先進国株式

東京海上セレクション外国株式インデックスの運用コストと評価

MSCIコクサイ連動商品の場合、先物比率が高過ぎない現物株運用なら、ベンチマークとの連動性は問題にならないことがほとんどです。まれに乖離(下方、上方どちらもあります)を起こし、リターン差が階段状になることがありますが、常時ズレまくりにはなりません。

ところが東京海上セレクション外国株式インデックスは、ベンチマークとの連動性が少し劣っているようです。

更新情報

第11期運用報告書の内容を反映させました。また、参照しているデータを最新版に更新しています。

東京海上セレクション外国株式インデックス

2010年4月28日に税抜き信託報酬0.70%で設定されたようです。古い資料を確認できなかったので、間違っているかも知れません。確定拠出年金専用でした。半年前に設定されたeMAXIS先進国株式の税抜き信託報酬が0.60%だったので、確定拠出年金専用にしては高い設定でした。その後1回引き下げられています。

信託報酬引き下げ履歴表

引き下げた当時は、MSCIコクサイ連動ファンドの最安水準でしたが、翌年の2017年から信託報酬引き下げ競争が激化し、0.20%は普通のローコスト水準になってしまいました。

東京海上セレクション外国株式インデックスは2020年11月6日に、確定拠出年金専用をやめ、特定口座、非課税口座で扱えるよう変更されました。そして11月19日に、つみたてNISA適格になりました。

またiDeCoナビによると、次の金融機関のiDeCo口座で扱われています。

  • 東京海上日動火災保険
  • 明治安田生命保険
  • 群馬銀行
  • 十六銀行
  • 静岡銀行
  • 南都銀行
  • 伊予銀行
  • 大分銀行
  • 宮崎銀行
  • 鹿児島銀行

商品名が長いので「東京海上セレクション外国株式」と略します。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム先進国株式と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

東京海上セレクション外国株式は隠れコストが高かったのですが、第11期は大きく削減されました。標準的な水準に近いところまで下がりました。

リターン比較

スリム先進国株式との比較

次はスリム先進国株式とのリターン比較です。スリム先進国株式が信託報酬を0.1095%に引き下げた、2018年1月30日から2021年6月18日までです。

東京海上セレクション外国株式とスリム先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム先進国株式ー東京海上セレクション外国株式です。形状が汚いです。東京海上セレクション外国株式はベンチマークへの忠実度が低い気がします。

次はスリム先進国株式とiFree外国株式のリターン比較です。グラフのスケールは同じです。

スリム先進国株式とiFree外国株式のリターン比較グラフ

期待値はこんな感じです。

eMAXIS先進国株式との比較、その1

次は東京海上セレクション外国株式が信託報酬を0.20%に引き下げた、2016年10月3日から2021年6月18日までの、eMAXIS先進国株式とのリターン比較です。

東京海上セレクション外国株式とeMAXIS先進国株式のリターン比較グラフ、その1

これだけ見ると悪くない気がします。

次は同じ期間における、Funds-i 外国株式とeMAXIS先進国株式の比較です。

Funds-i 外国株式とeMAXIS先進国株式のリターン比較グラフ

こっちの方がそれらしいです。

eMAXIS先進国株式との比較、その2

次は東京海上セレクション外国株式の設定日直後を避けた、2010年5月20日から、信託報酬を0.20%に引き下げる前までの、eMAXIS先進国株式とのリターン比較です。

東京海上セレクション外国株式とeMAXIS先進国株式のリターン比較グラフ、その2

青のラインはeMAXIS先進国株式ー東京海上セレクション外国株式です。汚いですね。

次はFunds-i 外国株式の設定日直後を避けた、2010年12月10日から2016年9月30日までの、eMAXIS先進国株式とのリターン比較です。

eMAXIS先進国株式とFunds-i 外国株式のリターン比較グラフ

青のラインはFunds-i 外国株式ーeMAXIS先進国株式です。ずいぶん違いますね。

多数決では東京海上セレクション外国株式の負け

MSCIコクサイのベンチマークと比較しているわけではないので、実は東京海上セレクション外国株式の基準価額の動きが適切(ベンチマークに忠実)で、他の商品が不適切という可能性もゼロではありません。が、それは考えにくいです。

結局、多数決になってしまいますが、東京海上セレクション外国株式の基準価額の推移を他の多くの商品と比べた結果、ベンチマークとの連動性が他社より劣っていると思われます。

東京海上セレクション外国株式は投資対象銘柄数が少ない

MSCIコクサイを指数にしている主な商品を見ると、投資対象銘柄数は約1,300です。が、東京海上セレクション外国株式は1,029と明らかに少ないです。

MSCIコクサイを指数にしている主な商品の投資対象銘柄数比較

投資対象銘柄数は指数が同じでも、運用会社、マザーファンドによって微妙に違うのは普通だと思われます。が、東京海上セレクション外国株式の少なさは普通じゃないですね。おそらくこれが「ベンチマークとの連動性が他社より劣っている」原因でしょう。

売れています

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は410億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

売れ始めるまでに年数を要しましたが、直近4年程度の資金流入は素晴らしいです。また、反り返ったラインの形状から人気が加速していることが分かります。

信託報酬が0.20%で並んでいる、つみたて先進国株式もプロットしました。

つみたて先進国株式もプロットしたグラフ

緑のラインがつみたて先進国株式です。純資産総額は360億円です。つみたて先進国株式が急速に追い上げています。

企業型確定拠出年金で多く買われているようです

次は直近1年間の営業日ごとの資金流出入額の推移です。

直近1年間の営業日ごとの資金流出入額の推移グラフ

緑の丸が注文日が1日のもの、赤の丸がiDeCoの買付によるものです。大きなトゲ(資金流入)月末あたりにあります。

おそらく東京海上セレクション外国株式の資金流入の多くは、企業型確定拠出年金によるものだと思われます。ベンチマークとの連動性はイマイチですが、企業型確定拠出年金で選択できる商品としては低コストで喜ばれるものではないでしょうか。

2020年11月につみたてNISA適格になりましたが、スリム先進国株式やニッセイ外国株式とは勝負にならないので、違う戦い方が必要だと思われます。企業型確定拠出年金は良い販路だと言えるでしょう。

販売ルート

現在、一般販売されているのはSBI証券、楽天証券、松井証券、明治安田生命の4社だけです。ネット証券では戦えないので、企業型確定拠出年金以外では、対面販売ルートの拡充が必要でしょう。

評価:他の商品をおすすめします

ベンチマークとの連動性が他社商品より劣っている点は、改善して欲しいですね。

企業型確定拠出年金の選択肢には魅力的なものが少ないでしょうから、MSCIコクサイ連動商品に投資したい場合、東京海上セレクション外国株式があれば、選択していいと思います。

特定口座や非課税口座で買うなら、他の商品の方がいいです。ネット証券の利用者ならスリム先進国株式かニッセイ外国株式の二択になります。金融機関の対面販売を嗜好する場合も、他の商品を選択できるところを探すのが良いです。

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