次の表は昨日公開した記事からの抜粋です。9位にランクインしたeMAXIS NYダウの3月の資金流入額は、2月の4.4倍もあったことに気付いた人は少ないと思われます。
資金流入額がそこそこある商品で、日経平均連動を除くと、4.4倍は異常値と言っていいです。でも、買われたのはeMAXIS NYダウだけではありませんでした。メディアが連日NYダウの暴落っぷりを宣伝したので買い漁られたのでしょうか。いや、一般の受益者はそんなニュース気にもかけないはずでは・・・。
急落したNYダウ
次はeMAXIS NYダウの設定来の基準価額の推移です。右端は2020年3月27日ですが、余白を追加しています。
これほど短期間にこれほど大きく下落したのは史上初だそうです。次は最高値からの下落率をプロットしたものです。
チャイナ・ショックもブラック・クリスマスも霞んでしまいそうな下げっぷりです。この暴落での下落率は37.1%です。
eMAXIS NYダウ
ここからはNYダウ指数に連動する、主なインデックスファンドの資金流出入額の累計を見ます。
次はeMAXIS NYダウです。設定来、こんなに急激に買われたことはありませんでした。三菱UFJ国際投信のファンドマネージャーも「マジかよ」と思ったことでしょう。
なお、NYダウ指数連動商品で、つみたてNISA適格なのは、eMAXIS NYダウだけです。
iFree NYダウ
iFree NYダウはびっくりするほどは買われていませんね。実は、NYダウに投資するなら一番おすすめなのがiFree NYダウなんですけどね。
たわらNYダウ
たわらNYダウもびっくりするほど買われています。急激にハネあがっています。でもこの商品を選択するところに、センスのなさが表れています。
トータルコストは、たわらNYダウよりも、iFree NYダウの方が明らかに安いです。そのことはかなり前から分かっているので、たわらNYダウを選択した時点で、「残念な投資家」決定です。
実は、残念な投資家だから今回こうして買わされているのかも知れません。
One NYダウ
2月26日ぐらいから折れ曲がっています。買われるペースが少し上がった程度ですが、そもそもOne NYダウは、典型的なボッタクリ商品です。
販売しているのはみずほ銀行系のみ、マザーファンドはたわらNYダウと同じ、税込み信託報酬0.66%、購入時手数料ありと、情弱御用達商品です。
みずほ銀行からの電話で「安くなっているから買い増ししませんか?」とでも言われたのではないかと勘ぐってしまいます。
SMTAM NYダウインデックス
SMTAM NYダウインデックスも暴落で大きく買われています。税込み信託報酬が0.759%もする過去の商品なんですけどね。不思議です。
SMTAM ダウ・ジョーンズインデックス
SMTAM ダウ・ジョーンズインデックスも暴落で大きく買われています。これも税込み信託報酬が0.759%もする過去の商品なんですけどね。僕には理解できません。
三井住友NYダウ・ジョーンズインデックス
三井住友NYダウ・ジョーンズインデックスも暴落で急激に買われています。これも税込み信託報酬が0.748%もする過去の商品なんですが、この商品の怖さはそこではありません。
償還日が2023年11月6日なんです。あと3年半以内にNYダウ指数が回復しなかったらどうなるかなんて、そもそも考えちゃいないでしょ。おそらく、受益者はりそな銀行から買っていると思いますが、はっきり言って喰い物にされています。
償還日を迎えたら、その時含み益だろうか含み損だろうが、別の高コスト商品を勧められるに違いありません。いいお客さんに違いありません。
資金流出入額一覧
1月、2月、3月の資金流出入額を一覧表にしました。
SMTAM ダウ・ジョーンズインデックスが異様に買われています。高コスト商品であるにも関わらずです。不自然だと思いませんか。
本当にこれでいいのか疑問
これら商品の中で、トータルコストが最も安いのはiFree NYダウです。確かにiFree NYダウも買い増しされていますが、びっくりするほどではありません。eMAXIS NYダウはびっくりするほど買われていますが、iFree NYダウを選んだ方が賢明です。One NYダウもそうですが、こちらは最初に買ってしまったことがいけないのだと言っていいでしょう。
残りはどれも信託報酬が高額で、買うべきではありません。三井住友NYダウ・ジョーンズインデックスはサイテーです。
暴落後にNYダウインデックスを買い増しした人が、自発的に、リスクを分かった上でそうしたのなら、とても良い選択だと思います。リスクは相対的に高いですが、買い持ちできれば大きなリターンをもたらしてくれるはずです。そして、この暴落は買い増しのまたとないチャンスです。
が、金融機関からの電話勧誘で安易に、リスクも考えずに買い増ししたとしたなら、それはとても残念なことです。