先進国株式

野村スリーゼロ先進国株式投信が有利なのは最初の数年だけです

野村スリーゼロ先進国株式投信は、提供されるメリットが期限付きなため、僕はいいと思いません。本当に受益者のためになる商品とは思えないのです。

期間限定ながら、2030年末までは信託報酬がゼロ、その後も現在のニッセイ外国株式やeMAXIS Slim先進国株式の信託報酬程度を予定しているというのですから、それだけ聞くと強烈なインパクトがあります。が、最大の問題は野村證券専売だということです。そのため、楽天証券が実施している大盤振る舞いのサービスは利用できません。

次の記事で、野村スリーゼロ先進国株式投信と、楽天証券で買うeMAXIS Slim先進国株式の比較をしました。

楽天証券の大盤振る舞いのサービスを活用すると、野村スリーゼロ先進国株式投信に負けないことが分かりました。これについて、読者の方からリクエストを頂きました。楽天カード決済を(特定口座で使うから)比較対象から外したらどうなりますか?というものです。つまり、次の2つの比較になります。

  • 楽天証券のつみたてNISAなら、0.048%のポイントがもらえる。
  • スリーゼロは2030年まで信託報酬がゼロ。

マニアックすぎてヘンタイの血が騒ぎます。では比較もマニアックに行きましょう。なお、比較方法の基本的なところは上記記事を参照して下さい。

以下、eMAXIS Slimをスリムと表記します。

つみたてNISAシミュレーション

野村スリーゼロ先進国株式投信はつみたてNISA専用です。年初一括購入はできません。(野村證券に確認済みです。)そこで、毎月初33,333円×12ヶ月積み立て、その後19年間ホールドし、非課税期間20年が満了した時点の評価額の差を調べます。つみたてNISA口座ですからもちろん非課税です。

次は期待リターン年率4%の場合です。

つみたてNISAシミュレーション結果のグラフ、期待年率4%

灰色のラインは元本です。元本が増えるのは最初の1年だけです。

一覧表にまとめるとこうなります。

つみたてNISAシミュレーション結果一覧表

元本399,996円を19年間運用した結果の評価額の差が右端にあります。期待リターンで変わりますが、十分大きな差と言えます。

毎年減る評価額の差

野村スリーゼロ先進国株式投信は、2021年の非課税枠は10年間、信託報酬がゼロですが、2022年の非課税枠は9年間、2023年の非課税枠は8年間と、後に始めるほど信託報酬ゼロの年数が短くなります。これが、携帯キャリアが良く使う期間限定の値引きに似ていてどうかなと思うところです。

次は2022年以降に始めると評価額の差が減る様子です。当然ですが、期待リターンが高いほど、傾斜がきつくなります。

2022年以降に始めると評価額の差が減る様子をまとめた表

グラフにすると一目瞭然です。

2022年以降に始めると評価額の差が減る様子をまとめたグラフ

楽天証券で投資信託を買うと、どんなにローコストのものであっても、保有資産10万円ごとに年率0.048%分の楽天スーパーポイントが付与されます。そしてこのポイントで、投資信託が買えます。つまり、ポイントを再投資できるわけです。

ポイントの再投資

次のルールでポイントを再投資し、非課税期間20年間に付与され増やしたポイントの額を計算します。

  • つみたてNISA口座で保有しているスリム先進国株式により付与されたポイントを1年間貯めます。
  • 翌年の年初に、過去1年分のポイントを使って、特定口座でスリム先進国株式を買います。
  • これを19回繰り返します。
  • 20年後の税引き後評価額を求めます。
  • それに、非課税期間の20年目に付与されたポイントを加算します。

次は期待リターン年率5%で、ポイントを再投資している様子です。

期待リターン年率5%で、ポイントを再投資している様子のグラフ

灰色のラインは元本で、ポイントをそのまま貯めておいたのと同じです。赤のラインは複利効果で素晴らしいカーブを描きます。たとえ少額投資であってもです。(100円から投資できることをバカにする人にはこの意味が理解できなかも知れません。)

結果です。表の右端の列が、保有資産10万円ごとに年率0.048%分の楽天スーパーポイントを再投資して得られたものです。

比較結果一覧表

野村スリーゼロ先進国株式投信の信託報酬が、8年間ゼロだといい勝負、7年間ゼロだとスリム先進国株式の方が有利です。つまり、この試算(比較方法)だと、野村スリーゼロ先進国株式投信を利用して有利なのは、2023年の非課税枠分までとなります。

現実世界でのポイント再投資

保有資産10万円ごとにもらえる、年率0.048%分の楽天スーパーポイントは、つみたてNISAの非課税枠40万円(この比較だと399,996円)で考えると多くはありません。でも基準価額の上昇により、つみたてNISA口座で保有している資産額は増え、毎年もらえるポイントも増えます。それを上手に再投資すると、何もしない場合よりも手にする現金を増やすことができます。

これをセコいと思いますか?その場合、野村スリーゼロ先進国株式投信が期間限定で信託報酬をゼロにしていることに関心を抱くのもセコくないですか?だって信託報酬はもう0.1%程度の話なのですから。

この記事に出てきたポイント再投資、現実世界ではめんどくさくてその通りにはできないと思います。年1回のスポット購入だし、毎年金額が変わりますしね。そこで、最低100円からなのでこの記事の内容にはそのまま適用できませんが、毎月100円以上(1円単位)を積立設定して放置するのがいいでしょう。僕は現在、楽天カード決済でもらえるポイント分も含めて、毎月初に900円、ポイント再投資分としてスリム先進国株式に積立投資しています。

まとめ:野村スリーゼロ先進国株式投信が有利なのは最初の数年だけです

このシミュレーションでは、野村スリーゼロ先進国株式投信が有利なのは、2023年の非課税枠分までとなりました。最初の3年程度ですね。それは楽天証券の大盤振る舞いのサービスに依存しているからなので、この結論にムッとする人もいることでしょう。どうするかは皆さん次第です。

でも僕は、付与されたポイントは最大限活用すべきだと思っています。だって資産形成のために行った投資行動の結果付与されたポイントなのですから、有効活用すべきです。そしてうれしいことに、基準価額の上昇が期待できる投資信託に再投資することで、実質ポイントを増やすことができるのです。もちろん、売却時には現金を手にできます。

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