スリム先進国株式のマザーファンドの売買比率が飛び抜けて大きかったことについて次の記事で触れました。
では他のマザーファンドはどうでしょうか。
おさらい
マザーファンドの売買比率一覧です。
左側が新しいです。SMTグローバル株式の決算期間は半年です。
- ニッセイ外国株式は高いです。
- たわら先進国株式はニッセイ外国株式よりは低いです。
- eMAXIS先進国株式は断トツに高いです。
- SMTグローバル株式は桁違いに低いです。
ニッセイ外国株式
運用報告書の最後のページにある、マザーファンドを買っている商品名と元本一覧を表にまとめました。コピペ可能だったのと、商品数が少ないので簡単にできました。
なお、ニッセイ外国株式の運用報告書を参照していますが、マザーファンドそのものの決算期間は半年です。
2016年は9商品、2017年は17商品でした。影響度が23.13%で断トツ1位なのはニッセイ外国株式です。2位は6.10%でそのDC版(企業向け確定拠出年金用)です。全体では1年で31.63%の変化がありました。
マザーファンドの売買比率は42%でした。
ニッセイ外国株式の元本は147億増えています。このペースで増えると売買金額が330億円になるということでしょうか。でもこの結果をスリム先進国株式のマザーファンドのものと比べると納得できないことがありますね。
たわら先進国株式
運用報告書の最後のページを見て絶句しました。
引用:運用報告書
数える気にならないほど多くの商品があります。また、コピペ不可です。OCRにかけてから手作業をする気力はないですね。
そこでサマリーだけを見ます。
期首に921億円あった元本は期末に854億円に7.2%減少しました。元本ベースで買いは197億円、売りは265億円でした。ふたつを単純に足すと463億円の変化であり、それは期末元本比で言うと31%です。にもかかわらず、マザーファンドの売買比率はたったの12%です。
分母(b)はマザーファンドの純資産総額ですね。2,927億円あります。分子(a)は355億円ですが、売りと買いを相殺できた注文があるとしても少ない気がします。
ちなみに、たわら先進国株式の元本は23億円から57億円に増えています。
SMTグローバル株式
サマリーだけ参照します。期首元本は1,379億円、期中追加設定元本額は220億円、期中一部解約元本額は223億円でした。期末元本は1,376億円ですので微減です。売りと買いを単純に足すと443億円の変化であり、それは期末元本比で言うと32%です。にもかかわらず、マザーファンドの売買比率はたったの9%です。
こちらもたわら先進国株式同様納得できないです。
なお、SMTグローバル株式の決算期間は半年ですが、マザーファンドの決算期間は1年で、上図は1年のものです。
まとめ
- ニッセイ外国株式のマザーファンドの売買比率は、支配的なニッセイ外国株式の元本の変化から見てそんなものかなと思いました。
- たわら先進国株式のマザーファンドの売買比率は、元本の変化率よりも低いです。僕は納得できていません。
- SMTグローバル株式のマザーファンドの売買比率は、元本の変化率よりも低いです。僕は納得できていません。
- やはりスリム先進国株式のマザーファンドの売買比率は異様に高いですね。元本の変化率を大きく超えていますからね。
ということで謎は謎のまま残ってしまいました。
感想
このブログを始めた頃は運用報告書を読むとめまいがしそうでしたが、だいぶ慣れました。でも多くの情報が記載されているとはいうものの、そこから読み取れないことや、もっと知りたい詳細が書かれていないなど不満に感じることが多いです。書く必要がないから書かないというのももちろんあると思いますが、それによって業界全体としてこれ以上は「開示の必要なし」としてしまっていることが多くないでしょうか。その中にはきっと、僕ら一般のインデックス投資家が知らない方がいいようなこともあるような気がします。でも、それが健全な競争のためにならないのだったら、制度として改善して欲しいものです。無理かな。