先進国株式のみへの投資より、4資産均等型に投資する方が、地域も資産も分散されていて好ましいという考え方もあるでしょう。バランスファンドは初心者におすすめ、なんて言う表現もあります。
でも4資産均等型のパフォーマンスは、先進国株式と比べると、がっかりするほど低いです。
4資産均等型バランスファンド
誰が決めたのか分かりませんが、あるいは、誰が考えてもこうなるのかも知れませんが、4資産均等型は次の4資産を25%ずつ混ぜたものを言います。
- 先進国株式
- 国内株式
- 先進国債券
- 国内債券
「国内」が「新興国」であってもいいと思うのですが、そのパターンはないようです。時価総額比ではなくて均等型である点が嫌いな人は避けるかもしれませんが、均等型バランスファンドが確立されたモデルであることは確かです。
ただし、4資産均等型は不人気です。
前説
先進国株式はeMAXIS先進国株式の基準価額データをそのまま使います。4資産均等型はeMAXISシリーズの該当資産に投資する商品を均等比率で合成(毎月リバランス)したものを使います。
次はeMAXISバランス(4資産均等型)と合成結果のリターン比較です。
リターン差を示す青のラインは期待通り、ほぼフラットです。
eMAXISバランス(4資産均等型)は215年8月に設定されたのですが、合成結果を使うことで2010年年初から比較します。
リスク比較
次は月次で求めたリスク(変動率)を年率換算したものです。
4資産均等型のリスクは、先進国株式より大幅に低いです。
リターン比較
リターン比較は、比較する期間によってその印象が大きく変わります。
グラフは赤のラインが先進国株式、緑のラインが4資産均等型です。青のラインは先進国株式ー4資産均等型です。
2010年1月から2020年9月まで
2012年までは互角でしたが、2013年以降差を広げられます。過去10年間では、100%ポイント近いリターン差が生まれています。
4資産均等型は確かに変動率が小さいですが、時間の経過と共にリターンの差が広がっています。そのため、コロナショックによる株価暴落時も、先進国株式の方が含み益は大きかったです。
2012年1月から2020年9月まで
先進国株式の圧勝です。
2014年1月から2020年9月まで
2017年以降は先進国株式の方が有利でした。
2016年1月から2020年9月まで
先進国株式は、大きな下落時に4資産均等型との差がなくなりますが、株価が回復すると簡単に差を広げます。この特性を理解すれば、4資産均等型の低いパフォーマンスに甘んじることはないと思います。
2018年1月から2020年9月まで
4資産均等型の良さが出ています。でも比較期間が長くなれば、差を広げられるはずです。
1年単位で比較
ここらは1年単位でリターンを比較します。4資産均等型の良さが目立つ年もあったことが分かります。
どんどんスクロールして流し見して下さい。
2010年
2011年
2012年
2013年
2014年
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年(9月まで)
結論:変動率の高さに耐えて先進国株式の方が良い
長期投資を前提とすると、パフォーマンスは先進国株式の圧勝です。4資産均等型バランスファンドのメリットは変動率が低いことぐらいしかありません。
そして、長期投資になればなるほど先進国株式のリターンの高さが目立つようになります。普段のリターンの高さによりリターンの差が開くため、株価下落時に先進国株式が大きく下げて、4資産均等型の下げ率が小さくても、結果としては先進国株式の含み益の方が大きいという状態が観測されました。
求めるのはリターンであり、長期投資を目指していて短期間の大きな下落に耐えられるなら、先進国株式の方が4資産均等型よりも満足できるでしょう。