現在、つみたてNISA適格の投資信託は166本もあります。当然、人気はピンキリで、絶望的に売れていない商品もたくさんあります。
「人気」を測るには明確な指標が必要です。この記事では「総口数の変化」を採用しました。2019年年初と年末の、総口数の差がプラスで大きかったものが、人気が高かったと判断しています。これには異論もあろうかと思いますが、少なくとも、2019年の受益者の行動を反映していることは確かです。総口数の差がプラスになるためには、買付口数が解約口数を上回らないといけないからです。
なお、つみたてNISA適格商品は特定口座、一般NISA口座、iDeCo口座などでも買われているでしょうが、その内訳までは知り得ません。よってこれは、「つみたてNISAで買われている人気商品ランキング」ではありません。
おことわり
総口数は純資産総額と基準価額から計算できます。2019年年初の時点で設定されているものだけをリストアップしていますが、総口数や純資産総額が極端に少ないものを見ると、それら商品の受益者は不安に感じるかも知れません。
僕ができるのは計算結果を並べたリストを公開することであって、それら商品の未来がどうなるかは予測できません。今後、時間はかかろうとも人気を獲得して(繰上償還の目安である)10億口を超えられるかも知れませんし、総口数が少なくても、つみたてNISA適格というバッジが重荷になって繰上償還されることはないかも知れません。
また、このランキングでは基準価額を無視しています。基準価額が1万円と2万円のものでは、同じ口数だけ増加していても、資金流入量は倍ほど違います。人気を測る公平な指標がないので、単純に総口数の変化量としてることに注意してください。
表の見方
リストが長いので分割しています。総口数の変化でソートしています。
- 単位はどれも「億」です。
- 総口数の変化は、2019年年初と年末の差です。
- 総口数が10億未満のものは赤字にしています。
- 総口数の変化がマイナスのものは赤字にしています。
- 純資産総額、総口数は2019年末のものです。
- つみたてNISA適格商品であっても、僕が極端にマイナーだと思っているものは対象外です。
1位から40位まで
表が長いので分割しています。まず40位までです。
上位には納得できる商品が並んでいると思います。また、40位までには総口数が極端に少ないものはありません。
41位から80位まで
総口数が10億に満たないものが散見されます。
81位から120位まで
100位ぐらいから急落してます。人気の偏りを感じますね。
121位以降
不名誉な最下位は「ひふみプラス」でした。近くに「ひふみ投信」もいます。ひふみには特殊な事情があるので、このランキングは酷ですね。
グラフにすると一目瞭然
グラフにしました。
横軸は順位で、左側が1位です。2019年に売れた(総口数を大きく増やせた)のは、一握りに過ぎないことが良く分かります。
まとめ:トータルコストと人気に注意しましょう
投資信託は粗製乱造される傾向にあります。つみたてNISA適格となるには厳しい条件をクリアしないといけないため、「地雷」とか言われるひどいものはそもそも排除されていますが、それでも極端に総口数が少ないものには繰上償還のリスクが付きまといます。
また、純資産総額が少ない、あるいは競合と比較して十分な速度で増えない場合、その商品は競争力を失うだけだと思われます。投資信託が売れるようにするのは(人気商品にするのは)簡単ではないわけですが、そのためには運用会社の投資が必要な場合もあるでしょう。それは信託報酬の引き下げだったり、販促活動だったりしますが、その原資は純資産総額から得られる信託報酬なので、結局「勝者が全部持っていく」図式になると思われます。
- 極端に不人気な商品は、繰上償還リスクがあるので避けた方がよいでしょう。
- 同じベンチマークの商品から選ぶなら、トータルコストと総口数の推移を気にすべきです。