Smart-i 先進国リートは先進国リートインデックスの信託報酬を大幅に引き下げた、ローコストリーダーです。ニッセイグローバルリートも、たわら先進国リートも、三井住友DC外国リートも追随しませんでした。
スリム先進国リートの信託報酬は同率の0.20%ですが、その水準にまで引き下げたSmart-i 先進国リートの功績は大きいです。
Smart-i 先進国リート
2017年8月29日に税抜き信託報酬0.20%で設定されました。当時の最安水準は0.27%で、意欲的な設定でした。以来、信託報酬は引き下げられていません。一般販売されている先進国リートインデックスで、税抜き信託報酬が0.20%なのはSmart-i 先進国リートとスリム先進国リートだけです。
ベンチマークはS&P先進国REIT指数(除く日本)です。購入時手数料、解約時信託財産留保額共にゼロです。
先進国リートインデックスは株式に投資しないため、つみたてNISA適格要件を満たせません。そのため、Smart-i 先進国リートはつみたてNISA適格ではありません。
またiDeCoナビによるとりそな銀行のiDeCo口座で扱われています。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム先進国リートと比較しています。
Smart-i 先進国リートは隠れコストが高いです。決算期によって変動しますが、設定来ずっと高めで推移しています。
リターン比較
先進国リートのリターン比較には、株式インデックスには見られない、理解できない現象が観測されます。そのことに注意しないで単純にある期間での騰落率を比較すると、間違った判断をしてしまいます。
スリム先進国リートとの比較
次はスリム先進国リートの設定直後を避けた、2019年11月15日から2022年3月18日までの、Smart-i 先進国リートとの比較です。
青のラインはリターン差で、スリム先進国リートーSmart-i 先進国リートです。運用報告書から計算したトータルコストはスリム先進国リートの方が安いので、青のラインは右肩上がりで推移するのが期待値です。一応そうなってはいますが、もう少しきれいな直線になるのが期待値です。でも先進国リートインデックスでは普通に観測される現象です。
たわら先進国リートとの比較
次はたわら先進国リートが税抜信託報酬を0.27%に引き下げた2018年1月4日から2022年3月18日までの、Smart-i 先進国リートとの比較です。
青のラインはたわら先進国リートーSmart-i 先進国リートです。たわら先進国リートに負けています。(コロナショックによる株価暴落後は互角です。)
厳しい売れ行き
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は31億円です。
資金流入は続いていますが、資金流入額が少いです。
次はスリム先進国リートもプロットしたものです。税抜き信託報酬は同率です。
緑のラインがスリム先進国リートです。あっさり抜かれています。Smart-i シリーズが、知名度抜群のスリムシリーズと競うのは簡単なことではないですね。
評価:スリム先進国リートの方がいいです
スリムシリーズ嫌いでなければ、スリム先進国リートの方がいいです。
- スリム先進国リートの方がトータルコストが安い。(Smart-i 先進国リートは隠れコストが高い。)
- スリム先進国リートはスリムシリーズゆえに、将来の信託報酬引き下げに(他社商品対抗で同率にまで下がることに)期待が持てる。
- スリム先進国リートの方が人気が高い。