日記

ワールドアセットバランスの運用コストと評価

アセットマネジメントOneが運用しているワールドアセットバランスは、債券比率が高いバランスファンドですが、明らかに富裕層向けの、ボッタクリ感の強い商品です。それが言い過ぎがどうかの判断は、みなさんにお任せします。

ワールドアセットバランス

2017年1月18日に税抜き信託報酬1.13%で設定されました。バリバリのアクティブファンド並の高さです。基本コースとリスク抑制コースの2タイプがあります。「コース」というのはミスリーディングな呼称で、知識のない人を誤解させるために採用したのではないかと思ってしまいます。

ワールドアセットバランスはみずほ銀行、みずほ信託銀行専売商品です。購入時手数料を見るとターゲットとなっている顧客層が理解できます。

購入時手数料の説明

引用:みずほ銀行

また、残念ながら信託期間が10年しかなく、2027年6月に償還されます。もうどんな商品か察しが付きますね。

ワールドアセットバランス(基本コース)

投資先は5資産+現金で、国内株式、国内債券、国内リートはありません。日本を避けた組成です。リスク資産はすべて為替ヘッジされます。

基本コースは現金部分(2%程度)とリスク資産の比率は変更しません。

基本コースの説明

引用:目論見書

5資産への投資割合は、年1回見直されます。ファンドマネージャーの意思で変更される、アクティブ運用です。現在の投資割合はこうなっています。

ワールドアセットバランス(基本コース)の投資対象と配分

引用:月次レポート

このファンドは先進国債券の比率が高いことから、相対的に変動率を抑えめにする意図があると思われます。よって、比較するなら債券比率が高いバランスファンドが良いでしょう。でも、受益者がそういうことをどれだけ理解しているかについては大いに疑問です。

ワールドアセットバランス(リスク抑制コース)

リスク抑制コースの投資対象は基本コースと同じです。違いは、現金部分とリスク資産の比率を大きく変更する点です。

リスク抑制コースの説明

引用:目論見書

リスク資産の比率は10%から100%程度の間で変更するとあります。現在の投資割合はこうなっています。

引用:月次レポート

次は直近1年間の投資割合の変化が分かるグラフです。

直近1年間の投資割合の変化が分かるグラフ

引用:月次レポート

コロナショックによる株価暴落時に現金を大幅に増やし、リスク資産を20%以下に減らしています。後知恵ですが、この判断は間違いでした。

運用コスト

次は運用報告書から計算した運用コスト(トータルコスト)です。

運用報告書から計算したトータルコスト表

基本コースの隠れコストが高いです。リスク抑制コースの隠れコストは標準的ですが、それは単にリスク資産の比率が基本コースより低いからですね。

次は隠れコストの明細です。

隠れコストの明細表

まんべんなく高いです。

信託報酬が支配的ですが、税込みトータルコストは1.3%以上もします。2017年1月に、この組成で設定された(アクティブ)バランスファンドとしては、ボッタクリ感が強いですね。そんな高コストを負担する価値なんかないでしょう。

リターン比較

債券比率が高いことを踏まえて、リターン比較に相応しい商品を選択しました。

基本コースとリスク抑制コースのリターン比較

次はワールドアセットバランスの設定日直後を避けた、2017年2月1日から2020年11月27日までの、基本コースとリスク抑制コースの比較です。

基本コースとリスク抑制コースのリターン比較、2017年2月1日から2020年11月27日まで

赤のラインが基本コース、緑のラインがリスク抑制コースです。青のラインはリターン差で、基本コースーリスク抑制コースです。

2018年2月頃まではほとんど差がありません。リスク抑制コースのリスク資産比率が基本コースと同じだったと思われます。その頃から株価調整が始まり、一度差が開きます。そしてコロナショックによる株価暴落で大きな差ができます。リスク抑制コースがリスク資産比率を減らしたためです。

問題は株価暴落からの回復です。次は2020年年初からの比較です。

基本コースとリスク抑制コースのリターン比較、2020年年初から

緑のラインのリスク抑制コースは、暴落時の下落率が小さいですが、その後の上昇率が極端に低いです。株価暴落時に現金比率を高めましたが、その後の買い戻しが遅かったようです。信託報酬が高くても、いつも適切な判断ができるわけではないという例ですね。

