インデックス投資

先進国株式と全世界株式(除く日本)のどちらがおすすめですか?

いわゆる教科書には、全世界の株式に広く分散投資するのが好ましいとあります。でも国内株式に投資したくない場合は、除く日本が有力な選択肢になります。

日本ではインデックス投資の黎明期から、MSCIコクサイに連動する先進国株式インデックスが人気でした。先進国株式+新興国株式に時価総額比で投資する、全世界株式(除く日本)インデックスを身近にしたのが、2010年に設定されたeMAXIS全世界株式です。これのスリム版が、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)です。

では先進国株式と全世界株式のどちらが自分に向いているのか、その判断材料が欲しい人も多いと思われます。

以下、eMAXIS Slimをスリムと表記します。

eMAXIS全世界株式

2010年7月に設定されました。当時、一般投資家にどんなファンドを追加して欲しいかアンケートをとったところ、全世界株式(除く日本)が1位、全世界株式(含む日本)が2位だったそうです。現在の楽天全世界株式、スリム全世界株式(オール・カントリー)の人気からは考えられないですね。つまり、人気の組成も時代で変わるってことです。

この記事ではeMAXIS先進国株式とeMAXIS全世界株式を比較します。

おことわり

比較期間はeMAXIS全世界株式の設定直後を避けた、2010年8月10日から2020年9月25日までです。この記事では、その比較期間でどうだったかを判断材料にしますが、限られた期間のことですし、そもそも未来は過去と同じではありません。

登場するグラフの赤のラインが先進国株式、緑のラインが全世界株式(除く日本)です。青のラインはリターン差で、先進国株式ー全世界株式(除く日本)です。

先進国株式+新興国株式

全世界株式(除く日本)のベンチマークはMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)です。投資対象は先進国株式と新興国株式ですが、先進国株式部分のベンチマークはMSCIコクサイです。

新興国株式への投資比率は時価総額比で決まります。次はeMAXIS全世界株式の運用報告書から作成した、決算年度毎の新興国株式への投資比率の推移です。

eMAXIS全世界株式の運用報告書から作成した、決算年度毎の新興国株式への投資比率の推移グラフ

12%前後で推移しています。つまり、全世界株式(除く日本)に投資するということは、資産の12%程度を新興国株式に投資することを意味します。

先進国株式と新興国株式のリターン比較

次はeMAXIS先進国株式とeMAXIS新興国株式のリターン比較です。2009年11月16日から2020年9月25日までです。

eMAXIS先進国株式とeMAXIS新興国株式のリターン比較グラフ

過去11年程度の比較だと先進国株式の圧勝です。でも差が開き始めたのは2013年からですし、新興国株式の方が好調だった時もありました。

もっと過去から比較したいのですが、新興国株式インデックスには良いのがありませんでした。そこで同じ指数に投資するEEM(iShares MSCI Emerging Markets ETF)のトータルリターンと、三井住友DC外国株式インデックスLを比較しました。

まず、上記グラフと同じ比較開始日(右端は2020年8月末)のリターン比較です。

EEMトータルリターンと三井住友DC外国株式インデックスLの比較グラフ、2009年以降

eMAXISシリーズと似たような推移です。次は2003年5月1日からの比較です。

EEMトータルリターンと三井住友DC外国株式インデックスLの比較グラフ、2003年以降

赤のラインがEEMトータルリターン(新興国株式)です。2003年から2007年までの新興国株式のパフォーマンスは圧倒的でした。赤のラインを見るとその後も新興国株式の方が好調だったかのような気がしますが、違います。青のラインのリターン差が示す通り、2010年以降は互角か、先進国株式の方が有利でした。それは、上記グラフで見たままです。

今後また新興国株式が素晴らしいパフォーマンスを発揮する時が来るかも知れません。全世界株式(除く日本)に投資する理由のひとつに、新興国株式への期待をあげる人もいるはずです。

