りそなアセットマネジメントがSmart-iシリーズのインデックスファンド3本の信託報酬を2月26日から引き下げると発表しました。
- Smart-i TOPIX:税抜き0.170%から0.155%に0.015%ポイント引き下げ
- Smart-i 先進国債券(為替ヘッジなし):税抜き0.190%から0.170%に0.020%ポイント引き下げ
- Smart-i 先進国債券(為替ヘッジあり):税抜き0.190%から0.170%に0.020%ポイント引き下げ
Smart-i TOPIXはスリムTOPIXの税抜き信託報酬0.159%を下回るので、三菱UFJ国際投信は同率に引き下げると思われます。
Smart-i 先進国債券は信託報酬引き下げでスリム先進国債券と同率になります。
あまり投信ブログの話題に上がらない印象のSmart-iシリーズですが、せっかくの機会なので販売状況を調べてみました。
Smart-iシリーズ
全部で12本のインデックスファンドがラインナップされていますが、次は国内リートと先進国リートを除いた10本の、設定来の総口数の推移です。
青のラインは日経225です。総口数なのにやたら暴れている理由は不明です。
赤のラインは先進国株式です。伸び方のカーブはとてもいいですが、純資産総額は5.4億円しかありません。
次に売れているのは紫のラインの新興国株式ですが、純資産総額は2.3億円しかありません。
総じて苦戦していますが、信託報酬を引き下げる姿勢は大いに評価します。
ローコストTOPIXインデックスファンド
次は主なローコストTOPIXインデックスファンドの総口数の推移です。
緑のラインはニッセイTOPIXです。その下のオレンジっぽいラインは三井住友DCつみたてNISA日本株インデックスです。設定されたのは2011年です。
青のラインはスリムTOPIX、その下のピンクのラインは、つみたてんとうシリーズのつみたて日本株式(TOPIX)です。
もっと売れていないグループ
グラフの下を這っているものだけをプロットしました。
売れてませんが、売れている順に、たわらTOPIX、iFree TOPIX、Smart-i TOPIX、i-SMT TOPIXです。
Smart-i TOPIXの純資産総額は1.8億円しかありません。
この程度の引き下げではインパクト不足か
Smart-i TOPIXは税抜き0.170%から0.155%に0.015%ポイント引き下げられます。ニッセイTOPIX、スリムTOPIX、iFree TOPIXの信託報酬は税抜き0.159%で並んでいます。現在の売れ行きを考えると、その程度の引き下げ幅ではインパクトに欠けると思います。
どうせ売れていないのですから、もっと大胆に、それこそ投信ブロガーがこぞって記事にして盛り上げてくれるぐらいの大幅な引き下げをしたところで、りそなアセットマネジメントが失う売上は少ないはずです。宣伝広告費だと思えば安いでしょう。ただし、継続して運用できるだけの見込みがないと実行に移せないのも分かります。
それでも競争は歓迎です
たわら先進国株式のように早々とローコスト化競争から脱落(または撤退)した、かつてのローコストリーダーもいます。Fund of the Year 2018でたわら先進国株式は20位以内に入れませんでした。アセットマネジメントOneはいずれ、ローコスト化をやめたツケを払う時がくるはずです。
りそなアセットマネジメントは、インパクト不足とは言うものの、果敢に信託報酬引き下げを発表しました。ライバルは多く、競争は厳しいですが、戦うのをやめれば負けるだけです。やる気のある証券会社には是非頑張って欲しいです。