先進国株式

Smart-i 先進国株式の運用コストと評価

株式100%のインデックスファンドがベンチマークに忠実な運用をするためには、現物株運用が好ましいです。先物比率を低く抑えて、資産のほとんどで現物株を売買するのです。

ところが現物株運用と言えない商品も存在します。さらに困ったことに、設定当初は現物株運用だったのに、いつの間にかそうでなくなるものもあります。

更新情報

参照しているデータを最新版に更新しています。

Smart-i 先進国株式

2017年8月29日に税抜き信託報酬0.20%で設定されました。運用会社はりそなアセットマネジメントです。その2週間前に設定された、つみたて先進国株式と同率です。でものちに激しくなった信託報酬引き下げ競争には参加せず、Smart-i 先進国株式は設定来、信託報酬を引き下げていません。

Smart-i 先進国株式はつみたてNISA適格です。またiDeCoナビによるとりそな銀行のiDeCo口座で扱われています。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム先進国株式と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

Smart-i 先進国株式は隠れコストが高いです。次は隠れコストの明細です。高い項目を赤字にしています。

隠れコストの明細表

全体的に高いです。

次はSmart-i 先進国株式のトータルコストの3期比較です。

Smart-i 先進国株式のトータルコストの3期比較表

隠れコストは決算期を経るたびに削減されています。次は隠れコストの明細の三期比較です。

隠れコストの明細の三期比較表

第一期決算期間に隠れコストが高くなるのは普通に見られる現象です。保管費用は削減されてきたとは言え、三期目でもまだ高めです。気になったのは先物・オプションの売買委託手数料です。三期目に上昇しています。

現物株運用と言えません

主に株式の現物を売買し、先物の比率を低く抑えた運用を、現物株運用と表現します。先物比率がいくら以下なら現物株運用と言って良いかの明確な基準はないようですが、10%もあったら厳しいですね。ニッセイ外国株式やスリム先進国株式は4%未満です。

次はSmart-i 先進国株式の先物比率の三期比較です。

先物比率の三期比較表

もともと高めだったのが、第三期に跳ね上がっています。良くないですね。これでは現物株運用と言えないですね。運用報告書にはどうして先物比率が急増したのか、その理由は書かれていませんでした。

先物比率が高くなると、ベンチマークに忠実な運用ができなくなります。それは基準価額に驚くほどはっきりと表れます。

なお、三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングでファンドマネージャーの方に教えてもらったのですが、ベンチマークの指示通りに売買するには先物の利用は不可欠だそうです。

リターン比較

スリム先進国株式との比較

次はスリム先進国株式とのリターン比較です。スリム先進国株式が信託報酬を0.1095%に引き下げた、2018年1月30日から2021年7月9日までです。

Smart-i 先進国株式とスリム先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム先進国株式ーSmart-i 先進国株式です。右肩上がりなのは期待通りですが、ラインの形状がずいぶん汚いです。先物比率の高さが目立つようになった、2019年10月以降が顕著です。

次はスリム先進国株式とi-SMTグローバル株式の比較です。グラフのスケールは同じです。

スリム先進国株式とi-SMTグローバル株式のリターン比較グラフ

次はスリム先進国株式とiFree外国株式の比較です。

スリム先進国株式とiFree外国株式のリターン比較グラフ

違いは明らかですね。

つみたて先進国株式との比較

Smart-i 先進国株式と、つみたて先進国株式の信託報酬は同率です。でも隠れコストには大きな差がありました。それはごまかしの効かない基準価額に表れます。

次はSmart-i 先進国株式の設定直後を避けた、2017年9月15日から2021年7月0日までの、つみたて先進国株式との比較です。

Smart-i 先進国株式とつみたて先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインはつみたて先進国株式ーSmart-i 先進国株式です。投資信託の比較では信託報酬だけを見ていてはいけないという、良いサンプルです。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は110億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

売れ始めるのに日数を要しましたが、安定した資金流入があり、ラインの形状が反り返っていてきれいです。

つみたて先進国株式もプロットしました。純資産価額は389億円です。

つみたて先進国株式もプロットしたグラフ

緑のラインがつみたて先進国株式です。この結果は、販売力の差がもらたらしたものでしょうか。でも運用の中身を考えれば妥当ですね。受益者はそのことを意識していないと思いますけども。

対面販売がメイン?

Smart-i 先進国株式を扱っているのは5大ネット証券を含む10社です。

  • SBI証券
  • 楽天証券
  • マネックス証券
  • 松井証券
  • auカブコム証券
  • SMBC日興証券
  • りそな銀行
  • 埼玉りそな銀行
  • 岡三オンライン証券
  • 近畿大阪銀行

出典:Yahoo!ファイナンス

ネット証券のユーザーがSmart-i 先進国株式を選択するとは考えにくいので、りそな銀行が販売に力を入れているのでしょうか。

評価:他の商品の方が良いです

ネット証券を利用している人にとっては、選択する価値のない商品です。

金融機関の窓口で買うことを嗜好する人の場合でも、信託報酬が同じなら他の商品の方が良いです。今どき信託報酬が0.50%以上もする高コスト商品よりは、Smart-i 先進国株式の方がいいですけどね。

また、第三期決算期間で先物比率を大幅に引き上げたのは良くないですね。同じマザーファンドを利用するSmart-iシリーズにも影響します。先物比率を下げて、現物株運用に戻して欲しいです。

なお、当然ですが、りそな銀行ではつみたて先進国株式は買えません。対面販売がいい場合は金融機関を選ぶ時に(長期的に得られるリターンが)決まってしまうかも知れないですね。

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