リスク比較

次は月次で求めたリスク(変動率)を年率換算したものです。

月次で求めたリスク(変動率)を年率換算したグラフ

ほとんど変わりません。変動率で見たリスクは、先進国株式と全世界株式(除く日本)で違いはないと言えます。

リターン比較

リターン比較は、比較期間によってその印象が大きく変わります。次は2010年8月10日から2020年9月25日までの比較です。

先進国株式と全世界株式(除く日本)のリターン比較グラフ

パッと見先進国株式の圧勝のような気がしますが、いつもそうだったわけではありません。青のラインがフラットに近い期間は、互角だったのです。それでも、長い期間で見れば、先進国株式の方が全世界株式(除く日本)より有利でした。

ここからは比較開始日を2年ずつ遅らせて比較します。

2012年8月から2020年9月まで

2012年8月から2020年9月までのリターン比較グラフ

先進国株式の方が有利でした。

2014年8月から2020年9月まで

2014年8月から2020年9月までのリターン比較グラフ

先進国株式の方が有利でした。

2016年8月から2020年9月まで

2016年8月から2020年9月までのリターン比較グラフ

前半は互角、後半はわずかに先進国株式の方が有利でした。

2018年8月から2020年9月まで

2018年8月から2020年9月までのリターン比較グラフ

互角でした。

1年単位で比較

ここらは1年単位でリターンを比較します。受ける印象がかなり変わります。

2011年

2011年のリターン比較グラフ

互角か先進国株式が有利です。

2012年

2012年のリターン比較グラフ

互角です。

2013年

2013年のリターン比較グラフ

先進国株式が有利です。

2014年

2014年のリターン比較グラフ

互角です。

2015年

2015年のリターン比較グラフ

わずかに先進国株式が有利です。

2016年

2016年のリターン比較グラフ

互角ですが、全世界株式(除く日本)が有利な時もありました。

2017年

2017年のリターン比較グラフ

全世界株式(除く日本)が有利です。

2018年

2018年のリターン比較グラフ

見ての通りです。

2019年

2019年のリターン比較グラフ

わずかに先進国株式が有利です。

2020年(9月まで)

2020年(9月まで)のリターン比較グラフ

互角です。

人気はオール・カントリーの方が上

次はスリム先進国株式、スリム全世界株式(除く日本)、スリム全世界株式(オール・カントリー)の設定来の資金流出入額の累計の推移です。

スリム先進国株式、スリム全世界株式(除く日本)、スリム全世界株式(オール・カントリー)の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

赤のラインがスリム先進国株式、緑のラインが除く日本、青のラインがオール・カントリーです。人気ではオール・カントリーに抜かれてしまいました。でもスリム全世界株式(除く日本)の純資産総額は256億円ありますし、安定した資金流入がありますから、除く日本が好きな人は安心して投資していいでしょう。

結論:好きな方を選んでください

リターン比較では互角か、先進国株式の方が有利だったことが多かったです。が、全世界株式(除く日本)が新興国株式を12%程度含んでいる(より分散されている)ことを考慮すると、リターンの高さよりも分散されている方を評価してもいいでしょう。新興国株式が好きか嫌いかで決まりますね。

絶対こっちがいいというのはありませんし、単純にどっちが有利かと聞かれたところで誰も答えられません。未来の世界経済の状況次第です。だから好きな方、どういう結果になろうとも自分がより納得できる方を選ぶのがいいでしょう。それが、暴落時に買い持ちを継続するメンタルを支えてくれるはずです。

僕はこの結果を見ても先進国株式を選択します。それは僕の存命中は、新興国株式への投資が報われる気がしないからです。(好き嫌いの問題です。)

  • 先進国株式を選択して10年後に全世界株式(除く日本)の方が大きな利益を得られたことになっても、先進国株式を選択したことを悔やまないと思います。それは納得して選択した結果だからです。
  • あまり好きではない新興国株式を含む全世界株式(除く日本)を選択して、10年後に先進国株式の方が利益が大きかったと分かったら、全世界株式(除く日本)を選択したことを悔やむと思います。それは納得できずに選択した結果だからです。

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