米国株式

NYダウ指数連動の低コストでおすすめのファンドはありますか?

最近はS&P500種指数の人気が高まっていますし、NASDAQ100指数も注目されています。楽天全米株式(楽天VTI)の人気は盤石です。そんな中、派手さに欠けますが、NYダウ指数をポートフォリオに入れたいと思っている人もいることでしょう。

NYダウ指数に連動するインデックスファンドはたくさんありますが、コスト的に選択可能なのは少ないです。現状ではiFree NYダウ一択になります。

DIAトータルリターン

NYダウ・ジョーンズ工業株価平均(NYダウ)に連動するETFにDIAがあります。経費率は0.16%です。次の方法で、河童証券がDIAを買うだけのインデックスファンドを運用した場合の、基準価額データを生成し、それをDIAトータルリターンとします。

  • DIAを端株数で買います。
  • 配当金が出たら米国での10%課税後のドルを再投資します。税引き後の配当金でDIAを端株数で買うのです。そうして保有株数を増やします。保有株数が増えるのは配当金を再投資した時だけです。
  • 円をドルに替える為替手数料もDIAの購入手数料もゼロとします。
  • 評価額は円換算して求めます。

いわば信託報酬も隠れコストもゼロ円の場合の基準価額の推移を生成するようなものです。そのため、このトータルリターンは現実にはありえない仮想的なものです。

このDIAトータルリターンと、実在するインデックスファンドのリターンを比較することで、インデックスファンドの運用コスト(信託報酬+隠れコスト)の大きさを推測することができます。少なくとも、大小比較には使えます。

NYダウ指数連動インデックスファンド

明示のないものは2018年4月10日から2020年2月20日までを比較期間としています。赤のラインがDIAトータルリターン、緑のラインが対象インデックスファンドです。青のラインはリターン差で、DIAトータルリターンー対象インデックスファンドです。

青のラインの傾きの大きさは、運用コストの大きさを示しています。

グラフは2つ一組で、1つ目はDIAトータルリターンとの比較、2つ目はDIAトータルリターンの運用コストを増量することで、対象インデックスファンドの運用コスト(トータルコスト)の大小比較を試みています。増量値が小さいものほど、低コストと言えます。

eMAXIS NYダウ

2013年8月に設定されました。eMAXIS先進国株式などは2009年10月に設定されたので、eMAXISシリーズの後発組になります。税抜き信託報酬は設定来0.60%固定です。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。隠れコストが異様に小さいですが、これは参考程度にした方がいいです。

eMAXIS NYダウのトータルコスト表

次はDIAトータルリターンとの比較です。

eMAXIS NYダウとDIAトータルリターンとの比較グラフ

次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.62%ポイント増量したものとの比較です。

eMAXIS NYダウとDIAトータルリターンの運用コストを増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。

iFree NYダウ

2016年9月に設定されました。税抜き信託報酬は設定来0.225%固定です。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

iFree NYダウのトータルコスト表

次はDIAトータルリターンとの比較です。

iFree NYダウとDIAトータルリターンとの比較グラフ

次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.20%ポイント増量したものとの比較です。

iFree NYダウとDIAトータルリターンの運用コストを増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。

たわらNYダウ

2017年3月に設定されました。税抜き信託報酬は設定来0.225%固定です。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。隠れコストが大きいです。わざわざ盛ったりしないでしょうから、実際に大きいのでしょう。

たわらNYダウ

次はDIAトータルリターンとの比較です。

たわらNYダウとDIAトータルリターンとの比較グラフ

次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.25%ポイント増量したものとの比較です。

たわらNYダウとDIAトータルリターンの運用コストを増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。

実は、たわらNYダウには暗い過去があります。昔の話は要らないって方は、ここまで飛ばして下さい。

たわらNYダウの暗い過去

たわらNYダウは、先行していたiFree NYダウと同じ、税抜き信託報酬0.225%で登場しました。ところが公開された運用報告書から計算した隠れコストは非常に高いものでした。

