米国株式

S&P500に見る配当金再投資の圧倒的破壊力

直近の11年程度は、米国株式にとって非常に恵まれた期間でした。コロナショックによる株価暴落からの回復は信じられないペースで進んでいますし、このまま再度素晴らしい10年間が訪れるのでは、と期待してしまいそうです。

未来のことはともかく、過去11年程度におけるS&P500のリターンは素晴らしいものでした。配当金を無視したキャピタルゲインだけでも凄かったのですが、配当金を再投資したトータルリターンは圧倒的でした。多くの人が米国株式集中投資を選択したくなるのも無理はありません。

SPYの取引価格の推移

S&P500種指数をベンチマークにしている米国籍ETFは複数ありますが、ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズが運用しているSPYは設定されたのが1993年と古いです。そのため過去27年間のリターンの推移を振り返ることができます。

次はSPYの取引価格を円換算したものの推移です。1993年2月1日から2020年10月30日までです。

SPYの取引価格を円換算したものの推移

27年間の利益率は530%ですが、ずっと右肩上がりで推移してきたわけではありません。2008年のリーマンショック前と後では様相が大きく違っています。

また、これはSPYの保有で年4回もらえる配当金を無視しています。

SPYトータルリターン

SPYの取引価格、配当金実績、ドル円換算データからSPYトータルリターンを生成しました。配当金は米国での10%課税のみ適用しています。取引価格と比較しています。

赤のラインがトータルリターン、緑のラインが取引価格です。青のラインはリターン差で、トータルリターンー取引価格です。配当金の再投資と取引価格の上昇による複利効果の破壊的な作用を実感できると思います。

青のラインは複利効果で弓なりに曲がっています。

え、配当金の再投資でそんな大きな差が生まれるとは思えないですか。次のグラフはSPYの取引価格とiFree S&P500の基準価額の比較です。2017年10月2日から2020年1月30日までです。

SPYの取引価格とiFree S&P500の基準価額の比較

青のラインはリターン差で、iFree S&P500ーSPYです。青のラインが階段状に上がるのは、iFree S&P500は配当金を再投資するからです。そして取引価格の上昇(キャピタルゲイン)は再投資分にも効きます。

次はSPYトータルリターンとiFree S&P500の基準価額の比較です。

SPYトータルリターンとiFree S&P500の基準価額の比較

青のラインはSPYトータルリターンーiFree S&P500です。青のラインが右肩上がりなのは、iFree S&P500の方が運用コストが大きいからです。なお、大きなトゲは配当金の扱いの違いによるもので正常です。

配当金再投資が生む圧倒的破壊力

次は2009年年初からの、SPYの取引価格の推移です。

2009年年初からの、SPYの取引価格の推移グラフ

恵まれたと言われる過去11年間のリターン(配当金を無視したもの)は303%にもなりました。複利で年率12.5%です。これだけでも凄いですが、配当金を再投資したトータルリターンはもっと凄いです。

2009年年初からの、SPYトータルリターンの推移グラフ

リターンは399%です。11年で5倍に増えました。リターン差を見ると、複利効果を実感できます。

2009年年初からの、SPYの取引価格とトータルリターンの比較グラフ

リターン差は100%ポイントにもなりました。

SPYの配当金実績

次は2009年以降のSPYの配当金利率の推移です。米国での10%課税後です。1回あたり0.4%から0.5%の間を推移しています。

2009年以降のSPYの配当金利率の推移グラフ

この期間の配当金利率を年換算すると平均1.8%でした。意外に多いと思いませんか。

配当金再投資の落とし穴

この記事に出てきたトータルリターンは、S&P500種指数に連動するインデックスファンドを想定した方法で生成しています。つまり、米国での10%課税後の配当金を1円の無駄もなく再投資しているのです。インデックスファンドは、それと等価なことができます。

が、自分でSPYとかVOOとかIVVなどの米国籍ETFを買っている場合は事情が違います。ETFは一株の取引価格の倍数でしか買えないため、配当金を100%無駄なく再投資できないのです。また、一株の取引価格を超える配当金を得るには保有資産の額を大きくしておく必要があります。

仮に国内課税後の配当金利率が1回あたり0.36%だとすると、ざっくり1,000万円保有していないと配当金が出る都度、配当金だけでは再投資できません。もちろん、資金を追加して一株の取引価格にして再投資すればいいわけですが、ETFの再投資効率が悪いことには変わりありません。

長期投資で効果を発揮する配当金再投資

再投資された配当金はキャピタルゲインの恩恵を受けます。その結果保有資産が増え、手にする配当金も増えます。まさに雪だるまと呼ばれる複利効果が得られるわけです。そしてこの複利効果は、投資期間が長期になればなるほど驚異的な作用を見せます。

資産形成のためには、投資対象がETFなら、努めて配当金を再投資するのが良いです。投資対象が分配金を抑制してくれている良質なインデックスファンドなら、普通に積立投資しているだけでいいです。配当金は無駄なく、全自動で再投資してくれています。

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