リスクコントロール世界資産分散ファンドとのリターン比較

次はリスク抑制コースと、よく似たコンセプトのリスクコントロール世界資産分散ファンドの比較です。リスクコントロール世界資産分散ファンドの設定日直後を避けた、2018年6月11日からの比較です。

リスク抑制コースとリスクコントロール世界資産分散ファンドとのリターン比較

緑のラインがリスク抑制コースです。株価暴落前はリスクコントロール世界資産分散ファンドの方が高パフォーマンスでしたが、どちらも株価暴落後に回復できていません。

次は2020年年初からの比較です。

リスク抑制コースとリスクコントロール世界資産分散ファンドとのリターン比較、2020年年初から

事情は違うでしょうが、どちらもファンドマネージャーは読みを外してしまったと思われます。

楽天バランス(債券重視型)とのリターン比較

次は債券比率が70%もある、楽天バランス(債券重視型)と、基本コースの比較です。楽天バランス(債券重視型)の設定日直後を避けて2018年8月1日からの比較です。

楽天バランス(債券重視型)と、基本コースのリターン比較グラフ

赤のラインが楽天バランス(債券重視型)です。これなら楽天バランス(債券重視型)で十分じゃないですか。

次はリスク抑制コースとの比較です。

楽天バランス(債券重視型)と、リスク抑制コースのリターン比較グラフ

良質なインデックスファンドの良さを実感できますね。

ダイワ・ライフ・バランス30とのリターン比較

次は債券比率が70%もある、4資産バランスファンドのダイワ・ライフ・バランス30と基本コースの比較です。2017年2月1日からです。

ダイワ・ライフ・バランス30と基本コースのリターン比較グラフ

赤のラインがダイワ・ライフ・バランス30です。互角です。

次はリスク抑制コースとの比較です。

ダイワ・ライフ・バランス30とリスク抑制コースのリターン比較グラフ

これならダイワ・ライフ・バランス30で十分じゃないですか。税込みトータルコストは0.215%です。

コース間でのスイッチング

基本コースとリスク抑制コースは個別のファンドですが、この商品の顧客はそんなことには興味ないでしょう。でも気を付けないと、スイッチングしませんかと言われるかも知れません。

基本コース、リスク抑制コースの2コースから選択でき、その後のスイッチングが無手数料で行えます。ただしスイッチングの際には、換金時と同様に税金(課税対象者の場合)がかかります。

引用:みずほ銀行

スイッチングと言っても、特定口座で普通に売却してもう片方を普通に買うだけです。購入時手数料が徴収されないだけで、利益には譲渡税が課税されます。それをしてもみずほ銀行の売上にはなりませんが、スイッチングの誘いに乗る顧客なら、もっと高コストな商品への乗り換えの誘いにも乗るかも知れません。

売れ行きは

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は基本コースが105億円、リスク抑制コースが365億円です。

設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

赤のラインが基本コース、緑のラインがリスク抑制コースです。どちらも2018年5月をピークに資金流出傾向です。それでも、あれだけボッタクリ感の強い商品が、これだけ売れていたことに驚いてしまいます。

ワールドアセットバランスの後継商品と思われる、リスクコントロール世界資産分散ファンドもプロットしました。

リスクコントロール世界資産分散ファンドもプロットしたグラフ

青のラインがリスクコントロール世界資産分散ファンドです。純資産総額は1,152億円もあります。

これらの商品を購入しているのは富裕層だと思うのですが、みずほ銀行の営業力の高さは凄いですね。

評価:おすすめしません

良質なインデックスファンドの中から、債券比率が高いものを選択した方がいいです。そもそも、このブログの読者層向けの商品ではないですよね。

資産はあっても投資信託に関する知識がないと、コスト意識が足りないと、こういうボッタクリ感の強い商品を買わされてしまうのでしょうか。これも資本主義社会ですね。

ワールドアセットバランス、窓口では20万円以上でしか買えません。いろんなところの桁が違います。資産額相応なのでしょう。

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