米国株式

S&P500インデックスのおすすめを教えて下さい

VTI(ベンチマークはCRSP USトータル・マーケット・インデックス)に手軽に投資する場合、楽天全米株式が唯一の選択肢です。一方、S&P500種指数に連動するインデックスファンドの選択肢は豊富ですが、トータルコストと人気を考えると2商品に絞られます。

また、高コストでおすすめできない商品も複数あります。

S&P500インデックスの主力3商品

ローコストで有名な3商品は別格なので、詳細を別記事にまとめてあります。

スリム米国株式(S&P500)

トータルコストの安さ、純資産総額(人気)の高さ、販社数の多さ(楽天証券で買えること)から、間違いなくおすすめです。

SBIバンガードS&P500

税抜き信託報酬はスリム米国株式(S&P500)と同じ0.088%ですが、トータルコストで負けています。運用コストの削減が必要です。

次に該当する方は、SBIバンガードS&P500が選択肢になるでしょう。

  • VOOに投資していることに喜びを感じる。
  • スリムシリーズが嫌い。
  • 近い内に運用コストが下がると信じている。

でも楽天証券では買えませんし、iDeCoでの取り扱いはありません。

iFree S&P500

税抜き信託報酬は0.225%で、トータルコストも低いですが、スリム米国株式(S&P500)の方が低コストです。また純資産総額(人気)に圧倒的な差があること、ベンチマークとの連動性の観点から、iFree S&P500よりスリム米国株式かSBIバンガードS&P500を選択した方が良いです。

高コストでおすすめできない商品

ここに登場する4本の商品は、どれも高コストでおすすめできません。そういうのには興味ないって方はここまで飛ばして下さい。

実際の基準価額データから運用コストの大小を推測するのに、VOOトータルリターンを使います。比較対象インデックスファンドはVOOとは直接の関係はありませんが、運用コスト(トータルコスト)の大きさを推測するリファレンスになります。比較期間は設定日が一番遅いものに合わせて2019年3月25日から、株価暴落が始まる直前の2020年2月20日としています。

グラフの青のラインはリターン差で、VOOトータルリターンー比較対象です。

iシェアーズ米国株式インデックス

iシェアーズ米国株式インデックスは2013年9月3日に設定されました。ええ、その頃からS&P500種指数に投資するインデックスファンドは存在したのです。IVVを買うだけのインデックスファンドで、税抜き信託報酬0.57%で設定されました。(当時の名称はi-mizuho米国株式インデックスでした。)

2018年2月3日に、名称をiシェアーズ米国株式インデックスに変更し、税抜き信託報酬を0.375%に引き下げました。公平な表現をするなら、税抜き信託報酬は0.415%(IVVの経費率0.04%を含みます)となります。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

iシェアーズ米国株式インデックス

VOOトータルリターンとの比較を見ると、運用報告書にある数値がいかにあてにならないか分かります。

iシェアーズ米国株式インデックス

青のラインの形状が、コスト増量に向いていません。そこで2019年9月10日からの比較に変更します。

iシェアーズ米国株式インデックス

次はVOOトータルリターンの運用コストを年率1.0%ポイント増量したものとの比較です。

iシェアーズ米国株式インデックス

青のラインはほぼフラットになりました。iシェアーズ米国株式インデックスの実際の運用コストは、運用報告書から計算したものよりずっと大きいです。

それから、もうどうでもいいと思いますけど、iシェアーズ米国株式インデックスはつみたてNISA適格ではありません。

ステートストリート米国株式

ステートストリート米国株式は2017年9月29日に設定されました。税抜き信託報酬は0.45%で、設定来変わっていません。その1ヶ月前にiFree S&P500が税抜き信託報酬0.225%で設定されていたので、やる気が感じられませんでした。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

ステートストリート米国株式

次はVOOトータルリターンとの比較です。

ステートストリート米国株式

次はVOOトータルリターンの運用コストを年率0.5%ポイント増量したものとの比較です。

ステートストリート米国株式

青のラインはほぼフラットになりました。

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500は2017年12月10日に設定されました。税抜き信託報酬は0.45%で、設定来変わっていません。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500

隠れコストが高いですね。次はVOOトータルリターンとの比較です。

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500

次はVOOトータルリターンの運用コストを年率0.8%ポイント増量したものとの比較です。

農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500

青のラインはほぼフラットになりました。

農中<パートナーズ>米国株式S&P500

農中<パートナーズ>米国株式S&P500は2019年3月4日に設定されました。この商品、名称は、先行していた「農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500」から「つみたてNISA」を無くしただけですが、中身は激しく劣化しています。(この商品も、派生元も、農林中央金庫でしか買えません。)

  • つみたてNISA適格ではありません。
  • 税抜き信託報酬は0.55%と0.1%ポイント高いです。
  • 税抜き1.5%を上限として、購入時手数料が設定可能です。
  • 決算頻度は年1回ですが、配当金出しています。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

