つみたてNISAは制度設計のバランスが良く、ほとんどの人に最優先での利用を勧めることができます。僕がつみたてNISAで最も評価しているのは、認定条件が厳しいためクソ投信が排除されている点です。それでも現在ではまだゆるいと思う条件もあり、2021年以降に新規に認定を受ける投信についてはより条件を厳しくするなどの改善があってしかるべきだと思っています。
2018年から始まったつみたてNISAに、年初から積み立て、現在もつみたてNISA口座にそのままになっている人はたくさんいると思います。2019年からは最長19年にもなるガチホ期間に入っており、7ヶ月ちょっとが過ぎたところです。2018年年初からつみたてNISAで買えた商品は100を優に超えましたが、それらの現在の評価額がどうなっているかを調べました。おそらくこんなめんどくさいことをするブロガーは他にはいないでしょう。
以下、eMAXIS Slimをスリムと表記します。
対象商品
2018年年初からつみたてNISAで買えた商品を対象にしますが、僕が極端にマイナーだと判断したものは含まれていません。指定インデックス投資信託、それ以外を混在して扱います。
ETFは対象外としました。
積み立てシミュレーション
毎月初に33,333円を12ヶ月間積み立てたシミュレーションをします。商品に関わらず元本は同じです。2019年8月16日の評価額、利益率を計算します。
リターン実績ランキング
リストが長いので3分割しています。最後の列の「年率」は利益率を単純に年換算したものです。
次は1位から40位までです。
次は41位から80位までです。
次は81位以降です。
ランキングを見た感想
- リストの上位に来る商品は全く想像できませんでした。ちょっと意外でした。
- 26位以下はマイナスでした。これは2019年の株価を反映していますね。
- 70位以降は国内株式、新興国株式の比率が高いものが占めていますが、この結果は納得できます。受益者のみなさんは含み損に耐える時です。
- 最下位の3商品にはやっぱりな感があります。
商品名順
正しくは僕が管理している略称順です。右端に順位を載せています。名前から探したい方のために掲載しました。
あの有名な商品がない!って場合は設定されたのが2018年以降だと思います。
1位の日本株式・Jリートバランスファンド
1位は岡三アセットマネジメント株式会社の日経平均とJ-REITを1:1でバランスするファンドでした。次はスリム先進国株式とのリターン比較です。2018年年初から2019年8月16日までです。
緑のラインが日本株式・Jリートバランスファンドです。最近J-REITが好調なため、不調な日経平均を半分含みつつも好調さを維持できています。
6位のニッセイバランス(6資産均等型)
6位はニッセイバランス(6資産均等型)でした。次はスリム先進国株式とのリターン比較です。
バランスファンドの良さが出ています。
10位のつみたて先進国株式 H型
10位はつみたて先進国株式 H型でした。H型とは為替ヘッジありのことです。次はスリム先進国株式とのリターン比較です。
為替ヘッジが効いた結果ですね。でも僕は先進国株式インデックスに為替ヘッジは不要と考えています。
11位のたわらバランス(8資産均等型)
たわらバランス(8資産均等型)は11位でしたが、スリムバランス(8資産均等型)は17位でした。どうしてそんなに差が付いたのでしょうか。
この2つの商品は投資対象資産クラスに違いがあります。この比較期間だと2019年4月ぐらいから差が開いており、そういう結果になりました。
グラフを見ると分かる通り、この2商品に大差はありません。ある日のリターンだけを切り出して表で比較すると(大半のブログはそうしていますが)不適切な解釈をしてしまうことの良いサンプルです。
ネタばらし
積み立てシミュレーション用プログラムはあるので、基準価額データを与えれば知りたい数値はすぐに得られます。が、それを100商品以上についてひとつずつ行って結果を書き取るのだと、とてもやる気になれません。手間がかかりすぎます。
そこで少し手間と時間が必要ですが、対象の商品について一括で積み立てシミュレーションを行い、結果をcsvに吐き出すプログラムを書きました。100商品以上のシミュレーションが一瞬で終わります。csvをエクセルに取り込んでからの手作業が別途必要ですが、それは大したことではありません。次回以降は専用プログラムを使って、楽勝でランキングを算出できます。たとえば2019年末のとか、2022年末のとか。
結論
ランキングを見てどう思うかはみなさん次第です。楽しんで頂けましたら幸いです。