たわらNYダウのトータルコストの遷移表

期を重ねるごとに安くなってはいますが、まだ高いです。

次はたわらNYの設定直後を避けた、2017年4月10日から第一期決算期間の最終日までの、iFree NYダウとの比較です。

たわらNYの設定直後を避けた、2017年4月10日から第一期決算期間の最終日までの、iFree NYダウとの比較グラフ

わずか6ヶ月間で0.15%程度の差が生まれています。ベンチマークが同じなので負うリスクは同じです。そして信託報酬が同じなので、変わらないリターンが得られるかと期待しますが、実はそうとは限らないことの実例です。

One NYダウ

アセットマネジメントOneは、2019年5月29日にOne NYダウを設定しました。税抜き信託報酬は時代にそぐわない0.60%です。スリムシリーズと、つみたてんとうシリーズのように、同じマザーファンドを買うだけのインデックスファンドなのに、異なる信託報酬と受益者へのアプローチ方法をとるものは普通にありますが、信託報酬の高さに驚きました。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。たわらNYダウ同様、隠れコストが高いです。

One NYダウ

次はDIAトータルリターンとの比較です。One NYダウの設定直後を避けた2019年6月20日以降です。

One NYダウとDIAトータルリターンとの比較グラフ

次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.60%ポイント増量したものとの比較です。

One NYダウとDIAトータルリターンの運用コストを増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。

情弱がカモにされる話には興味ないって方はここまで飛ばして下さい。

カモにされる情弱

One NYダウのマザーファンドは、たわらNYダウと同じです。One NYダウを扱っているのは、みずほ信託銀行と、みずほ銀行だけです。アセットマネジメントOneとみずほ銀行の組み合わせは、ボッタクリ感満載です。みずほ銀行は、たわらNYダウも販売していますが、でもその違いに驚かされます。

たわらNYダウとOne NYダウの違い

信託報酬は高いし、購入時手数料も取られます。ひどいですね。中身はたわらNYダウと同じマザーファンドを買うだけですから、One NYダウの受益者は、たわらNYダウの受益者と同じリスクを負いながら、余計なコストを負担させられているのです。

次は設定来の、資金流出入額の累計の推移です。たわらNYダウの純資産総額は34億円しかないのに、One NYダウは132億円あります。

たわらNYダウとOne NYダウの資金流出入額の累計の推移グラフ

赤のラインがたわらNYダウ、緑のラインがOne NYダウです。みずほ銀行の販売力に驚きます。

そして、アセットマネジメントOneの売上は、One NYダウの方が一桁多いです。

アセットマネジメントOneの売上表

超ローコスト投信で儲けるには、圧倒的な純資産総額を集めるしかない現実を痛感します。そして、情弱向けビジネスは、顧客がいる限りなくならないでしょう。

NZAMベータNYダウ30

2020年3月12日に設定されたばかりです。税抜き信託報酬は0.21%と意欲的です。運用報告書の公開はずっと先なので、トータルコストは分かりません。商品名に「ベータ」とありますが、目論見書を読む限り普通のインデックスファンドです。

農林中金全共連アセットマネジメントのネット証券向け商品で、現在、SBI証券と楽天証券が扱っています。

次はNZAMベータNYダウ30の設定日直後を避けた、2020年3月25日から5月22日までの、iFree NYダウとの比較です。

NZAMベータNYダウ30の設定日直後を避けた2020年3月25日から5月22日までの、iFree NYダウとの比較グラフ

青のラインはプラス圏を推移しているので、iFree NYダウの方がリターンが高いですが、トータルコストはいい勝負ではないでしょうか。

ここから高コストで最早買う価値のない、過去の商品が続きます。そんなの興味ないって方はここまで飛ばして下さい。

SMTAMダウ・ジョーンズ・インデックスとSMTAM NYダウインデックス

どちらも三井住友トラストアセットマネジメントが運用しています。マザーファンド、信託報酬は同じです。違うの販社で、SMTAMダウ・ジョーンズ・インデックスは一般販売用、SMTAM NYダウインデックスは、あの問題を起こした、ゆうちょ銀行専用です。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。隠れコストが異様に小さいですが、これは参考程度にした方がいいです。そもそも信託報酬が高いので、これから投資する価値はありません。

