Smart-i Jリートは国内リートインデックスの信託報酬を大幅に引き下げた、ローコストリーダーです。ニッセイJリートも、たわら国内リートも、三井住友DC日本リートも追随しませんでした。
スリム国内リートの信託報酬は同率の0.17%ですが、その水準にまで引き下げたSmart-i Jリートの功績は大きいです。
Smart-i Jリート
2017年8月29日に、税抜き信託報酬0.17%で設定されました。それまでの国内リートインデックスの最安水準は、ニッセイJリートの0.25%でしたので、3割も削減されたことになります。以降、信託報酬は引き下げられておらず、スリム国内リートが同率の0.17%で設定されて現在に至ります。運用会社は、りそなアセットマネジメントです。
ベンチマークは東証REIT指数です。購入時手数料、解約時信託財産留保額は共にゼロです。
国内リートインデックスは株式に投資しないため、つみたてNISA適格要件を満たせません。そのため、Smart-i JリートはつみたてNISA適格ではありません。
またiDeCoナビによると、りそな銀行のiDeCo口座で扱われています。
運用コスト
次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム国内リートと比較しています。
Smart-i Jリートの隠れコストは一般的な水準よりは高いです。でも支配的なのは信託報酬で、トータルコストはほぼ同じです。よって、運用報告書にある数値が正しいなら、この2商品にはリターン差がないのが期待値になります。
リターン比較
いろんなファンドのリターン比較をしてきましたが、国内リートインデックスのリターン比較結果は「おかしい」です。運用報告書から計算したトータルコストと、現実の基準価額データが符合しないことが多いです。
スリム国内リートとの比較
次はスリム国内リートの設定直後を避けた、2019年11月15日から2021年2月19日までの、Smart-i Jリートとの比較です。
青のラインはリターン差で、スリム国内リートーSmart-i Jリートです。コロナショックによる株価暴落時に段差ができていますが、それを除くとほぼフラットです。よって、スリム国内リートとSmart-i Jリートにリターン差はないと言えます。
Funds-i J-REITとの比較
次はSmart-i Jリートの設定直後を避けた、2017年9月15日から2021年2月19日までの、Funds-i J-REITとの比較です。
青のラインはFunds-i J-REITーSmart-i Jリートです。右肩上がりなので、明らかにFunds-i J-REITの方が低コストですが、Funds-i J-REITの税抜き信託報酬は0.40%です。不思議ですね。
また、青のラインの形状から想像するに、Smart-i Jリートの運用はベンチマークに忠実な気がします。(確証はありません。)
ニッセイJリートとの比較
次は2017年9月15日から2021年2月19日までの、ニッセイJリートとの比較です。
青のラインはSmart-i JリートーニッセイJリートです。おかしな動きをしているところもありますが、Smart-i Jリートの方がリターンが高い傾向にあります。
たわら国内リートとの比較
次は2017年9月15日から2021年2月19日までの、たわら国内リートとの比較です。
青のラインはSmart-i Jリートーたわら国内リートです。株価暴落時の段差を除くと互角です。
スリム国内リートの方が売れています
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は35億円です。
黄色に塗ったところで資金流出が起きていますが、これは基準価額の上昇が止まり、その後コロナショックによる株価暴落に巻き込まれた時期と一致します。現在は回復基調ですが、以前の勢いはありません。
次はスリム国内リートもプロットしたものです。純資産総額は65億円です。
緑のラインがスリム国内リートです。信託報酬は同率、トータルコストも変わらない、実際のリターンにも差はありませんが、スリム国内リートの方が売れています。スリムシリーズの人気の高さゆえではないでしょうか。
評価:良い選択肢です
Smart-i Jリートの信託報酬、トータルコスト、実際のリターンはスリム国内リートと並んでおり、国内リートの投資対象として良い選択肢です。でも次の理由から、僕はスリム国内リートをおすすめします。
- スリム国内リートは今後も(他社との競争時に限るものの)信託報酬を引き下げる可能性がある。(Smart-i シリーズはちょっと苦しいかな。)
- 人気(純資産総額)はスリム国内リートの方が高い。
- 僕はスリムシリーズ推しの投信ブロガーである。