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eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)の運用コストと評価

eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)はスリムシリーズの中では不人気です。設定されてから2年になりますが、純資産総額は14.49億円しかありません。スリムシリーズなら何でも売れるわけではないことを証明しているかのようです。

次は4月17日時点の、スリムシリーズの純資産総額一覧です。純資産総額でソートしています。

スリムシリーズの純資産総額一覧表

eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)は、昨年10月に設定されたeMAXIS Slim国内リート、eMAXIS Slim先進国リートに迫られています。こんなに不人気になるとは、三菱UFJ国際投信も想像できなかったことでしょう。

でも、その良さを分かっている人に買い支えられているようです。

以下、eMAXIS Slimをスリムと表記します。

賛否両論あったスリム全世界株式(3地域均等型)の組成

スリムシリーズ第一弾が設定されてから7ヶ月後に登場した楽天全世界株式は、あのVTがインデックスファンドで買えるということもあって、いきなり高い人気を獲得しました。その頃、スリムシリーズにあった全世界株式は「除く日本」だけだったので、投信ブロガーは日本を含む全世界株式に、時価総額比で投資する、楽天全世界株式の対抗となる商品を熱望していました。

ところが三菱UFJ国際投信が出した答えは違っていました。2018年4月3日にスリム全世界株式(3地域均等型)を設定したのです。そして当時、ブロガーミーティングで「時価総額比の全世界株式の予定はない」と明言して、出席者の多くをがっかりさせました。

均等配分と時価総額比配分では組成意図が異なるので、単純にどちらが良いと言えるものではありません。が、受益者の多くが時価総額比の組成を嗜好し、それが人気を確かなものにした結果、スリム全世界株式(オール・カントリー)の躍進につながったのでしょう。

スリム全世界株式(3地域均等型)はスリムシリーズの中では圧倒的に不人気ですが、純資産総額を10億円集めることすらできないファンドが掃いて捨てるほどあることを考えれば、一定の需要(ニーズ)に応えられていると言えるでしょう。たとえば、スリム全世界株式(3地域均等型)の異母兄弟と言えるニッセイインデックスパッケージ(内外・株式)の純資産総額は0.28億円しかありません。

3地域均等型とオール・カントリーのリターン比較

次はスリム全世界株式(3地域均等型)とスリム全世界株式(オール・カントリー)のリターン比較です。オール・カントリーの設定日直後を避けた、2018年11月15日から2020年4月17日までです。

スリム全世界株式(3地域均等型)とスリム全世界株式(オール・カントリー)のリターン比較グラフ

赤のラインが3地域均等型、緑のラインがオール・カントリーです。3地域均等型の方が変動率が小さいですが、リターンはオール・カントリーに劣っています。そうなったのは、この比較期間だと新興国株式と国内株式が先進国株式より低パフォーマンスだったからです。

次は同じ期間における、スリムシリーズの先進国株式、新興国株式、TOPIXのリターン比較です。

スリムシリーズの先進国株式、新興国株式、TOPIXのリターン比較グラフ

株価暴落開始前を見ると、赤のラインの先進国株式の上昇力が目立ちます。緑のラインの新興国株式と青のラインのTOPIXは(TOPIXは特に)伸びが悪いです。

オール・カントリーの現在の資産配分比率はこうなっています。(国内株式のベンチマークはTOPXではなくてMSCIジャパンです。)

  • 先進国株式:80.3%
  • 新興国株式:12.0%
  • 国内株式:7.6%

先進国株式の足を新興国株式と国内株式が引っ張る形になるため、3地域均等型がオール・カントリーより不利なのは仕方のないことです。でも、未来もずっとそうとは限りません。3地域均等型への投資が報われる時代もきっとあるでしょう。不人気なことを承知の上で3地域均等型に投資している人は、均等配分の意味を良く分かっているのでしょう。

売れ行き

パワハラになるので、他の商品とは比較しません。次はスリム全世界株式(3地域均等型)の設定来の総口数の推移です。

スリム全世界株式(3地域均等型)の設定来の総口数の推移グラフ

本当に不人気なファンドの場合、総口数が増えなくなりますが、スリム全世界株式(3地域均等型)はそうではありません。スリムシリーズの1商品にしては(そして全世界株式という名前が付いているにも関わらず)伸び率が低いものの、一定のペースで増えています。

株価暴落後もその傾向は変わりません。肝の座った受益者が買っているということではないでしょうか。

評価:不人気ですが生き残れるでしょう

「均等配分の良さが分かる人は少ないのだよ」と言うと反発喰らいそうですが、そういうものです。おそらく増加率は低いものの、純資産総額は増え続けるでしょう。

それに、受益者にとって良いこともあります。

  • スリムシリーズの3商品の税込み信託報酬の平均は0.1547%ですが、3地域均等型の税込み信託報酬はたったの0.1144%です。
  • 三菱UFJ国際投信は、スリム全世界株式3兄弟の信託報酬を同じにしてきているので、将来オール・カントリーまたは除く日本の信託報酬が対抗値下げされた場合、漁夫の利を得る形で3地域均等型も安くなります。

Fund of the Year 2019のコメントに溜飲

スリム全世界株式(3地域均等型)はFOY2019で18位でした。投票した6名の方のコメントは一味違います。やっぱり通好みの組成ですね。

以下、こちらからの引用です。なお、太字にしたのは僕です。

  • 世界中にバランス良く分散投資できて超低コスト。全ての人にオススメできる優良ファンドだと思います。もっと評価されるべき。
  • 低コスト化の努力、一本で株式をカバーできる手軽さは素晴らしい!
  • 均等配分の定量的合理性に加え、個別ファンドの平均より低い運用管理費用を実現しているため。
  • メインで積立中。 同じシリーズの全世界株式(オールカントリー)の方が圧倒的に人気ですが、自分のアセットアロケーションにはこちらの方がフィットしているので。 また、eMAXIS Slim全世界株式シリーズは信託報酬同一なので、新興国株式比率の高い同銘柄は実は一番コスト低減頑張ってる商品ですよね。
  • 低コストで日本や新興国株に投資できる投資信託。
  • リスクオフで日本や新興国が大きく下げた時、うねり取りで買うのに適している。

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