米国株式

VT、楽天VTの三重課税問題について解説します

米国籍ETFで人気の高いVTには「三重課税問題」が存在します。これは都市伝説ではありません。ETFへの課税の仕組み上発生が避けられないものです。そして、海外ETFに興味のないインデックス投資家も、無視すべきではありません。何故なら、VTを買うだけのインデックスファンドである楽天全世界株式にも、当然の結果として、三重課税問題が存在するからです。

この記事ではVTの三重課税問題を、分かりやすく解説します。仕組みは、米国外の資産に投資する米国籍ETFに共通です。なお、反論歓迎です。

三重課税が発生する仕組み

VTは全世界の株式に投資します。米国内が55%程度、米国外が45%程度です。

株式を保有すると銘柄によって様々ですが配当金が発生します。この配当金は、米国の株式だと米国による10%の源泉課税だけですが、米国以外の株式だとまず現地国で源泉課税されてから、さらに米国で10%課税されます。これを二重課税と言います。

米国以外の国の源泉課税の税率は一様ではないので、何%と言えません。

次は配当金への課税を説明した図です。

配当金への課税関係の説明図

左半分は問題ありません。問題は右半分です。米国から見た外国で課税済みの配当金に、さらに米国で10%課税している二重課税が余剰です。その後日本で(課税口座だと)20.315%の譲渡税により三重課税になってしまうのです。

計算方法

VTの2018年10月締めの年次レポートから、配当金全体から外国で源泉徴収された分が5.53%だと分かっています。そして、数値が一致しないところがあるのですが、配当金のうち外国で源泉課税されたのは、次の文章からは219,858,000ドルだと読めました。

配当金のうち外国で源泉課税された金額が書かれた文章

この219,858,000ドルが米国外の株式からの配当金だとすると、配当金の54.7%に対して外国で源泉徴収済みとなります。

VTの2018年度の三重課税を計算する図

すると配当金の49.17%に対してさらに10%課税しているのが余剰(三重課税の原因)で、それは配当金全体の比率で見ると4.92%になります。

配当金は年率2.4%で、これはVTの保有額に対する割合ですから、これに4.92%を乗じた0.118%が三重課税コストになります。

VTの三重課税コストは0.1%程度か

仕組み的に、VTの三重課税コストは0.1%程度あると考えています。年次レポートに数値が明記されておらず推測に頼ったり、確信の持てないところもありますが、当たらずとも遠からずではないでしょうか。

経費率、信託報酬の超ローコスト化が進んだ今、0.1%はとても大きな値です。言うなれば、隠れコストが0.1%ポイント高いのと等価です。

次は楽天全世界株式のトータルコストです。

楽天全世界株式のトータルコスト表

隠れコストは0.1%未満です。実はこれに三重課税コスト0.1%程度が上乗せされていると考えると、悲しくなりますよね。

残念ながら三重課税コストがリターンを劣化させている証拠を、リターン比較のような形で示せるものがありませんが、受益者は気にした方がいいと思います。

スリム全世界株式(オール・カントリー)に三重課税問題がない理由

スリム全世界株式(オール・カントリー))には、三重課税問題は存在しません。それはオール・カントリーは現物株運用だからです。投資対象国はVTと大して変わりませんが、日本から見て外国の資産から得られる配当金は、現地(外国)での課税と、(課税口座の場合は分配時または売却時に)国内の譲渡税による二重課税までだからです。

VTIに三重課税問題は存在しません

VTIは米国籍のETFで、米国の株式のみに投資するので三重課税問題は発生しません。VTIの年次レポートを過去3年分確認しましたが、配当金に注釈はなく、外国で源泉徴収されたことを示す記述がないことを確認してます。つまり、VTIに三重課税問題は存在しないことは証明済みです。もちろん、楽天全米株式にもです。

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