年金・iDeCo

確定拠出年金(iDeCo)は70歳で強制償還されます

確定拠出年金(iDeCo)でインデックス投資すると、どんなインデックスファンドを選択しようが信託期間は有限です。あなたが70歳になる前までと決まっているからです。信託期間が有限だと、暴落時に株価が回復するのを待つことができなくなります。同じことが、iDeCoにも言えます。

iDeCoを年金で受け取る場合は最長90歳まで運用可能になりますが、多くの場合、一時金で受け取る方が税制上有利です。そのため現行制度では、70歳で強制償還されるようなものと考えていいです。

iDeCoを利用する場合はこのデメリットを理解したうえで行動しないと、将来自己責任の重さを痛感しかねません。

iDeCoの大きなデメリット

iDeCoは原則60歳になるまで解約できません。これは許せます。資金を拠出できるのは60歳になるまでです。これは残念ですがしょうがないです。でも僕が一番ダメだと思うのは、運用できるのは70歳になる前までで、70歳になったら強制的に解約されてしまう点です。

リスク資産に投資する以上、基準価額が下がっている時には売却を避け、基準価額が上がっている時を狙って売却したいものです。それを自由なタイミングで行うために、信託期間は無期限であるべきです。なのにiDeCoには70歳になる前までしか運用できないという大きな制約(デメリット)があるのです。

60歳になると拠出できないのは制度の不備ではないか

アウター・ガイさんのブログ「バリュートラスト|価値を生む・未来を託す・投資を歩く」に興味深い記事がありました。

iDeCoは現状、60歳に達すると拠出できなくなるが、これは制度の不備ではないか。
一般企業は、iDeCoを年金としてではなく退職金として考え、扱っている。厚生労働省や経済産業省など監督官庁の考え方の違いから、結果的に年金制度としてちぐはぐな設計になっているのは否定できない。

引用:つみたてNISA Meetup in 札幌×コツコツ投資家がコツコツ集まる夕べin札幌#60に参加しました

これもiDeCoのデメリットですが、運用期間が限定されている制約の方がきついでしょう。

70歳になると強制償還と同じ

「iDeCo デメリット」でGoogle検索して上位に出てくるサイトを見てもこれをデメリットにあげているところはありませんでした。おかしくないですかね。iDeCo+投資信託は良くある組み合わせですよね。ならこのデメリットはもっと話題になっていいのではないでしょうか。

70歳になる前までしか運用できないという、大きな制約が設けられた理由は分かりませんでした。資金を拠出できる期間を年齢で制限するのは理解できますが、その後の運用期間に上限を設ける(最長10年)理由とは何でしょうか。富裕層の一層の優遇につながるからですかね。富裕層はより長期間運用(ホールド)することでより大きなリターンを生むことができるから?ピンと来ないですね。

iDeCoは非課税制度ではないので、たとえば80歳まで運用して資産が大きく増えれば、受け取り方が一時金であれ年金であれ課税額が増えます。

人生100年とかいう話も出るぐらい余命は長くなっているので、70歳以降も運用可能にして欲しいと思います。少なくとも、運用可能期間が伸びるとiDeCoでインデックス投資する際の不安材料が減ります。是非将来改正して僕が70歳になる前に延長して欲しいです。

受け取り開始可能期間の延長

iDeCoの制度改善は地味ながら着実に進行中です。そのひとつが国民年金の第2号被保険者に限り、65歳の誕生日前まで拠出可能にするというものです。言い方を替えると、60歳以降も年金を納めている(任意加入を除きます)人に限り、iDeCoの拠出を延長可能にする、というものです。

この制度改善とペアで検討されているのが、受け取り開始可能期間の延長です。一時金の場合は「受け取り可能年期間の延長」と同意です。現在は、70歳の誕生日直前までに受け取らねばなりません。これを75歳の誕生日直前まで、5年間延長するという案です。うれしいことに、これは加入していた人全員が対象です。(制度設計上、逆に、人によって条件を変えるのが難しいと思われます。)

これが実現されると運用可能期間が5年延長されます。人の寿命には限りがあるので、70歳から75歳に5年延長されるだけでも大きな違いです。

難しいiDeCoの出口戦略

iDeCoは非課税制度ではありません。

  • 一時金で受け取るなら資産全体が課税対象になります。利益ではありません。そもそも利益という概念がありません。
  • 年金で受け取るなら、受け取る年金が雑所得になります。

おそらく多くの人は一時金での受け取りを好むと思いますが(正確には人によります)、その場合は退職所得控除の意地悪仕様を回避できるかどうかで、税額が大きく変わります。これはその人の働き方に大きく依存しています。

たとえば56歳で退職金を受け取った人だと、そこから14年超空けた71歳で一時金で受け取れば、意地悪仕様を回避できるので退職所得控除をフルに利用できます。現行制度では意地悪仕様にひっかかります。

また、60歳以降いつ解約しても意地悪仕様を回避できる人であっても、解約可能年齢が70歳前と75歳前では自由度に大きな差があります。

iDeCo解約時に暴落していても良い?

iDeCoを解約する時に暴落していても、すぐに買い直せば良いではないか、安く買えるのだから、と思われるかも知れません。それは税金を無視すれば正しいです。

iDeCoは非課税制度ではないものの、退職所得控除をフルに活用できると解約時の税額をとても低くすることが可能です。(拠出年数、拠出金総額、投資対象資産のリターンによります。)ところが解約後に買い直すとなると、特定口座になりますね。利益に(現在は)20.315%課税されます。

暴落からの回復を、iDeCo口座にある資産で待つのと、特定口座に移してから待つのは同じではないのです。

ですから、iDeCoの解約は暴落する前に、自分に都合のいい時期に行えるよう、解約可能期間はできるだけ長い方が好ましいのです。

NISAだってそうじゃないか

NISA、つみたてNISAだって非課税期間が決まっているので、特定口座に払い出される直前に暴落したら、状況はiDeCoと同じじゃないか、と思われるかも知れませんね。確かにそうですね。それを解決するには非課税期間を無期限にするしかありません。

NISA、つみたてNISAを非課税期間が終了するまで保有するか、その前のどこかで売却するかは、みなさんの自由です。

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