インデックス投資

【悲報】スリム国内リートが下方乖離を起こしました

スリムシリーズは運用が安定しているというイメージを持っている人が多いと思います。僕の印象では、ニッセイアセットマネジメントのなしなしシリーズよりは安定しています。でも、らしくない運用がなかったわけではありません。

スリム国内リートは、2019年10月にスリムシリーズに追加されました。eMAXIS国内リートの廉価版で、設定来、その基準価額は期待通りの推移をしていました。が、残念ながら0.08%ポイント近い下方乖離を起こしてしまいました。税込信託報酬は0.187%なので、半年分の信託報酬にも満たない額ですが、こうやって失ったリターンは基本、戻ってくることはありません。受益者は涙目になりますね。

基礎知識(前フリ)

次はマザーファンドが同じで、信託報酬だけが異なる、つみたて先進国株式とeMAXIS先進国株式のリターン比較です。2019年11月15日から、2020年4月10日までです。

つみたて先進国株式とeMAXIS先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、つみたて先進国株式ーeMAXIS先進国株式です。きれいな右肩上がりの直線でしたが、株価暴落開始後はヘタっています。その理由について知りたい方は、次の記事をご覧ください。

つみたて先進国株式の運用コストを年率0.45%ポイント増量すると、青のラインはほぼフラットになります。

つみたて先進国株式の運用コストを年率0.45%ポイント増量したグラフ

そして、大事なことがあと2つあります。つみたて先進国株式の純資産総額は102億円あり、受益者の質が高いので株価が暴落しても狼狽売りは見られません。

次はつみたて先進国株式の、設定来の資金流出入額の累計の推移です。見事なほど美しい、反り返ったラインは、受益者の平均的な「像」を示しています。

つみたて先進国株式の、設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

スリム国内リートとeMAXIS国内リートのリターン比較

次はスリム国内リートとeMAXIS国内リートのリターン比較です。スリム国内リートの設定日直後を避けた、2019年11月15日から、2020年4月10日までです。

スリム国内リートとeMAXIS国内リートのリターン比較グラフ

青のラインは赤の矢印のところで大きく下がっています。それを除けば、右肩上がりの直線です。右肩上がりなのは、スリム国内リートの信託報酬がeMAXIS国内リートより安いからです。でも赤の矢印のところで大きく下がってしまいました。下がったのは3月2日と3日の2日間です。

次はスリム国内リートの、設定来の資金流出入額の累計の推移です。

2月中旬から8億円ほど買われた後、同程度売られています。次は2020年年初からの、営業日ごとの資金流出入額の推移です。

2020年年初からの、営業日ごとの資金流出入額の推移グラフ

ドカンと下がっている(売られている)のは3月2日です。3日も売られています。4日は買われています。スリム国内リートの2月28日の純資産総額は13.7億円でした。その翌営業日に5億円近く売られたのが、下方乖離の原因だと推測されます。

売却コスト負担?

有価証券の売買では売買委託手数料が発生します。スリム国内リートには解約時信託財産留保額がないので、売却時に発生するコストは、受益者全員で負担します。2日間でベビーファンドの純資産総額の50%を超える金額が売られたことによるコスト負担が、リターンを大きく押し下げたのではないでしょうか。

解約時信託財産留保額があれば、こういう極端なリターンの劣化は防げたかも知れません。が、時代の流れとしては、解約時信託財産留保額は設定されない方向です。近年設定された超ローコスト投信で、解約時信託財産留保額が設定されたものを僕は知りません。

国内リート特有の不運かも

国内リートインデックスの受益者には、失礼ながら質が低い人がいることが分かっています。

スリム国内リートのあのような売られ方が異様ですし、設定後半年しか経っておらず純資産総額が少なかったことが不運だったと思います。でもこれも、受益者が追っているリスクのひとつです。

この下方乖離は運用ミスではなく、避けられないものだったと推測していますが、それでも受益者から見れば、リターンを永久に失ってしまったことは確かです。

三菱UFJ国際投信の回答

2020年5月1日にオンラインのみでブロガーミーティングが開催されました。僕は当日参加できなくなってしまったのですが、事前に行った質問に対して回答してもらえたようです。

次は青井ノボルさんのブログからの引用です。

Slim国内リートが3月上旬に下方乖離が発生した要因は

3月上旬に非常に大きな解約があった。(全体の4割程度の規模だった模様)

大量の解約があると、付随する売買コストが生じることで下方乖離の一因となっている。

騰落が激しいマーケットで、資金の出入りがあると、乖離する一因となる。

乖離をどう最小化するか、引き続き考えたい。

予想通りでしたね。

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