債券

Smart-i 国内債券の運用コストと評価

国内債券は人気の高い資産クラスではないので、そもそも受益者から集められる資産総額が少ないです。ローコスト国内債券インデックス12商品の純資産総額の合計は、660億円程度でしかありません。にもかかわらず、信託報酬の最安水準は0.120%で、運用会社にとって儲からない商品と言えます。

それでも生き残りをかけて競争しているわけですが、人気を獲得してより多くの資金を集めるのは簡単なことではありません。

Smart-i 国内債券

スリム国内債券の設定から半年後の2017年8月29日に、税込み信託報酬0.140%で設定されました。この時はスリム国内債券と同率でした。その後単独最安水準の0.120%に引き下げましたが、スリム国内債券はすぐに対抗値下げしました。

信託報酬引き下げ履歴表

現在0.120%が最安水準で、5商品が並んでいますが、この水準まで下がったのはSmart-i 国内債券の功績と言っていいです。スリム国内債券もニッセイ国内債券もiFree日本債券も、Smart-i 国内債券と同率に引き下げただけです。

債券100%のファンドはつみたてNISA適格になれないため、もちろんつみたてNISA適格ではありません。また、iDeCoナビによると、次のiDeCo口座で扱われています。運用会社がりそなアセットマネジメントなので、納得です。

  • りそな銀行【個人払込】
  • りそな銀行【イデコプラス割】

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。スリム国内債券と比較しています。

運用報告書から計算したトータルコスト表

Smart-i 国内債券は隠れコスト(この場合は監査費用)が高めです。わずかな差ですが、国内債券インデックスの隠れコストは極小なのが当たり前なので、目立ちます。

リターン比較

Smart-i 国内債券は設定来、国内債券インデックスの最安水準をリードしてきました。この記事では現在税抜き信託報酬が0.120%で最安の商品と比較します。

スリム国内債券とのリターン比較

次はSmart-i 国内債券の設定直後を避けた、2017年9月15日から2020年9月11日までの、スリム国内債券との比較です。

Smart-i 国内債券とスリム国内債券のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、スリム国内債券ーSmart-i 国内債券です。設定後の数ヶ月間の差の開き方はおかしいですね。設定直後に高コストで推移するのは、投資信託にはよく見られる現象です。

次は運用が安定したと思われる、2018年1月4日からの比較です。

Smart-i 国内債券とスリム国内債券のリターン比較グラフ、2018年年初から

青のラインは右肩上がりですね。運用報告書から計算したトータルコストも、実際のリターンも、スリム国内債券の方が有利であることを示しています。

ニッセイ国内債券とのリターン比較

次はSmart-i 国内債券の運用が安定したと思われる、2018年1月4日から2020年9月11日までの、ニッセイ国内債券との比較です。

Smart-i 国内債券とニッセイ国内債券のリターン比較グラフ

青のラインはニッセイ国内債券ーSmart-i 国内債券です。リターン差はほとんどないですね。

iFree日本債券とのリターン比較

次はiFree日本債券との比較です。比較期間は同じです。

Smart-i 国内債券とiFree日本債券のリターン比較グラフ

青のラインはiFree日本債券ーSmart-i 国内債券です。青のラインの傾向は右肩上がりなので、運用コストはiFree日本債券の方が低いと思われます。

不人気です

次は設定来の資金流出入額の累計の推移グラフです。純資産総額は9.21億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

設定後1年間はほとんど売れていませんでした。その後の資金流入はほぼ安定していますが、その額が小さいです。

次はたわら国内債券とスリム国内債券もプロットしたものです。

たわら国内債券とスリム国内債券もプロットしたグラフ

この様子だとSmart-i 国内債券が売れるようになるとは思えないですね。つまり、国内債券インデックスのジャンルで生き残れると思えないです。

評価:スリム国内債券の方がいいです

Smart-i 国内債券は信託報酬の引き下げに積極的でした。その姿勢は高く評価しますが、次の理由から、スリム国内債券の方が良い選択肢と言えます。

  • 運用コストはスリム国内債券の方が安いです。
  • Smart-i 国内債券は不人気で、生き残れると思えません。

おすすめの関連記事

-債券

© 2020 河童のインデックス投資 Powered by STINGER