次の記事へのコメントで、読者の方から質問を頂きました。
要約するとこうなります。
勝間和代さんが、この動画でJリートを推しまくっていました。現在はスリム先進国株式のみ積み立て中ですが、Jリートを少し買ってみようかな、という誘惑にかられています。
そこでおすすめのJリートインデックスファンドを教えてください。
勝間和代さんはインデックス投資を10年継続されているそうですが、その動画はツッコミどころ満載で、本当に10年もインデックス投資してきたのですか?と思うレベルです。でもそれは別世界に住む人のこととして、この記事では国内リートインデックスファンドを買うとしたら何か良いかを考えます。
以下、eMAXIS Slimをスリムと表記します。
国内リートは有利なのか
2018年以降の国内リートインデックスは好調です。次の記事で評価額ランキング1位になったのは日経平均と国内リートを1:1でバランスするファンドでした
ここで国内リートに100%投資する商品が1位でないことを不思議に思う方もいるかも知れませんが、現在つみたてNISA認定商品に、国内リートに100%投資するものは存在しません。まず、指定インデックス投資信託は、東証REIT指数だけをベンチマークにしたものを認めていません。他の何かと混ぜれば認められます。次に、指定インデックス以外の投資信託なら東証REIT指数だけでもOKですが、他に厳しい条件があります。その条件を満たすものも存在していると思いますが、現実には認定商品にはありません。よって、現在はつみたてNISAで国内リートインデックスファンドを買うのは不可能です。
さて、次は2018年年初からのスリム先進国株式とeMAXIS国内リートのリターン比較です。
緑のラインがeMAXIS国内リートです。圧勝です。次は2010年年初からのeMAXIS先進国株式とeMAXIS国内リートのリターン比較です。(値動きは穏やかではありませんよ。)
国内リートはMSCIコクサイに負けていません。凄いですね。でも、この比較期間だと米国株式インデックスとはいい勝負です。次は楽天全米株式の偽物とのリターン比較です。
過去9年ぐらいの国内リートはパフォーマンスは素晴らしかったことは間違いありません。でも未来もそうとは限りません。国内リートのこれからを占うのは難しいテーマだと思います。
今後も先進国株式に劣らない成長をすると思えるなら投資してもいいと思いますが、僕はその気にはなれないです。
- 国内リートに投資しないまま10年経過し、国内リートに投資した人が大きな利益を上げたとしても1ミリも後悔しません。
- 国内リートに投資しして10年経過し、スリム先進国株式の方が利益が大きかったと分かったら激しく後悔します。
もし、国内リートインデックスファンドを買うとしたら、どれがいいでしょうか。
国内リートインデックスファンド
主な国内リートインデックスファンドを設定日の古い順に並べました。
残念ながらスリムシリーズにはありません。運用報告書から計算したトータルコストが安いのは、たわら国内リートとニッセイJリートですが、ごまかしの効かない基準価額データが示す最もパフォーマンスが良い商品はそれではありません。
なお、この表にある国内リートインデックスファンドはどれも分配金を出していないと思います。勝間和代さんが動画で言ってる「配当が高い」と「配当を再投資」の部分が僕にはどうにも理解できませんでした。
リターンが最も高いのは
運用報告書にある数値から計算したトータルコストはあてにならないことが分かっています。残念ながら、最も信用できるのは基準価額データです。それには全てのコストと運用の良さ悪さが盛り込まれています。
次の記事ではFunds-i J-REITが一番リターンが高かったです。
この記事ではFunds-i J-REITと一本ずつ、可能な限り長い比較期間で(ただし設定日直後は避けて)、リターン差を見ることにします。以下、青のラインがリターン差で、Funds-i J-REITー比較対象です。青のラインがプラス圏を推移している場合、Funds-i J-REITの方がリターンが高いことを示しています。なお、それぞれ比較期間が異なるため、ここではリターン差の大小は見ません。見るのは傾向です。
Funds-i J-REIT vs ニッセイJリート
Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。
Funds-i J-REIT vs 三井住友DC日本リート
Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。
Funds-i J-REIT vs Smart-i Jリート
Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。
Funds-i J-REIT vs たわら国内リート
Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。
Funds-i J-REIT vs eMAXIS国内リート
Funds-i J-REITの方リターンが高いです。
Funds-i J-REIT vs iFree J-REIT
Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。
Funds-i J-REIT vs iシェアーズ国内リート
Funds-i J-REITの方がリターンが高いです。
リターン比較結果からは
運用報告書から計算したトータルコストと一致しませんが、最もリターンが高いのはFunds-i J-REITです。僕はいろんなインデックスファンドのリターン比較をしていますが、こんなに運用報告書と合わないのは他に知りません。
ごまかしの効かない基準価額データを信じるなら、信託報酬は税込み0.432%とちょっと高めですが、1番のおすすめはFunds-i J-REITになります。
売れ行きは
Funds-i J-REITの純資産総額は68.9億円です。次は設定来の総口数の推移です。純資産総額の多いeMAXIS国内リート、ニッセイJリート、たわら国内リートも一緒にプロットしています。
たわら国内リートは順調に増えています。営業戦略がうまく行っているからかも知れません。他は微妙ですね。赤のラインがFunds-i J-REITですが、明らかな減少傾向です。
過去9年間の国内リートインデックスのパフォーマンスはMSCIコクサイより高いわけですが、売れ行きはそれと一致しません。
結論
この記事の結論としては、Funds-i J-REITをベストバイとします。でも絶対に投資する気のない人が出した結論である点には注意が必要です。