SMTAMダウ・ジョーンズ・インデックスとSMTAM NYダウインデックス

この2つにリターン差はほとんどありません。そのためSMTAMダウ・ジョーンズ・インデックスに代表してもらいます。

次はDIAトータルリターンとの比較です。

SMTAMダウ・ジョーンズ・インデックスとDIAトータルリターンとの比較グラフ

次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.58%ポイント増量したものとの比較です。

SMTAMダウ・ジョーンズ・インデックスとDIAトータルリターンの運用コストを増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりました。

三井住友NYダウ・ジョーンズ・インデックス

三井住友DSアセットマネジメントが運用しています。2014年1月に設定されました。税抜き信託報酬は0.68%です。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。隠れコストは普通ですが、信託報酬が高いので、これから投資する価値はありません。

三井住友NYダウ・ジョーンズ・インデックス

正しくは、この商品は買ってはいけません。償還日が2023年11月6日なんです。

次はDIAトータルリターンとの比較です。

三井住友NYダウ・ジョーンズ・インデックスとDIAトータルリターンとの比較グラフ

次はDIAトータルリターンの運用コストを年率0.78%ポイント増量したものとの比較です。

三井住友NYダウ・ジョーンズ・インデックスとDIAトータルリターンの運用コストを増量したものとの比較グラフ

青のラインはほぼフラットになりましたが、増量分が0.78%ポイントということは、運用報告書に書かれている隠れコストは、サバ読んでる気がしますね。

結論:iFree NYダウが低コストでおすすめです

一覧表にまとめました。iFree NYダウが最も低コストで、純資産総額も十分でおすすめです。

結果をまとめた表

NZAMベータNYダウ30もコスト的には選択肢になり得ると思いますが、純資産総額が少ないうちは繰上償還のリスクがあるので、手を出さない方がいいです。投資するならiFree NYダウ一択で、NZAMベータNYダウ30は様子見するのがいいでしょう。(でもみんなが様子見すると純資産総額は永久に増えませんけどね。)

次はiFree NYダウの設定来の資金流出入額の累計の推移です。兄弟であるiFree S&P500もいっしょにプロットしました。

iFree NYダウの設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

赤のラインがiFree NYダウです。波はありますが、またペースは遅いですが、着実に増やしています。

つみたてNISAで買えるのはeMAXIS NYダウだけ

NYダウ指数に投資するインデックスファンドで、つみたてNISAで買えるのはeMAXIS NYダウだけです。NYダウ指数は、つみたてNISAの指定インデックスではないので、指定インデックス投信以外でしか適格申請できません。が、指定インデックス投信以外には厳しい制約があります。特に厳しいものをあげます。

  • 純資産額が50億円以上
  • 信託設定以降5年以上経過
  • 信託の計算期間のうち、資金流入超の回数が2/3以上であること

しっかりとした実績のないものは認められないようになっているのです。iFree NYダウは設定されてからまだ3年8ヶ月なので、あと1年4ヶ月待たないと適格申請できません。残りの2つの条件は、現状のままなら楽勝でクリアできるはずです。

スリムシリーズには設定しないの?

三菱UFJ国際投信主催のブロガーミーティングで質問しました。

スリムシリーズのラインナップはとりあえず完成したとのことですが、eMAXIS NYダウのスリム版の予定はないのでしょうか?

ラインナップが完成というのは、スリム国内リートとスリム先進国リートを追加したのを受けての説明でした。で、この質問には代田常務執行役員から直球の回答を頂きました。

S&P500で十分だと思いませんか?

そうですね。十分ですね。

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