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DCニッセイ外国株式よりニッセイ外国株式に乗り換えた方が有利です

ブロガーの造語か、出版社の編集者が本のタイトルのために作ったのかは分かりませんが、「ほったらかし投資」というキャッチフレーズがあります。これはセールストークであり、真に受けると馬鹿を見ます。投資環境は目まぐるしく変化しているのに、その変化に気付こうとせず、最初に口座開設して積み立て設定してそのままでほったらしにしていたら、数年後に自分の愚かさをひどく後悔するハメになるかも知れません。

たとえば、次のような変化には自分で行動を起こさないとそのメリットを享受できません。

  • 楽天証券で楽天カード決済で投信の積み立てをすると、月額5万円を上限に楽天スーパーポイントが付与されるサービスを知らず、証券口座から積み立てていた。
  • 2018年からつみたてNISA制度が始まったことを知らず、一般NISAで年間30万円しか投資していなかった。

どちらも新しいサービス、制度の開始に気付いて行動した人だけが、より有利な条件で投資できるわけです。ほったらしにするということは、そういう変化から得られるものを捨てるということです。

更新情報

参照しているデータを最新のものに更新しました。

信託報酬が安い投信に乗り換えるべきか

同じ資産クラスに投資する投信の場合、トータルコストが安いものの方が有利です。ベンチマークが同じで運用が安定しているなら、トータルコスト差がパフォーマンス差になって現れるので、トータルコスト差は軽視すべきではありません。

たとえばeMAXIS先進国株式に投資していた人が、それを売却してスリム先進国株式に乗り換えるべきかどうか、というような頻出問題については、目安があります。

信託報酬が高いものへの追加投資をやめてガチホし、新規投資(積み立て)は安いものに切り替えるのは抵抗なくできるでしょう。でも信託報酬が高いものを売却して乗り換えるのは、いったん譲渡税を納めないといけないため躊躇するわけですね。仕組み上は、課税の繰延効果と信託報酬差が生むリターンの改善の度合いで損益分岐点が変わるわけです。

iDeCo口座の場合

iDeCo口座には特定口座、一般NISA口座、つみたてNISA口座と大きく異なる特徴があります。

  • 口座内でのスイッチングが無税かつ無料で行えます。商品Aの一部または全部を売却して、商品Bを買い付ける操作をしても、1円も課税されず、手数料も請求されません。
  • A口座にある商品を全額売却して、資金をB口座に移管しても、1円も課税されません。でも通常移管手数料がかかります。

たとえば先進国株式に投資していたけど、憧れだったS&P500インデックスファンドが追加されたので乗り換えるというのが、無税かつ無料で行えます。凄いと思いませんか。

この無税・無料でスイッチングできる特性を利用しておかしなことを考える人もいます。

加齢と共にリスクを減らす運用を考える人もいます。

僕は楽天証券のiDeCo口座でたわら先進国株式に投資していましたが、スリム先進国株式に乗り換えたくて松井証券に移管しました。(楽天証券のiDeCo口座ではスリム先進国株式は買えません。)

DCニッセイ外国株式

前振りが長くなりました。キング・オブ・MSCIコクサイのニッセイ外国株式にはDC(確定拠出年金)専用の姉妹品である「DCニッセイ外国株式」があります。次はそれら2商品の税抜き信託報酬引き下げ履歴です。

信託報酬引き下げ履歴表

DC専用商品は一般商品より信託報酬が低く設定されることが多いです。スリムシリーズは信託報酬引き下げ対抗の対象から、DC専用商品を外しているぐらいです。

DCニッセイ外国株式も一般商品より低い信託報酬で設定され、一般商品の信託報酬引き下げに追随して0.189%までは追随しました。が、一般商品が0.0999%まで下がったのに対し、DC専用商品は0.140%までしか下げませんでした。その後一般商品は0.0930%に引き下げられたのに、DC専用商品はそのままです。

販社との関係で一般商品と同率にまで引き下げられなかったのか、別の事情でそうしなかったのかは分かりませんが、僕は理不尽と感じます。その気になればできなかったとは思えないからです。

