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東京海上セレクション日本株TOPIXの運用コストと評価

設定されてから長い期間、確定拠出年金専用だったのに、いつの間にか一般販売され、つみたてNISA適格になっていたという商品も散見されます。東京海上セレクション日本株TOPIXもそのひとつですが、驚いたことに税抜き信託報酬を0.60%から同率最安水準の0.14%に引き下げてきました。

企業型確定拠出年金向け商品の、ラインナップの少なさ、選択の自由度のなさも問題ですが、東京海上セレクション日本株TOPIXのこの対応は大いに歓迎します。

東京海上セレクション日本株TOPIX

2001年9月25日に税抜き信託報酬0.60%で設定されました。eMAXIS TOPIXが税抜き信託報酬0.40%で設定される8年も前のことです。東京海上セレクション日本株TOPIXは長く確定拠出年金専用でしたが、2020年9月に一般販売されるようになり、2020年11月にはつみたてNISA適格になりました。

一般販売開始、つみたてNISA適格申請にあわせて、税抜き信託報酬は最安水準の0.14%に引き下げられました。

東京海上セレクション日本株TOPIXの信託報酬引き下げ履歴表

この信託報酬引き下げは、企業型確定拠出年金で他に低コストな選択肢がなくて東京海上セレクション日本株TOPIXを選んでいた人にも、もちろん、適用されます。受益者にとっては「棚ぼた」であってもうれしいですよね。

東京海上セレクション日本株TOPIXはノーロードで、解約時信託財産留保額はありません。

またiDeCoナビによると、次の金融機関のiDeCo口座で扱われています。

  • 東京海上日動火災保険
  • 北洋銀行
  • 東邦銀行
  • 群馬銀行
  • 十六銀行
  • 静岡銀行
  • 南都銀行
  • 紀陽銀行
  • 伊予銀行
  • 鹿児島銀行

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。信託報酬は引き下げ前のものです。

運用報告書から計算したトータルコスト表

TOPIX連動インデックスの隠れコストはみな小さく、支配的なのは信託報酬です。東京海上セレクション日本株TOPIXの信託報酬はニッセイTOPIX、スリム国内株式(TOPIX)などと同率(最安水準)なので、現在のトータルコストはそれらと変わりません。

リターン比較

eMAXIS TOPIXとの比較

次はeMAXIS TOPIXの設定直後を避けた2009年11月15日から2021年4月30日までの、東京海上セレクション日本株TOPIXとのリターン比較です。

東京海上セレクション日本株TOPIXとeMAXIS TOPIXのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、eMAXIS TOPIXー東京海上セレクション日本株TOPIXです。税抜き信託報酬差は(ほとんどの期間において)0.2%ポイントでしたが、それが12年間で5%ポイントを超える差を生むのでしょうか。

次はeMAXIS TOPIXの運用コストを年率0.2%ポイント増量したものとの比較です。

eMAXIS TOPIXの運用コストを年率0.2%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。信託報酬差0.2%ポイントは、長期投資では複利効果によって大きな差を生むことが分かります。

スリム国内株式(TOPIX)との比較

次は東京海上セレクション日本株TOPIXが税抜き信託報酬をスリム国内株式(TOPIX)と同率に引き下げた、2020年10月1日からのスリム国内株式(TOPIX)との比較です。

東京海上セレクション日本株TOPIXとスリム国内株式(TOPIX)のリターン比較グラフ

青のラインはスリム国内株式(TOPIX)ー東京海上セレクション日本株TOPIXです。変動していますが、運用コストは同水準です。期待通りの結果と言えます。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は249億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

企業型確定拠出年金で良く買われていましたが、2017年以降は頭打ちです。そのことが、信託報酬引き下げと一般販売化を促したのかも知れません。

次はeMAXIS TOPIXとニッセイTOPIXもプロットしたものです。

eMAXIS TOPIXとニッセイTOPIXもプロットしたグラフ

緑のラインがeMAXIS TOPIX、青のラインがニッセイTOPIXです。東京海上セレクション日本株TOPIXは2020年9月まで確定拠出年金専用商品でしたから、この比較には注意が必要ですが、より多くの資金を集めるには競争力が必要だということが分かります。

評価:今後人気がどうなるか、気になります

一般の受益者は、東京海上セレクション日本株TOPIXの信託報酬が最安水準で、つみたてNISAで普通に買えるということを知らないと思います。ネット証券でインデックスファンドを買いたいと思った時に接する情報に、東京海上セレクション日本株TOPIXが出てくる可能性はかなり低いと想像します。先行して知名度、人気を獲得している商品に対抗するのは、信託報酬が同率最安水準というだけでは厳しいです。

東京海上セレクション日本株TOPIXは、選択肢としては悪くないと思います。企業型確定拠出年金で他にローコストな商品がないなら、間違いなく良い選択肢です。一般の証券口座で買うなら、現在の信託報酬のままなら良い選択肢と言えます。

現在は資金流入が頭打ちですが、それを打破するには営業活動に力を入れ、将来きっとある信託報酬引き下げ競争にも付いていく必要があるでしょう。

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