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【出口戦略】個人向け国債変動10年はメリットが少なく魅力に欠けます

個人向け国債のうち利用価値があると思えるのは変動10年だけですが、現在は利率が極端に低く、金融機関が税金を使って行っているキャンペーンを除くと利用する意味があるとは思えません。そう言いつつも、僕は近年継続してそのキャンペーンを利用していましたが(過去形)、eMAXIS Slim先進国株式への投資比率を落とす時期になった時に利用したいとは思いません。

厳しくなったキャンペーン

十分予想されたことですが、不健全なキャッシュバックキャンペーン対策として(そう断言していいでしょう)、国が金融機関に支払う手数料体系が変更されました。それに伴い、2020年4月から個人向け国債変動10年のキャンペーンは軒並み中止されました。

最近復活した金融機関もありますが、キャッシュバック金額は大幅に減額されています。

低すぎる利率

2016年3月以降、利率はほぼ0.05%(最低水準でこれより下がりません)に張り付いています。楽天銀行でマネーブリッジを利用した時の金利0.10%の半分しかありません。よって、この金利だけでは利用する価値などありません。

ネットを検索すると個人向け国債変動10年を絶賛する記事が多くて辟易します。メリットのひとつに変動金利だからインフレに対応できるというのがあげられますが、固定金利で満期までが長いものや、解約できない仕組預金などを避けていれば済むことです。たとえば、楽天銀行+マネーブリッジで金利0.10%の普通預金を利用しておいて、個人向け国債変動10年の利率が上がったら(日銀がマイナス金利政策を終了させないといけませんが)、利用を考えれば良いのです。また、その時には条件の良い1年ものの円定期預金も増えることでしょう。

金持ち優遇の税金を使ったキャンペーン

個人向け国債変動10年がネット上で話題に上るのは、金融機関が現金をプレゼントするキャンペーンを頻繁に行うためです。次は大和証券が実施しているキャンペーンでもらえるプレゼント金額の表です。こちらは大幅削減前です。

大和証券のキャンペーン、大幅削減前

引用:大和証券

購入金額が増えるとプレゼント金額の割合が増えるという、金持ち優遇仕様です。500万円買うと15,000円なのに、1,000万円買うと40,000円もらえます。一昔前は50,000円もらえました。

次は大幅削減後です。

大和証券のキャンペーン、大幅削減後

1,000万円買うと40,000円もらえていたのが、14,000円に削減されてしまいました。削減率65%です。

楽天証券もたまに同様のキャンペーンを実施していましたが、プレゼント金額は見劣りしました。

楽天証券のキャンペーン

引用:楽天証券

手数料体系変更後のプレゼント額は不明です。

このキャンペーンの原資は税金のはずです。で、個人向け国債変動10年は1年経過すると自由に解約できるので、このキャンペーン狙いで利用されてしまうことが少なくなかったはずです。1年で解約すると債券による利息はペナルティによりゼロになりますが、このキャンペーンによる現金は購入後数ヶ月以内に手にしています。そして、金融機関が設けた制約をかいくぐって再度このキャンペーンを利用する人も多いことでしょう。とても健全とは言えませんでした。

その不健全さの度合いが、手数料体系の変更、キャンペーンの改悪によって薄まったと言えるでしょう。

源泉徴収されません

このキャンペーンでもらえる現金は源泉徴収されません。大和証券の場合、1,000万円買うと40,000円もらえるので、利率に換算すると0.4%ですが、源泉徴収されないので約0.5%の年利に相当するともてはやされます。でも国税庁は、このプレゼントされる現金は雑所得だと明言していますので、確定申告している人は正しく申告した方が無難です。もちろん僕は雑所得に計上しています。こんなつまらないことで税務リスクを負いたくありませんからね。

次は僕の過去の確定申告の一部です。

確定申告の一部

この40,000円は大和証券で個人向け国債変動10年を1,000万円買ってもらったものです。しっかり利用しておきながらも、こんな税金の使い方はダメだなと感じています。

資金が1年間ロックされます

個人向け国債変動10年は購入後1年間は売却できません。資金が1年間ロックされることになります。僕は無リスク資産の置き場もできるだけ中途解約可能なものを選択していますが、無リスク資産の100%をそうしておく必要もないので、好きではないものの、個人向け国債変動10年や、条件の良かった頃には仕組預金も利用していました。

でも、eMAXIS Slim先進国株式から債券に資金を移動させる対象としては、この資金が1年間ロックされる仕様は大きな障壁になります。リスクを取って資産形成している時代と、リスクを減らして資産を取り崩しながら生活する時代では、1年間資金がロックされる意味合いが違うと思うのです。

最大のメリットは

個人向け国債変動10年の最大のメリットは、何があっても全額補償される点です。銀行預金の場合は元本1,000万円+利息までしか補償されません。よって、銀行の破綻リスクを考えると資金を分散させて預ける必要がありますが、個人向け国債変動10年の場合は1,000万円を超えていても必ず国が買い取ってくれます。もしそうならなかった場合のことは考えなくていいでしょう。

結論:魅力に欠けます

現金プレゼントキャンペーンを除くと個人向け国債変動10年に魅力はありません。その魅力も大きく減りました。また、資金を1年間ロックされることがネックになり、僕が将来利用したい「債券」の対象にはならないです。

また、日銀はいったいいつまでマイナス金利政策を継続するつもりなのでしょうか。続けたところで効果が出る気がしません。これは国内債券に投資する気が起きない理由のひとつです。

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