次の記事でVGKのリターンを振り返りました。
VGKに投資先が似ているETFとしてVEAがあります。次の記事でMSCIコクサイの米国株式以外とVEAを比較しました。
VGKとIVVの比較では、2010年以降は米国株式の圧勝でした。VEAもそうだったのでしょうか。そんな気がしますが何か新しい発見もあるかも知れません。
おさらい
VEA(Vanguard FTSE Developed Markets ETF)はFTSE先進国オールキャップ(除く米国)インデックスをベンチマークにしています。VEAはMSCIコクサイにはない国を含んでいます。日本と韓国です。韓国は指数によって先進国だったり新興国だったりする厄介な国です。
次はVEAとMSCIコクサイの米国以外の国別投資割合を比較したものです。(MSCIコクサイ内の米国以外の合計が100%になるように調整しています。)
日本の比率は大きいので、日本のパフォーマンスが良ければVGKよりも善戦しそうです。
IVV vs VEA
IVVはS&P500をベンチマークにしているETFです。これとVEAのリターンを比較します。円換算用為替データの都合で2010年1月からの比較になります。
なお、このデータには配当金が反映されていません。本当は配当金を再投資した「トータルリターン」のデータがあると良いのですが、VEAのそれが入手できていないため配当金なしで比較します。
2010年1月から2018年8月
見るとガッカリしてしまうグラフです。(でもVGKよりはわずかに良いです。)
比較期間を長くした場合に、S&P500が爆発的なパフォーマンスを示す理由はこちらにあります。
ここからは1年単位で区切って比較します。
2010年
IVVが優勢です。
2011年
善戦していたのに終盤差が開きました。
2012年
VEAの方がリターンが高いです。そういう年もあるのですね。(VGKもそうでした。)
2013年
IVVが強いです。こういう年に生じた差の蓄積に複利効果が効いて、8年半で大きな差になるのです。
2014年
とんでもなく大きな差が生まれています。勝負になってませんね。
2015年
VEAのリターンが高い時もありますが、年末には下がってしまいました。
2016年
IVVの強さを感じます。
2017年
2017年は米国株式絶好調というイメージがありましたが、VEAは超絶好調だったのですね。でも年末にはほぼ追いつかれていますけども。
2018年
VGKもそうでしたがVEAも最近不調なのですね。
結論:やはり2010年以降は米国株式の圧勝でした
やはりVEAはVGKと同じ傾向で、大差ありませんでした。
米国株式のみで良いと考える人にとっては、そんなパフォーマンスの悪い米国以外の先進国に投資する必要など無い、という確信を強固にしそうな結果です。でも問題はこれからも米国株式がこの好調さを維持できる保証がないことです。「米国株式がダメなら米国以外の先進国だってダメになるでしょ」はい、その可能性は高いです。
でも米国株式は米国1国で、米国以外の先進国は21カ国で構成されています。1国に集中するリスクを許容できるかどうかが鍵になります。
この結果を見ても僕はスリム先進国株式1本で行きます。(スリムS&P500にも投資したくなる自分を理性で抑え込んでいます。)この選択が報われるかどうかは未来にならないと分かりませんが、スリム先進国株式が十分なリターンを上げてくれるなら、米国株式に集中投資した人がどれだけ大儲けしても僕は後悔しません。