これは次の記事の続きです。
上の記事では先進国株式と5資産均等型を比較しました。今回比較するのは8資産均等型です。もういい加減結論は予想できますが、ここまでやっておいて8資産均等型をやらないわけにはいきません。
8資産均等型とは
次の8資産に12.5%ずつ投資します。
- 先進国株式
- 国内株式
- 新興国株式
- 先進国債券
- 国内債券
- 新興国債券
- 先進国リート
- 国内リート
全部入りですね。eMAXISバランス(8資産均等型)の人気を引き継ぎ、信託報酬の安さもあってスリムバランス(8資産均等型)が有名です。それを真似て同じ組成の8資産均等型インデックスファンドが続きました。
商品名 | 信託報酬+隠れコスト(税込み) | 設定日 |
iFree 8資産バランス | 0.4296% | 2016/09/08 |
スリムバランス(8資産均等型) | 0.2298%(推定) | 2017/05/09 |
たわらノーロードバランス(8資産均等型) | 0.2376%(信託報酬のみ) | 2017/07/28 |
ニッセイ・インデックスバランス(8資産均等型) | 0.22572%(信託報酬のみ) | 2018/02/13 |
Smart-i 8資産バランス(安定型) | 0.1728%(信託報酬のみ) |
2018/03/27 |
Smart-i 8資産バランス(安定成長型) | 0.1944%(信託報酬のみ) |
2018/03/27 |
Smart-i 8資産バランス(成長型) | 0.216%(信託報酬のみ) |
2018/03/27 |
前説
先進国株式はeMAXIS先進国株式の基準価額データをそのまま使います。8資産均等型は次の比率で合成したものを使います。合成結果は毎営業日リバランスされた理想的なものです。
- eMAXIS先進国株式を12.5%。
- eMAXIS TOPIXを12.5%。
- eMAXIS新興国株式を12.5%。
- eMAXIS先進国債券を12.5%。
- eMAXIS国内債券を12.5%。
- eMAXIS新興国債券を12.5%。
- eMAXIS先進国リートを12.5%。
- eMAXIS国内リートを12.5%。
2011年1月から2018年7月まで
赤のラインが先進国株式、緑のラインが8資産均等型です。その差は圧倒的です。比較期間の最初の2年間は大差ありませんが、3年目以降急速に差を広げられています。
この比較だと8資産均等型のメリットを感じませんが、8資産均等型のメリットが生きる相場、経済状況もあるはずです。でも長期投資を前提とするなら先進国株式にリターンの差を広げられて終わるでしょう。それはこれまでこのシリーズで見てきたことが示しています。
と、予想通りの流れですが、これまで通り、eMAXISシリーズの実績データではどうだったかを楽な気持ちで眺めることにします。
凡例の右側に利益率を表示しています。ただしこれは比較期間の先頭で一括投資した場合にのみ得られるものであることに注意してください。
2013年1月から2018年7月
先進国株式の伸びの良さが目立ちます。2015年から2016年にかけて株価が下落した時期も、先進国株式は余裕で8資産均等型を上回っています。
2015年1月から2018年7月
8資産均等型の良さを実感できるのは短い期間だけです。そこをしのげれば、広げられたリターンの差に8資産均等型は追いつけません。
2017年1月から2018年7月
先進国株式の方がリターンが高く、大きく下落しても8資産均等型よりもほぼ高い状態をキープできます。先進国株式の高いリスクを許容できるなら、8資産均等型よりも儲かることが期待できます。
リターンが低くてもいいからリスクを抑えたい、というのでしたら8資産均等型でいいでしょう。選択はあなた自身に任されています。
ここからは1年単位でリターンを比較します。
2011年
8資産均等型の特長である「中庸さ」が強く表れています。下げ相場の時の下落率が大きのは耐えられないという方には効果がありますね。
2012年
8資産均等型のメリットをあまり感じません。
2013年
先進国株式の良さが目立ちます。
2014年
8資産均等型の良さを感じるところもありますが、それはごく短い期間に過ぎません。
2015年
8資産均等型の良さを感じるところもありますが、ごくわずかです。
2016年
8資産均等型の良さが出てますね。
短い期間で見ると8資産均等型の良さを実感できることもありますが、数年以上で考えると先進国株式の普段のリターンの高さが8資産均等型のメリットを上回ります。eMAXISシリーズの登場後だとそうです。もし先進国株式の低迷がもっと長く続くようだと考えも変わるでしょうが、未来のことは分かりませんので、自分の許容できるリスクの範囲で賭けをすることになります。リスクをとらずにリターンは得られません。
2017年は上の方に出てきたグラフを見てください。
結論:長期投資だと先進国株式にかなわない
やはりこういう結果になりました。長期投資になればなるほど先進国株式のリターンの高さが目立つようになります。相場は時々下落するもので、先進国株式の下落率は8資産均等型より大きいですから、それがイヤなら8資産均等型の方がいいでしょう。でもその代わり、リターンはそこそこで、先進国株式のような高いリターンは望めません。
いずれ分かります
僕は以前はバランスファンドが好きで、そこそこのリスクでそこそこのリターンを狙うのが良いと思っていました。でもその後バランスファンドのリターンの中庸さに不満を感じるようになり、先進国株式のリターンの高さに強い魅力を感じるようになってしまいました。これは僕のリスク選好度が上がったことを意味しています。
僕は先進国株式への集中投資を選択しましたが、それが良い選択だったかどうかはいずれ分かります。5年、10年、15年・・・僕は将来相場がどうなろうとこの選択を後悔することなど決してないと思っていますが、さてどうなりますね。僕自身すごく楽しみです。