インデックス投資ではファンドを長期保有することが好ましいという意見が大半だと思います。それでは長期とはどれぐらいの期間を言うのでしょうか。それは人によって変わると思います。実際30代の人と50代の人では大きく違うでしょう。投資可能な金額も投資可能な期間も違うでしょうから、いっしょにはできないはずです。
ここで考えるのは50代の僕の場合です。
長期投資の意味
これはeMAXIS 先進国株式インデックスの基準価額の変化です。
引用:モーニングスター
未来は予測できませんから、今から積み立てを開始したとしてこの先基準価額がどのように変化するかは誰にも分かりません。今、過去に遡って8年分ぐらいの変化を閲覧できますが、これを見て僕はこう思いました。
- 数年間のスパンだと簡単に元本割れしてしまう。そうなるかどうかは運次第。
- 基準価額の低迷期に積み立てを続けられた人は笑いが止まらないだろうなあ。
- 上げ下げを繰り返しながらもゆるやかに上昇している時期を楽しんでいても、その後1年ぐらい残念な時期を迎えることもある。
- 8年ぐらいの長い目で見れば基準価額は上がるんじゃね。
どれだけのリターンが欲しいかによりますが、年率4%程度のそこそこのリターンを、そこそこのリスクで狙う場合、20年も30年もかけなくてもいいのではないか、というのが僕の考えです。
この図はモーニングスターの積み立てシミュレーションで、同じ額を5年間積み立てた時のものです。
引用:モーニングスター
灰色の棒グラフは積み立て総額で、緑の折れ線グラフが含み益込みの金額です。元本割れは一度もありませんが、含み益が大きかったのにどんどん減ってしまって泣きそうという時期もありますね。でも我慢して積み立てていたら大きく回復しました。現在の収益率は36.1%です。
もっと長い期間のシミュレーションはさせてもらえなかったのですが、長期になればなるほど期待リターンに近付くのではないか、と思ってしまいます。
5年間年利4%の複利で積み立てた場合のグラフはこうです。
引用:みらい電卓
これを見るとeMAXIS 先進国株式インデックスの過去5年間の実績は優秀ですね。でもほんの2年ぐらい前は泣きそうなつらい時期でしたね。(その時期に耐えて積み立てした結果が今の大きなリターンなのですけどね。)
5年前からではなくて3年前から積み立てていたら
この図はモーニングスターの積み立てシミュレーションで、同じ額を3年間積み立てた時のものです。
引用:モーニングスター
ずいぶん違いますね。
- 元本割れしている期間があります。
- 現在の損益率は16.6%です。
僕は3年間積み立てて16.6%の損益率なら十分満足ですが、5年間積み立てた場合の半分以下です。これは基準価額の変化がもたらした結果です。
過去3年間と5年間では基準価額の変化は、後半3年間は同じであるにも関わらず全く違ったものに見えます。次の2つのグラフ、同じファンドのだと思えます?
引用:モーニングスター
これじゃあ5年前から積み立てていた人の圧勝ですね。つまり、時間が味方したわけです。では、3年前から積み立てた人があと2年積み立てを続ければ損益率が向上するかと言うとそれは分かりません。
8年から10年我慢すれば味方してくれる?
基準価額が下がっている期間も同額(増額できればなお良し)を毎月積み立てることが条件ですが、僕は8年から10年それを続ければ世界経済に投資するインデックスファンドは十分なリターンをもたらしてくれるのではないかと思っています。それは基準価額が下がったとしてもそれだけの期間で見れば全体として右肩上がりの成長曲線に乗っていることが期待できると考えるからです。その可能性が高いと思う、そうならない場合のリスクを許容できる、ということです。
インデックス投資にリターンを期待する根拠は、上げ下げはあっても長い目で見れば経済は右肩上がりで成長を続けるという過去の実績(未来もそうなるとは限らないのですが)です。その長い目が20年、30年では50代の僕は困るのです。それはちと長過ぎます。
世界経済に投資するインデックスファンドの基準価額の変化を見ていると8年から10年あればいいのじゃないかと思うのですが、それはそれだけの時間が経った時のお楽しみです。
長期投資はリスクを軽減させない?
が、長期投資はリスクを軽減させないという話もあります。計算上の議論だと幅が大きすぎて何を、どういう予測を採用すればいいか分からなくなるのですが、僕は次のように考えています。
- 資産のうちの何割かはそこそこのリスクでそこそこのリターンを狙ってみたい。
- 8年から10年は継続して投資したい。それだけあれば元本割れしない方に賭けてもいいんじゃないか。
- リスクにあるものに投資するのだから自分のリスク許容度の範囲内で投資しよう。
現在これを実践中です。
頑張って働いて売上を伸ばし、上手に節税し、賢く投資してそこそこのリターンを得られれば最高だと思います。