iDeCoの取扱商品数が多過ぎるのはけしからんから35本を上限にしろという、自分で適切な商品を選択できる人にとっては迷惑でしかない制約により、古くからiDeCoに対応した金融機関ほど競争上割を食っています。
その制約により、SBI証券がiDeCoの取扱商品を断捨離したのは記憶に新しいですが、今回受益者にとっては快挙、競争相手の金融機関にとっては反則技と思われる手法で、取扱商品の拡充をしてきました。投信ブログを賑わしている「セレクトプラン」です。
いわばSBI証券その2がiDeCoを始めたようなものなので、スリムシリーズなど魅力的な商品がたくさんありますが、それらを買いたければ移管作業が必要です。これに関して次の、小さい字で書かれた注意書きを心配している方がいるようです。
プラン変更にあたっては、現在加入または運用指図いただいているプランの資産を全売却し現金化した上で、資産の移換を行います。なお、資産の移換には2~3カ月程度を要する予定です。詳しくは、プラン変更時に当社からお送りする資料をご確認ください。
引用:SBI証券
移管には2~3ヶ月かかる、その間積み立てできないのは困る、というものです。これについて僕の経験をお話します。
iDeCo口座を2回移管しました
僕には予知能力がないので短期間にiDeCo口座を2回も移管してしまいました。まずSBI証券から楽天証券です。次に楽天証券から松井証券です。
どちらも移管作業の終盤で、
- 移管元の画面から資産が消えて操作不能になる。
- 移管先の画面にまだ資産が移動していない。
という何もできない期間が発生します。2回とも16日程度でした。が、僕の場合は毎月の掛け金の拠出は滞りなく行われました。(銀行の取引明細も確認しました。)ですから、僕は次が正しい理解だと思います。
- 移管手続き中も拠出は継続して行われる。(つまり、節税効果は減らない。)
- 拠出されるので指定している商品の購入もされるはず。
保証はできませんが、移管に2~3ヶ月かかるとしてもその間積み立てされないわけではないですし、本当に何もできない、資産が口座間を移動中なのは16日程度だったので心配しなくていいと思います。
10年後には
現在の制度は欠陥があり、新しく設定される投信に対応するには既存の商品を取り扱い中止にするか、セレクトプランのように別の「枠」を作るかしかありません。で、セレクトプランもすでに34本選択済みなので、今後より魅力的な、競争力のある投信が設定されたら同じ問題が発生します。
よって10年後には「プレミアムプラン」みたいな第3の枠を追加することになっても不思議ではありません。
受益者のためを思って厚生労働省が付けた制約の副作用ですね。でも、どうしてそうなったかを考えるとそもそも金融機関のボッタクリ体質が原因ではないかと思うのです。だから金融機関にとっては身から出たサビですが、ここでも受益者が損させられていると言ったら言い過ぎでしょうか。