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スリム先進国債券の運用コストと評価

先進国債券も主要なアセットクラスのひとつです。バランスファンドの多くは先進国債券を含みますが、単独での需要もあります。投資対象にするかどうか、単独で投資するかどうかは好みによって分かれるでしょう。

スリム先進国債券は地味ですが、設定来着実に資金流入額を増やしています。このブログで扱っている先進国債券インデックスで、確定拠出年金専用商品を除くと、一番人気です。

スリム先進国債券

2017年2月27日に税込み信託報酬0.170%で設定されました。その後1回引き下げられ、現在は税抜き0.140%です。

スリム先進国債券の信託報酬引き下げ履歴表

確定拠出年金専用商品を除いて、税抜き信託報酬0.140%の先進国債券インデックスは3本あります。

債券100%のファンドはつみたてNISA適格になれないため、もちろんつみたてNISA適格ではありません。また、iDeCoナビによると、SBI証券(セレクトプラン)、松井証券、マネックス証券で扱われています。

運用コスト=信託報酬+隠れコスト

運用コスト(トータルコスト)は信託報酬と隠れコストの合計です。次は運用報告書から計算したトータルコストです。

運用報告書から計算したトータルコスト表

先進国債券インデックスだと、運用報告書で売買委託手数料と有価証券取引税は計上しなくていいそうです。それもあって、隠れコストは極小になります。

リターン比較

登場する先進国債券インデックスのベンチマークはみなFTSE世界国債インデックス(除く日本)です。そのためリターン差は運用の上手い下手を含めた、運用コスト差を示します。

赤のラインがスリム先進国債券、緑のラインが比較対象です。青のラインは、スリム先進国債券ー比較対象です。

eMAXIS先進国債券との比較

次はスリム先進国債券の設定直後を避けた、2017年3月15日から2021年7月9日までの、eMAXIS先進国債券との比較です。

スリム先進国債券とeMAXIS先進国債券とのリターン比較グラフ

マザーファンドが同じなので青のラインはきれいな直線です。

スリム先進国債券とeMAXIS先進国債券のトータルコスト差は約0.50%ポイントあります。次はスリム先進国債券の運用コストを年率0.50%ポイント増量したものとの比較です。

スリム先進国債券の運用コストを年率0.50%ポイント増量したものとの比較グラフ

青のラインはフラットになりました。このことから、スリム国内債券とeMAXIS国内債券のトータルコスト差は期待通りだと言えます。

iFree外国債券とのリターン比較

次はiFree日本債券との比較です。比較期間は同じです。縦軸のスケールを変えています。

スリム先進国債券とiFree外国債券のリターン比較グラフ

スリム先進国債券の方がローコストなので、青のラインは右肩上がりの直線です。

ニッセイ外国債券との比較

次はニッセイ外国債券の信託報酬がスリム先進国債券と同率になった、2019年6月27日から2021年7月9日までの比較です。

スリム先進国債券とニッセイ外国債券のリターン比較グラフ

リターン差が生まれている期間もありました。こういうことも良くあります。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移グラフです。純資産総額は274億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

安定した資金流入が続いています。またラインの反り返りが、人気の加速を示しています。

次はニッセイ外国債券、たわら先進国債券もプロットしたものです。

ニッセイ外国債券、たわら先進国債券もプロットしたグラフ

緑のラインがニッセイ外国債券、青のラインがたわら先進国債券です。純資産価額は174億円231億円です。

この人気の違いがどこから生まれているのかは分かりません。

評価:先進国債券インデックスに投資するならスリム先進国債券一択で

トータルコスト、人気(純資産価額)、信託報酬引き下げ余力への期待を考えると、先進国債券インデックスに投資するならスリム先進国債券一択でいいでしょう。

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