NHKの受信料を巡る様々な問題は、2011年7月24日にアナログ地上波放送が停波した時から誰もが納得できる解決可能な手段があるにも関わらず、NHKはそれを選択していません。受信料を支払った世帯だけがスクランブルを解除して視聴できるようにすることです。
先日、ワンセグ携帯を所有するだけでNHKの受信料の支払い義務が生じるとの最高裁判決が出ました。おそらくNHKに関係している人の99%以上はこれを歓迎し、そうでない人の99%以上は歓迎していないと思います。でも僕は違う見方をしています。
他に類を見ない特異な契約形態
当然のことながら有料放送は視聴料を支払わなければ見ることができません。NHKの地上波TV放送、衛星TV放送は有料放送ではありませんが、視聴できる機器を所有するだけで視聴の有無に関わらず、受信料の支払い義務が生じます。
日本において他に類を見ない特異な契約形態が法律で守られているのですが、その法律の解釈を巡って(今回は「設置」の意味の解釈)最高裁まで争ったわけです。その結果、ワンセグ携帯を所有しているだけで(すでに地上波の受信料を払っている人は除きますが)地上波TV放送の受信料の支払い義務が生じるとの確定判決が出たのです。
僕はこれを歓迎しています。また、最近議論が活発になっている、電波による放送とネットによる配信を同時に行う動きも歓迎しています。なぜなら、どちらもNHKの放送のあり方を社会全体が問う材料になるからです。現在の状況を打破するには国民的議論が不可欠で、政治家が次の選挙で自分が当選するために有権者に受けの良い政策として取り組むようにするしかありません。
言ってみれば今のNHKは好き勝手なことをしています。でも、何事も臨界点を超えると違う動きになります。山が動くみたいな。
支払わなければ視聴できなくすれば良い
アナログ放送では無理でしたが、デジタル放送はスクランブルをかけて、受信料を支払っている世帯だけが視聴できるように制限をかけられます。NHKが放送をスクランブル化しない真の理由についてはいろんな見解がありますが、僕は現在の「NHKファミリー体制」を維持したいからだと思っています。それにはほぼブラックな、受信契約を戸別訪問で行う企業が含まれます。スクランブル化すればその企業とそこで働く人達はお払い箱です。
きっとNHKの暴走は今後も止まらないでしょう。ほとんどの裁判でNHKは勝訴し続け、いずれ臨界点を超えると見ています。時間はかかるでしょうが、最後はスクランブル化して決着です。
それはNHKが望んでいない結末ですが、そうなる道を選択したのはNHK自身です。
よろしければ次の記事もご覧ください。