先日、次のブログ記事に「大和住銀 DC海外株式アクティブファンド」が凄いけど購入できないとありました。
企業型確定拠出年金専用のアクティブファンドのようです。購入はできなくても基準価額の日次データが手に入るならいろいろと楽しめます。
大和住銀 DC海外株式アクティブファンドとは
- 企業型確定拠出年金専用ですので、勤務先で選択できなければ買えません。
- MSCIコクサイをベンチマークにしているアクティブファンドです。
- トータルコストは1.967%と重厚です。
- 設定日は2006年12月15日と結構古いです。
- 純資産総額は134億円です。
eMAXIS先進国株式 VS 海外株式アクティブファンド
MSCIコクサイをベンチマークしているのでMSCIコクサイ代表としてeMAXIS先進国株式を比較対象に選びました。
赤のラインが海外株式アクティブファンド、緑のラインがeMAXIS先進国株式です。凡例の右側に年率換算のリターンを表示しています。トータルリターンはそれに年数を乗じて下さい。
比較期間は2018年4月27日までです。
過去8年間
年率リターン差が3%ポイントありますから凄いことは間違いないですが、過去にはeMAXIS先進国株式に負けている時期もあります。いつもMSCIコクサイをアウトパフォームできていた訳ではありません。
過去7年間
年率リターン差が5%ポイントありますから確かに凄いですが、過去にはeMAXIS先進国株式に負けている時期もあります。満足行く結果が得られたのは2015年からでしょうか。
過去6年間
年率リターン差が7%ポイントあります。凄いですね。でも満足行く結果が得られたのは後半の3年間でしょう。
過去5年間
過去5年間だとおおむね全期間でMSCIコクサイをアウトパフォームしていますね。
過去4年間
過去4年間だと海外株式アクティブファンドのリターンの高さが目立ちますね。
過去3年間
拮抗していた時期もありますが、リターンの高さは確かですね。
過去2年間
年率リターン差が8%ポイントもあります。
過去1年間
MSCIコクサイに負けている期間もあります。
比較結果から
常時MSCIコクサイをアウトパフォームしているわけではありません。買い始めた年によりますが、数年は満足できない期間もあったでしょう。
どうも時々訪れるチャンスにリターンを高めた後はしばらくMSCIコクサイと大して変わらないリターンを維持しているような気がします。もし常時MSCIコクサイをアウトパフォームできるなら、いつから比較してもいつも高いリターンを示すはずですが、そうではないからです。
もし一般開放されたら
売れると思いますが、そうなると購入も売却も自由にできるため、企業型確定拠出年金専用の時のような安定した運用はできなくなるかも知れません。でも僕は買わないと思います。それは長期投資に対するMSCIコクサイのパフォーマンスは僕から見て十分なものであり、アクティブファンドゆえの高いリスクをこの程度のリターン差のために取りたくないからです。
リスク資産の何割かにハイリスク・ハイリターンのアクティブファンドを割り当てる人もいますが、僕はその考え方を好みません。でも何に投資するかは個人の勝手なので、ハイリスクゆえのハイリターンであることに納得した上で投資すれば良いと思います。
結論:スリム先進国株式で十分です
海外株式アクティブファンドは凄いですが、ハイリスクのアクティブファンドです。それに普通の人は買えませんから別世界のものだと思いましょう。そして、MSCIコクサイのパフォーマンスは決して悪くありません。期待リターンが年率5%程度もあれば十分ではないですか。それでも株式のみなので相応のリスクを負っています。さらに現在は超ローコストのスリム先進国株式が誰でも買える時代です。僕はスリム先進国株式で十分で、それを超えるリターンをよりハイリスクなアクティブファンドに求める必要はないと思っています。もちろん、どうするかは個人の自由です。