リターン比較

次はDCニッセイ外国株式とニッセイ外国株式のリターン比較です。DCニッセイ外国株式の設定直後を避けた、2015年年初から2020年9月18日までです。

DCニッセイ外国株式とニッセイ外国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、DCニッセイ外国株式ーニッセイ外国株式です。当初、DCニッセイ外国株式の方が低コストでしたが、ある時期から逆転している様子が良くわかります。

どちらも同じマザーファンドを買っているので、信託報酬差がほぼ素直にパフォーマンス差になります。もし、信託報酬差が現在のままだったらどうなるでしょうか。

税込み信託報酬差0.0517%が生み出す差

現在一般商品とDC専用商品の税込み信託報酬には0.0517%の差があります。これは決して小さくありません。

次は期待リターン年率5%の場合の、ニッセイ外国株式とDCニッセイ外国株式の10年間のリターン差を示したものです。ニッセイ外国株式なら、期待リターンを年率5%としてもやりすぎではないでしょう。

ニッセイ外国株式とDCニッセイ外国株式の10年間のリターン差のグラフ

税込み信託報酬差は0.0517%ですが、10年間だと複利効果により1%ポイントを超える差が生まれています。青のラインは弓なりに曲がっていますよね。

これはiDeCo口座での話なので、20年間そのままということも普通です。次は比較期間を20年にしたものです。

ニッセイ外国株式とDCニッセイ外国株式の20年間のリターン差のグラフ

リターン差は3%ポイントに広がりました。これがトータルコスト差に働く複利効果です。

同一手数料、同一リスク、異なるリターン

SBI証券のオリジナルプランでDCニッセイ外国株式に投資しても、セレクトプランでニッセイ外国株式に投資しても、受益者が負担する手数料は同じです。どちらも同じマザーファンドを買っているので、負うリスクも同じです。でもファンドのトータルコストが違うため、リターンに差が出ます。それは複利効果により投資期間に比例して広がります。

ならばDCニッセイ外国株式から無税でニッセイ外国株式に乗り換えた方が得だと思いませんか。幸い、SBI証券でのプラン変更は無料で行えます。でも口座の移管には日数がかかり、どうしても、何もできない期間ができるため気軽にできないのも事実です。次の記事で僕がiDeCo口座を2回移管した経験についてまとめています。

売れ行きは

次はDCニッセイ外国株式とニッセイ外国株式の、設定来の資金流出入額の累計の推移です。

DCニッセイ外国株式とニッセイ外国株式の、設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

DCニッセイ外国株式の純資産総額は394億円です。確定拠出年金で人気がある商品なのは間違いありません。ニッセイ外国株式の純資産総額は1,931億円です。

DCニッセイ外国株式だけをプロットしました。

DCニッセイ外国株式の資金流出入額の累計の推移グラフ

設定後しばらくは全く売れていませんでした。理由は不明です。ある時から突然売れ始めます。グラフの変化からいくらか売却組がいることは確かですが、まだかなりの数の受益者がDCニッセイ外国株式に投資しています。

DCニッセイ外国株式が買える金融機関は次の3社です。

  • SBI証券
  • 岡三証券
  • 東海東京証券

3社ともiDeCo口座で買えることは確かですが、企業型確定拠出年金での扱いは不明です。iDeCo口座で買っているなら岡三証券、東海東京証券であってもSBI証券のセレクトプランに移管すれば良いので、ほぼやる気だけの問題です。でも企業型確定拠出年金はそうは行かないので、ニッセイ外国株式の信託報酬を羨ましく思いながら、自由度が極端に少ない企業型確定拠出年金の現状を嘆いているかも知れません。

まとめ:より低コストな商品に乗り換えた方が良いかも

待っていればDCニッセイ外国株式の信託報酬が、ニッセイ外国株式と同じにまで下がる可能性もゼロではありません。僕は期待しない方がいいと思いますけどね。

行動を起こしてより低コストな商品に乗り換えるか、その手間を惜しんで、ほったらかしにして、余計なコストを払い続けるかの選択は、受益者本人に任されています。どうするかは皆さん次第なのです。

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