先進国株式

スリム先進国株式に投資して米国株式以外が低迷しても平気ですか?

我が家はスリム先進国株式に集中投資しています。でも直近10年間のパフォーマンスだけ見れば、S&P500インデックスファンドにかないません。全く歯が立ちません。

次はeMAXIS先進国株式と、S&P500インデックスファンドのリターン比較です。VOOトータルリターンの運用コストを年率0.2%ポイント増量することで、現実の商品に近付けています。

eMAXIS先進国株式と、S&P500インデックスファンドのリターン比較グラフ

この結果を見て、米国集中投資のリスクを負えるなら、米国株式インデックスファンドを選択するのも良いでしょう。過去10年程度を振り返ると、長期投資を前提にした場合、米国が米国以外の先進国にアンダーパフォームすることは考えにくいからです。

もちろん、未来は過去と同じではありません。が、これからの10年、20年を想像した時、むしろ米国以外の先進国が低迷する可能性の方が高い気がするのは、僕だけではないでしょう。

スリム先進国株式に集中投資しているので、米国にも米国以外の先進国にも頑張って欲しいのが本音です。でも、たとえ米国以外の先進国が低迷したとしても、僕は受け入れます。その理由は精神論と、算数に分かれます。

  • 自分にとって先進国(MSCIコクサイ)への集中投資が最も心地良い。(精神論)
  • 米国以外の先進国が低迷した場合、MSCIコクサイがどうなるか知っている。(算数)

米国以外の先進国が低迷したらどうなるか知ってるですと?どういうことでしょうか。

更新情報

参照しているデータを更新しています。

MSCIコクサイは時価総額加重平均型

MSCIコクサイは22カ国に投資しますが、投資割合は時価総額加重平均で求めます。よって時価総額によって変化します。

次は2017年10月から2022年3月までの、eMAXIS先進国株式の米国比率です。

2017年10月から2022年3月までの、eMAXIS先進国株式の米国比率のグラフ

64%から72%の範囲でした。最新のMSCIコクサイの比率は72.2%です。株価暴落後、米国株式は金融緩和バブルで加熱気味かも知れません。

このように、投資割合は時価総額を元にして決めますから、今後米国以外の先進国が米国よりも(現状よりさらに)アンダーパフォームする、あるいは低迷するなら、MSCIコクサイの米国比率はさらに上昇します。

成長する国への投資割合が増えることの意味

米国株式の期待リターンを年率6%、米国以外の先進国株式の期待リターンを年率5%とし、数学的に生成した基準価額データを使ってシミュレーションします。次は20年間の比較です。

期待リターンを年率6%と期待リターンを年率5%のグラフ

グラフの左端における、米国と米国以外の投資割合が70:30だった場合の合成結果を追加します。

米国と米国以外の投資割合が70:30だった場合の合成結果を追加したグラフ

赤のラインをS&P500インデックスとすると、青のラインは先進国株式インデックスで、米国以外の先進国の期待リターンが米国より低いので、パフォーマンスが劣化しているわけです。

この場合、時価総額の増え方も、米国と米国以外で異なります。その結果、最初70%だった米国の投資割合は、20年後には74.07%に上昇しました。

言うなれば、成績の悪い国への投資割合が減り、成績の良い国への投資割合が増えるのです。(そのため良く「順張り」と表現されます。)

固定配分比率の場合

もし、米国と米国以外の比率が70:30の固定配分比率だったらどうなるでしょうか。次は時価総額加重平均型と固定比率型のリターン比較です。固定比率型は毎月リバランスしています。

時価総額加重平均型と固定比率型のリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、時価総額加重平均型ー固定比率型です。この場合、単純な算数により、時価総額加重平均型の方がリターンが高くなります。

米国以外の先進国が3年間低迷した場合

上記シミュレーションの時間軸は2020年からの20年間です。現実のとはちょっと違います。米国以外の先進国が2022年から3年間成長率ゼロだったらどうなるでしょうか。成長率ゼロ(リターン0%)の3年間を過ぎたら、リターン年率5%に戻ります。

米国以外が3年間低迷した場合のシミュレーション結果のグラフ

黄色に塗った期間、米国以外のリターンは0%です。そのため青のラインが急上昇しています。3年が過ぎると、元の差の開き方に戻りました。

米国以外の先進国が低迷したので、最初70%だった米国の投資割合は、20年後には76.88%に上昇しました。

成長すると思うから投資するのです

もし米国以外の先進国の将来に悲観的だったら、僕の投資可能期間に成長しそうにないと思うなら、MSCIコクサイには投資しません。僕が全世界株式に投資しないのは、国内株式と新興国株式について、僕の投資可能期間には投資しても報われないと思っているからです。僕の好みが強く出た判断ですが、僕は先進国株式インデックス(MSCIコクサイ)を選択しました。

これからも長期間にわたって米国が強く、米国以外は相対的に弱いかも知れません。それでも、僕は米国以外の先進国の成長にも期待しています。

結論:大丈夫です

記事タイトルへの回答はこうです。平気ではないものの、受け入れます。強気に言えば「大丈夫です」となります。

なお、我が家はスリム先進国株式を選択しましたが、投資可能期間をもっと長く取ることができ、世界経済の未来は誰にも予測できないことを重視するなら、オルカンへの投資が無難だと思います。

おすすめの関連記事

-先進国株式

© 2023 河童のインデックス投資 Powered by STINGER