隠れコストは派生元よりさらに高いです。(保管費用が高いです。)トータルコスト税込み0.8843%はインデックスファンドと思えない水準です。

次はVOOトータルリターンとの比較です。

農中<パートナーズ>米国株式S&P500

次はVOOトータルリターンの運用コストを年率0.9%ポイント増量したものとの比較です。

農中<パートナーズ>米国株式S&P500

青のラインはほぼフラットになりました。

配当金を出した結果

農中<パートナーズ>米国株式S&P500は決算時に配当金を出しています。次は2020年年初からの、農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500とのリターン比較です。

2020年年初からの、農中<パートナーズ>つみたてNISA米国株式S&P500とのリターン比較グラフ

赤の矢印の位置で配当金を出したため、基準価額が下がり、リターン差が広がりました。もちろん受益者は配当金を手にしていますから、短期的に見れば損しているわけではありません。が、それは長期投資を前提にした場合、好ましいことではありません。

高コストでおすすめできない4商品のコスト一覧

一覧表にまとめました。

高コストでおすすめできない4商品のコスト一覧表

高コストです。買わないのが正解です。

設定後間もない新顔

2商品あります。設定後間もないので、もちろん運用報告書は公開されていませんから、トータルコストは計算できません。でも、値動きが分かっているインデックスファンドとリターン比較することで、トータルコストの大小比較が可能です。

新顔には興味ないって方はここまで飛ばして下さい。

この記事ではスリム米国株式(S&P500)と比較します。株価が大きく下落している局面を除いた、3月23日から5月22日までの比較です。青のラインの傾向を見て下さい。

NZAMベータS&P500

NZAMベータS&P500は2020年2月13日に設定されました。税抜き信託報酬は0.24%です。スリム米国株式(S&P500)やSBIバンガードS&P500と同じ市場で競争するつもりはなさそうです。

  • 商品名に「ベータ」とありますが、目論見書を見る限り普通のインデックスファンドです。
  • つみたてNISA適格です。
  • マザーファンドは前記、農中<パートナーズ>の2商品と同じです。
  • こちらは一般販売商品で、SBI証券、楽天証券、SMBC日興証券が扱っています。

次はスリム米国株式(S&P500)とのリターン比較です。

NZAMベータS&P500とスリム米国株式のリターン比較グラフ

青のラインはスリム米国株式(S&P500)ーNZAMベータS&P500です。右肩上がりで推移しているので、スリム米国株式(S&P500)の方がトータルコストが安いはずです。

農中<パートナーズ>の2商品の隠れコストが大きいことから、NZAMベータS&P500もそうなると思います。おそらく、トータルコストを気にする賢明な受益者は選択しないでしょう。

つみたて米国株式(S&P500)

つみたてんとうシリーズの新顔です。2020年3月6日に設定されたばかりです。税抜き信託報酬は0.20%です。つみたてんとうシリーズはこの税抜き信託報酬で着実に純資産総額を増やせているので、つみたて米国株式(S&P500)も一定の受益者層を獲得し、三菱UFJ国際投信の超ローコストインデックスファンドシリーズの総売上に貢献すると思われます。

もちろん、このブログの読者のみなさんを対象に組成された商品ではありません。

次はスリム米国株式(S&P500)とのリターン比較です。

つみたて米国株式(S&P500)とスリム米国株式のリターン比較グラフ

青のラインはスリム米国株式(S&P500)ーつみたて米国株式(S&P500)です。右肩上がりで推移しているようです。

縦軸のスケールを拡大します。

つみたて米国株式(S&P500)とスリム米国株式のリターン比較グラフ、縦軸のスケールを拡大

マザーファンドが同じで、信託報酬が違うだけですから、こうなるのが期待値です。

次はつみたて米国株式(S&P500)とNZAMベータS&P500の比較です。

つみたて米国株式(S&P500)とNZAMベータS&P500の比較グラフ

NZAMベータS&P500の運用コストの高さが分かりますね。

純資産総額一覧

2020年5月29日における純資産総額一覧です。

純資産総額一覧表

高コストでおすすめできない4商品は苦戦しています。中でも避けるべき「農中<パートナーズ>米国株式S&P500」は売れていません。

最近設定された「NZAMベータS&P500」と「つみたて米国株式(S&P500)」は動向を見守りたいと思います。

次は上位3商品(別格)の、設定来の資金流出入額の累計の推移です。

上位3商品(別格)の、設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

赤のラインのiFree S&P500を、緑のラインのスリム米国株式(S&P500)があっさり抜き去ってしまいました。驚異的な低信託報酬で登場したSBIバンガードS&P500も売れていますが、スリム米国株式(S&P500)の勢いにはかないません。

結論:スリム米国株式(S&P500)をおすすめします

次の理由から、SBIバンガードS&P500は次点となります。

  • 現在トータルコストでスリム米国株式(S&P500)に負けている。
  • 楽天証券で買えない。
  • iDeCoの取り扱いがない。
  • 純資産総額(人気)はスリム米国株式(S&P500)の圧勝。

いわゆるポジショントークです。スリム先進国株式に集中投資している我が家にとって、スリムシリーズの成功は他人事ではありません。

おすすめの関連記事

-米国株式

© 2020 個人事業主が節税してインデックス投資 Powered by STINGER