不老不死でないことを自覚しているインデックス投資家のみなさん、インデックス投資の出口戦略を考えていますか?死ぬまでリスクの高いポートフォリオを維持する強靭なメンタルはありますか?
資産形成期にはリスクをとって高いリターンを目指せても、資金を取り崩しながら生活するようになったらリターンは低くていいからリスクを下げたいと考えています。そのために健闘しているのが、リスク資産の多くをeMAXIS Slim先進国株式からリスクの低い債券に移す、出口戦略です。
この記事で取り上げるのはインデックスファンドですが、残念ながら落選です。
更新情報
参照しているデータを最新版に更新しました。
ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)
ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)は「ブルームバーグ・バークレイズ米国社債(1-10年)インデックス」をベンチマークにしています。投資適格社債を投資対象にしており、ジャンク債に投資するハイ・イールド系ではありません。
税抜き信託報酬は0.29%とちょっと高めです。また、僕が嫌いな解約時信託財産留保額が0.3%かかります。これでマイナス2点です。
また設定来分配していませんが、目論見書には基本的に分配すると明記されています。僕はインデックスファンドは分配しないで欲しいと思っているので、これで合計マイナス2.5点です。
ステートストリートUSボンドオープン(ヘッジあり)とのリターン比較
次はステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)とステートストリートUSボンドオープン(ヘッジあり)の比較です。ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)の設定直後を避けた2017年2月10日から2022年5月13日までです。
赤のラインが米国社債インデックス、緑のラインがUSボンドオープンです。青のラインはリターン差で、米国社債インデックスーUSボンドオープンです。見事な直線です。直近ではへたっていますが、この動きは基準価額の急落によるもので、想定の範囲内です。
この2商品のベンチマークは同じですが、USボンドオープンは高コストかつ毎月分配型なのでこのように大きなリターン差が生まれています。
iシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)とのリターン比較
次はステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)とiシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)の比較です。比較期間は同じです。
緑のラインがiシェアーズ米国債7-10年ETF(ヘッジあり)です。年4回出る配当金を無視しているため、リターン的にはステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)より不利です。
ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)はボラティリティ(変動率)が低いと思われましたが、コロナショックによる株価暴落時に大きく変動しました。急速に回復したものの、出口戦略には変動率が低い方が向いています。(これは人によって意見が分かれるところでしょう。)
売れ行きは
次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は23億円です。
2021年5月頃に多額の売却がありました。人気は微妙な水準でしょうか。
繰上償還されたステートストリート米国社債
実は、ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)にはヘッジなし版がありました。次は僕がいつもお世話になっているアウターガイさんのブログ記事です。
ところが、そのヘッジなし版は繰上償還され、その後再設定されています。
次は上記記事からの引用です。
同社が繰上償還と再設定に至った一連の経緯は不明ですが、このような対応は、投資家の利益を確実に損ねます。
後者の為替ヘッジありが存続し続けていることも踏まえると、元祖を繰上償還したのは同社の判断ミスではないかと思えてしまいます。
この推測が仮に正しいとすると、運用会社としての資質に疑問符が付くことになりますから、同社にとっても投資家にとっても、デメリットしかありません。
全くその通りだと思います。
純資産総額が72億円あれば繰上償還されないと思いますが、人気を失えば純資産総額も減ります。繰上償還リスクは軽く見ない方がいいです。
評価:低評価で落選
ステートストリート米国社債インデックス(ヘッジあり)は残念ながら落選です。
- 税抜き信託報酬が0.29%とちょっと高めです。
- 解約時信託財産留保額が0.3%かかります。
- コロナショックによる株価暴落時の値動きは、「FTSE米国債7-10年セレクト・インデックス」をベンチマークにしている、iシェアーズ米国債7-10年 ETF(ヘッジあり)の方が好みです。
また、過去にこれのヘッジなし版を繰上償還した前歴が、僕の判断に暗い影を落としています。
でも、僕がインデックス投資の出口戦略として探している債券は、必ず分配金を出す国内ETFも除外していません。それは、資産を取り崩しながら生活することが分かっているからです。(そうは言っても毎月分配型のインデックスファンドは論外です。)