新興国株式

Smart-i 新興国株式の運用コストと評価

設定後しばらくは良い運用だったのに、ある時期から突然劣化してしまうのも、投資信託の世界では珍しくありません。また、信託報酬以外の費用(いわゆる隠れコスト)はピンキリで、残念なほど高い商品があります。

Smart-i 新興国株式はその両方に該当する、できの悪い商品です。

Smart-i 新興国株式

スリム新興国株式に遅れること1ヶ月、2017年8月29日に税抜き信託報酬は0.34%で設定されました。スリム新興国株式と同率でしたが、スリム新興国株式が0.170%まで引き下げたのに対し、Smart-i 新興国株式は一度も引き下げていません。

Smart-i 新興国株式は、つみたてNISA適格です。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム新興国株式と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

Smart-i 新興国株式のトータルコストは0.941%と、引いちゃいそうな水準です。信託報酬にも差はありますが、Smart-i 新興国株式は隠れコストが異様に高いです。

次は隠れコストの明細です。高さが目立つ項目を赤字にしています。

隠れコストの明細表

特に保管費用が高いです。これは新興国株式インデックスに良く見られる問題です。

現物株運用と言えません

主に株式の現物を売買し、先物の比率を低く抑えた運用を、現物株運用と表現します。先物比率がいくら以下なら現物株運用と言って良いかの明確な基準はないようですが、10%もあったら厳しいですね。スリム新興国株式は4%未満、ニッセイ新興国株式は9%未満です。

次はSmart-i 新興国株式の先物比率の三期比較です。

先物比率の三期比較表

もともと高めだったのが、第三期に跳ね上がっています。良くないですね。これでは現物株運用と言えません。運用報告書にはどうして先物比率が急増したのか、その理由は書かれていませんでした。

先物比率が高くなると、ベンチマークに忠実な運用ができなくなります。それは基準価額に驚くほどはっきりと表れます。

なお、三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングでファンドマネージャーの方に教えてもらったのですが、ベンチマークの指示通りに売買するには先物の利用は不可欠だそうです。

リターン比較

スリム新興国株式とのリターン比較

次はスリム新興国株式の税抜き信託報酬が0.189%なった2018年7月25日から2021年1月8日までの、Smart-i 新興国株式とのリターン比較です。

スリム新興国株式とSmart-i 新興国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム新興国株式ーSmart-i 新興国株式です。スリム新興国株式の方がトータルコストが安いので、青のラインは期待通り右肩上がりで推移しています。コロナショックによる株価暴落時に差が開いていますが、そういうこともあるでしょうね。

2020年は青のラインの暴れが大きくなっていますが、これは先物比率の上昇が要因だと思われます。

Funds-i 新興国株式とのリターン比較

次はSmart-i 新興国株式の設定直後を避けた、2017年9月15日から2021年1月8日までの、Funds-i 新興国株式とのリターン比較です。

Funds-i 新興国株式とSmart-i 新興国株式のリターン比較グラフ

Funds-i 新興国株式は税抜き信託報酬は0.60%ですが、隠れコストがとても小さいことが分かっています。青のラインはFunds-i 新興国株式ーSmart-i 新興国株式で、その推移からSmart-i 新興国株式のトータルコストの高さが分かります。

また、この比較でも青のラインの暴れが、先物比率が上昇した時期に大きくなっています。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は17.31億円です。少ないですね。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

一定の資金流入が続いていますし、ラインの形状は好ましいものです。が、MSCIエマージング・マーケット連動インデックスとしては不人気です。

次はスリム新興国株式もプロットしたものです。

スリム新興国株式もプロットしたグラフ

その差は圧倒的です。

次は税抜き信託報酬が0.34%で並んでいる、たわら新興国株式とつみたて新興国株式との比較です。

たわら新興国株式とつみたて新興国株式との比較グラフ

緑のラインがたわら新興国株式、青のラインがつみたて新興国株式です。Smart-i 新興国株式の厳しさが良く分かります。

評価:買う価値ありません

運用会社がりそなアセットマネジメントなので、りそな銀行の窓口で強力に勧誘される可能性がありますが、断った方がいいです。たとえ金融機関の窓口で投資信託を買うのが好みであっても、他の選択肢の方がいいです。

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