大きい非金融業100社の株式で構成される株価指数です。指数の計算方法は、調整済時価総額加重平均方式です。定期的な採用銘柄の入替えは毎年12月に行なわれますが、それ以外に、臨時に入替えが行なわれることがあります。

出典:iFree NEXT NASDAQ100の目論見書

NASDAQ100指数はつみたてNISAの指定インデックスではありません。そのため「指定インデックス投資信託」以外の、いわゆるアクティブファンド枠で適格申請するためには、設定から5年経過する必要があります。iFree NEXT NASDAQ100だとあと1年我慢です。

NASDAQ100とS&P500の投資対象の違い

S&P500にはNASDAQ100がほぼ丸ごと入っています。つまり、S&P500に投資すると、ほぼNASDAQ100にも投資していることになります。

S&P500に投資するということは、NASDAQ100のほとんどに投資した上でさらに、62%程度の異なる銘柄に投資することを意味します。

iFree NEXT NASDAQ100

トータルコスト、運用実績、人気を考えると、eMAXIS NASDAQ100と並んで最有力候補です。

eMAXIS NASDAQ100

トータルコスト、人気はiFree NEXT NASDAQ100と互角ですが、組成内容はeMAXIS NASDAQ100の方が好ましいです。

eMAXISシリーズでなくてスリムシリーズだったら良かったんですけどね。

MAXISナスダック100【2631】

2631は良い選択肢ですが、ETFへのこだわりがないなら、iFree NEXT NASDAQ100かeMAXIS NASDAQ100をおすすめします。

MAXISナスダック100ヘッジあり【2632】

ETFのメリット・デメリットを分かった上で国内ETFが好き、そしてNASDAQ100指数に為替ヘッジをかけて投資したい人には、2632はとても魅力な選択肢に見えるのではないでしょうか。

VTIに投資するインデックスファンド

CRSP USトータル・マーケット・インデックス(VTIの指数)に連動するインデックスファンドは2つありますが、どちらもVTIに投資しています。その元祖は楽天全米株式で、信託報酬を下げて参入したのがSBI・V・全米株式です。

S&P500種指数が約500銘柄なのに対し、CRSP USトータル・マーケット・インデックスは約3,600銘柄と、より多くの銘柄を対象にしています。この2つの指数に優劣はなく、どちらが好きかで選べば良いと思います。そう言われても分からないという場合は、対応商品から気に入ったものを選ぶといいでしょう。

楽天全米株式

SBI・V・全米株式登場後も安定した人気をキープしています。

SBI・V・全米株式

SBI・V・全米株式は楽天全米株式に対抗するため、税抜き信託報酬を0.058%に下げて来ました。信託報酬だけ見るとSBI・V・全米株式の圧勝ですが、話はそれほど単純ではありません。

楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)のどちらがいいのか

楽天全米株式とスリム米国株式(S&P500)の二択で迷う人も少なくないでしょう。

日本を含む全世界株式インデックス

日本を含む全世界株式に投資したい場合、運用コストと人気で考えると、おすすめはオール・カントリーか楽天全世界株式の二択になります。

スリム全世界株式(オール・カントリー)

MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに投資するなら、スリム全世界株式(オール・カントリー)一択です。

楽天全世界株式

楽天全世界株式の現在のコストは低水準で運用も安定しており、安心しておすすめできます。でも2022年4月15日からVTに加えてVTIとVXUSにも投資するように変わりました。これを好まない人もいることでしょう。

SBI・V・全世界株式

楽天全世界株式は2022年4月15日からVTに加えてVTIとVXUSにも投資するように変わり、純粋にVTに投資するだけではなくなりました。そういう運用を好まない場合、純粋にVTに投資するインデックスファンドが好みなら、SBI・V・全世界株式一択です。

MAXIS全世界株式(オール・カントリー)【2559】

運用コスト、配当金への課税、課税の繰り延べと、複数の要素が関係しますが、長期投資を前提とするならスリム全世界株式(オール・カントリー)の方が有利と言えます。

でもMAXIS全世界株式(オール・カントリー)の持つ(ETFゆえの)独特なメリットを活かせる人には、良い選択肢になり得るでしょう。が、特段ETFに関心のない人で、長期投資を前提とするなら、普通に投資信託を選択した方が有利だということです。

日本を含まない全世界株式インデックス

スリム全世界株式(除く日本)

日本を除く全世界株式に投資する場合、スリムシリーズが嫌いでなければ、スリム全世界株式(除く日本)一択でいいです。トータルコスト、純資産総額(人気)で考えるとそうなります。

NYダウ指数連動商品

NYダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)に連動する商品もたくさんありますが、コスト的に選択可能なのは少ないです。この指数は米国株式を代表する有名なものなのですが、30銘柄にしか投資しないことから、特に理由がないならより分散されたS&P500種指数かVTIの指数を選択するのが良いと思います。

iFree NYダウ

iFree NYダウは低コストかつ組成内容が良質、運用も安定しています。つみたてNISA適格で、NYダウに投資するならiFree NYダウ一択です。

VYM連動商品

楽天米国高配当株式(楽天VYM)の指数はFTSEハイディビデンド・イールド・インデックスです。楽天米国高配当株式はVYMに投資したい人には最良の選択肢ですが、パフォーマンスで楽天全米株式に負けており、投資対象として魅力を感じません。

楽天米国高配当株式

楽天米国高配当株式は低コストでVYMに投資したい人にとっては良い選択肢だと言えます。

SBI・V・米国高配当株式

楽天米国高配当株式より信託報酬が安いです。こだわりがなければSBI・V・米国高配当株式を選択してもいいと思います。

新興国株式インデックス

新興国株式に投資するならMSCIエマージング・マーケット指数に連動する商品が(つみたてNISA適格で選択肢も多いことから)いいです。楽天新興国株式はやめておいた方がいいです。

スリム新興国株式

トータルコストの安さ、純資産総額(人気)の高さ、安定した運用実績を考えると、スリム新興国株式がおすすめです。

楽天新興国株式

VWOを買うだけのインデックスファンドである楽天新興国株式のベンチマークは、つみたてNISAの指定インデックスではありません。VWOにこだわりがあるなら、楽天新興国株式一択ですが、つみたてNISAでは買えないので、まずつみたてNISAの非課税枠を埋め終わってもまだ余裕資金がある場合に限った方がいいです。

TOPIX連動ファンド

このブログの読者の方は、TOPIX連動ファンドに興味を示さない気がしますが、もし投資するならスリム国内株式(TOPIX)一択でいいでしょう。

スリム国内株式(TOPIX)

特に好き嫌いがなければ、スリム国内株式(TOPIX)がおすすめです。

日経平均連動ファンド

このブログの読者の方が、日経平均連動ファンドに投資することは想像できないのですが、もし投資するならスリム国内株式(日経平均)を選んでおけば安心です。

伝統的バランスファンド

セゾングローバルバランス

誰もが認めるキング・オブ・バランスファンドです。今ではすっかり高コスト商品になってしまいましたが、圧倒的で安定した人気を誇ります。パフォーマンスは極めて「標準的」です。

楽天バランス

均等型、債券重視型、株式重視型の3タイプがあります。均等型はセゾングローバルバランスキラーになれると思ったのですが、甘かったです。

8資産均等型

n資産均等型の代表格です。否定的な意見もありますが、8資産均等型がダメかどうかは自分で判断すればいいことです。

スリムバランス(8資産均等型)

8資産均等型ならスリムバランス一択でいいです。

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