僕と妻は楽天証券の特定口座に保有していたスリム先進国株式を全額、SBI証券に移管しました。手間と手数料のかかる手続きをした理由とその内容についてお話します。
ハッピープログラムの終了
楽天証券はハッピープログラムと呼ばれる、いわゆる投信マイレージサービスを実施していました。投資信託を保有するだけで、保有資産額に応じたポイントが付与されるというものです。ところが2022年4月より、投資信託の保有資産額に応じたポイント付与から、保有資産額がある金額を初めて超えたときにポイントが付与される制度に変更されます。これは事実上ハッピープログラムの終了を意味します。
僕と妻が楽天証券の特定口座に保有しているスリム先進国株式の資産額から計算すると、年間13,536ポイント付与されていることになります。(2022年2月末での試算)
これがなくなるわけです。NISA口座でもスリム先進国株式を保有しており、そちらで付与されているポイントもなくなりますが、NISA口座にある資産は移管できないので、この記事で触れている手続きの対象外です。
SBI証券に移管すると
楽天証券の特定口座にあるスリム先進国株式を丸ごとSBI証券に移管した場合、年間13,750ポイント付与されます。
資産額に比例しますし、この競争力のあるサービスもいつまで続くかは分かりません。長続きしないと思っていた方がいいわけですが、年間1.3万円分のポイントが資産額に応じて増えるのですから、もらえるうちにもらうのは悪くない話です。
移管にかかる手数料をキャッシュバック
楽天証券からSBI証券に投資信託を移管する場合、1銘柄につき出庫手数料が税込み3,300円かかります。入庫手数料はかかりません。
SBI証券は、この出庫手数料を嫌って移管を戸惑う人をターゲットに、出庫手数料をキャッシュバックするキャンペーンを行っていました。そして驚いたことに、楽天証券がハッピープログラムの終了を案内した直後に、そのキャンペーンの恒久化を発表しました。
引用:SBI証券
この「投信お引越しプログラム」の恒久化により、手間はかかるものの無料でSBI証券に移管できます。
SBI証券に移管するデメリット
デメリットもあります。
- 僕と妻にとっては、楽天証券のUIの方が使いやすい。
- 移管中に口座がロックされて取引できない期間が存在する。(楽天証券の問題)
前者は好みの問題です。後者は、実際に移管するなら注意が必要です。
実際に移管をした記録
楽天証券がハッピープログラムの終了を案内した数日後に、行動を開始しました。当時は楽天証券に電話して必要な書類を送付してもらう形式でしたが、僕が電話した時には「ちょっと待って下さい」と言われました。その後Webから書式をダウンロードして印刷、送付する形式に変更されました。
引用:楽天証券
2022年1月6日:楽天証券に書類を送付
移管手続き中には口座がロックされ、ロック期間中は積立設定も実行されません。毎月初に積立投資をしているので、それが実行されてから書類を送付するつもりでした。で、1月6日に楽天証券に書類を送付しました。
マネーブリッジの設定を変更
移管手数料3,300円が証券口座から引き落とせないと、移管手続きがキャンセルされてやり直しになってしまいます。マネーブリッジで自動スイープさせている場合は設定を変更して移管手数料を残しておく必要があります。
楽天証券のアカウントの右上から「マネーブリッジ」を選択します。
自動スイープの設定を変更して、楽天証券に1万円残すようにします。
そして楽天銀行から3,300円(以上)を楽天証券に入金します。こうして楽天証券口座に移管手数料が残るようにしますが、楽天証券口座からの積立設定が実行されると、この残しておいた現金が消費されてしまうので注意が必要です。
2022年2月7日:口座がロックされました
移管手続きは3週間程度で終了すると思っていました。1月6日に書類を送付したのだから、2月月初の積立投資前に終了しているはずだと考えました。ところが移管希望者が多かったようで手続きに時間がかかり、口座がロックされたのは2月7日でした。楽天証券のお知らせで分かりました。
口座がロックされると注文も積立設定の変更もできません。試しにやってみると、できそうな感じで進みますが、最後の最後でダメと言われました。
また、口座がロックされた日には移管手数料3,300円が引き落とされていました。これを見て、マネーブリッジの設定を再度変更しました。
2022年2月17日:SBI証券に移管されたのを確認
楽天証券の特定口座にあったスリム先進国株式の残高がゼロになっていました。SBI証券の口座を見ると、スリム先進国株式がありました。無事に移管されていました。
なお、移管を依頼する書類に書き込んだ資産額から変化があっても(元本が増えていても)、問題なく全額移管される仕様のようです。(まあそうですよね。)
移管されたので楽天証券の口座のロックが解除されたかと思いきや、まだロックされたままでした。楽天証券に問い合わせたところ、移管処理の実行開始から数日間はロックされる仕様のため、数日待って下さいとのことでした。で、この時ついでに移管手数料の領収書の送付を依頼しました。妻はその後、別の電話で依頼しました。
2022年2月21日:口座のロックが解除されました
口座のロックが解除されていることを確認しました。1月6日に書類を送付してから手続き完了まで46日もかかりました。
2022年3月4日:領収書が届きました
楽天証券から移管手数料の領収書が届きました。こちらから書式をダウンロード、印刷して領収書とともにSBI証券に送付しました。
引用:SBI証券
「投資信託入庫申込書」とありますが、キャッシュバックの申請書のことです。
キャッシュバックを待ちます
SBI証券に投資信託を入庫してから、キャッシュバックされるまでにしばらく待たされます。
引用:SBI証券
我が家の場合は4月末頃の予定です。キャッシュバックされたらスリム先進国株式をスポット購入します。
2022年4月28日:キャッシュバックされました
毎月初に公開している運用成績をまとめるために、SBI証券にログインしたところキャッシュバックされていることに気付きました。予定通りスリム先進国株式を注文しました。
楽天証券とSBI証券の使い分け
- NISA口座は楽天証券を使い続けます。現在投資4年目ですが、5年目も楽天証券のままです。その後新NISAにロールオーバーさせます。
- SBI証券で付与されるマイレージポイント(Pontaポイントを選択しています)は、スリム先進国株式の再投資に使います。
- SBI証券では積立投資はしません。(深い意味はないです。)
SBI証券はいつまで頑張れるのか
超ローコスト投信に限ると、投信マイレージサービスはSBI証券の圧勝です。SBI証券はこの競争力のあるサービスをいつまで継続できるでしょうか。せっかく手間をかけて移管した人から見たら、できるだけ長く頑張って欲しいものです。
保有資産額で判断しましょう
移管手数料のキャッシュバックがあるとは言え、移管には手間と時間がかかります。(人によるとは思いますが)楽天証券の方がUIが優れているということもあります。そして何より、SBI証券が現在の(条件の良い)投信マイレージサービスをいつまで継続できるかは誰にも分かりません。保有資産額が少ない場合は、移管するメリットを感じない気がします。
我が家は年間1.3万円分のポイントがもらえるかどうかは大きな違いだと思ったので、わざわざ移管しました。他人の目など気にせず、自分自身で判断するのがいいでしょう。