先進国株式

野村スリーゼロ先進国株式投信より楽天証券で買うスリム先進国株式の方が有利です

野村スリーゼロ先進国株式投信が話題を振りまいています。マーケティングの観点では、よく考えられていますが、本当に受益者のためになる商品かと考えると、意見が分かれるはずです。

期間限定ながら、2030年末までは信託報酬がゼロ、その後も現在のニッセイ外国株式やスリム先進国株式の信託報酬程度を予定しているというのですから、それだけ聞くと強烈なインパクトがあります。が、最大の問題は野村證券専売だということです。どんなに祈ったところで、楽天証券で買えるようにはならないでしょう。

楽天証券は、いつまで継続できるか分からないものの、大盤振る舞いのサービスを提供中です。

  • 楽天カード決済で月額5万円までの積立投資に対し、1%の楽天スーパーポイントが付与されます。
  • どんなに超ローコストの投資信託であっても、保有資産10万円ごとに年率0.036%の楽天スーパーポイントが付与されます。

この出血大サービスが継続されるなら、野村スリーゼロ先進国株式投信より楽天証券で買うスリム先進国株式の方が有利です。そう断言しても怒られないシミュレーション結果が得られました。

更新情報

楽天証券のハッピープログラムが改定され、スリム先進国株式のポイント付与率が下がったことに対応したのですが、計算の対象期間を間違えていたので修正しました。修正箇所は表の文字を赤字にしています。

シミュレーション方法

期待リターン年利4、5、6%で上昇するデータを生成します。期間は2021年年初から2040年末までです。これを野村スリーゼロ先進国株式投信の基準価額データとします。

比較対象としてスリム先進国株式を想定しました。野村スリーゼロ先進国株式投信は、2021年から2030年までの10年間は信託報酬がゼロ、その後はスリム先進国株式と同じとしてシミュレーションするため、前半の10年間のリターンを年率0.1023%ポイント劣化させたものをスリム先進国株式の基準価額データとします。

つまり、前半の10年間は期待リターンが、信託報酬差に相当する年率0.1023%ポイントだけ違います。後半の10年間の期待リターンは同じです。

このシミュレーションでは、野村スリーゼロ先進国株式投信とスリム先進国株式の隠れコストは同一としています。

なお、シミュレーションでMSCIコクサイの期待リターンを年率6%とするのは強気過ぎますが、これは公平な比較をするためです。現実の世界ではせいぜい5%程度だと思った方がいいです。

野村スリーゼロ先進国株式とスリム先進国株式のリターン比較

前記条件でリターン比較を行います。野村スリーゼロ先進国株式投信はつみたてNISA専用なので、この記事の多くの読者が利用するなら来年度からになるでしょう。来年度に利用すれば10年間信託報酬がゼロですが、再来年度の利用分は9年間信託報酬がゼロです。いつ始めても10年間ではないところがミソです。

よって、2022年度からは、このシミュレーション結果よりリターン差が小さくなります。(そのため2022年度以降に投資するシミュレーションはしません。)

グラフの赤のラインは野村スリーゼロ先進国株式投信、緑のラインはスリム先進国株式です。青のラインはリターン差で、野村スリーゼロ先進国株式投信ースリム先進国株式です。左軸のスケールだけ変えています。

期待リターン年率4%

野村スリーゼロ先進国株式とスリム先進国株式のリターン比較グラフ、期待年率4%

青のラインは赤の矢印の位置(10年経過時点)で折れ曲がっています。前半10年は期待リターンにスリム先進国株式の税込み信託報酬分だけ差があるため、青のラインの角度が急です。後半10年は期待リターンは同じです。

期待リターン年率5%

野村スリーゼロ先進国株式とスリム先進国株式のリターン比較グラフ、期待年率5%

青のラインの傾きが大きくなりました。

期待リターン年率6%

野村スリーゼロ先進国株式とスリム先進国株式のリターン比較グラフ、期待年率6%

青のラインの傾きがさらに大きくなりました。

つみたてNISAシミュレーション

くどいですが、野村スリーゼロ先進国株式投信はつみたてNISA専用です。年初一括購入はできません。また、月額33,000円が上限です。(野村證券に確認済み。)そこで、毎月初33,000円×12ヶ月積み立て、その後19年間ホールドし、非課税期間20年が満了した時点の評価額の差を調べます。つみたてNISA口座ですからもちろん非課税です。

次は期待リターン年率4%の場合です。スリム先進国株式も月額33,000円の積み立てです。

つみたてNISAシミュレーション結果のグラフ、期待年率4%

灰色のラインは元本です。元本が増えるのは最初の1年だけです。野村スリーゼロ先進国株式投信の利益率は120.6%、スリム先進国株式の利益率は118.5%でした。

一覧表にまとめました。

つみたてNISAシミュレーション結果一覧表

元本396,000円を19年間運用した結果の評価額の差(野村スリーゼロ先進国株式投信ースリム先進国株式)が右端にあります。期待リターンで変わりますが、十分大きな差と言えます。

楽天証券でスリム先進国株式を買う場合

野村證券の制約に合わせて毎月33,000円を積み立てます。楽天証券だと、通常毎月33,333円まで積み立てることができます。

楽天証券のつみたてNISA口座で、楽天カード決済でスリム先進国株式を毎月33,000円積み立てます。これで毎月330円分の楽天スーパーポイントが付与されます。1年間で3,960円になります。

さらに、保有資産10万円ごとに年率0.036%分の楽天スーパーポイントが付与されます。このポイントを現金と等価とするなら、次のようになります。(ポイントの合計=3,960円+20年間にハッピープログラムで付与されるポイント)

楽天スーパーポイントを考慮した一覧表

付与されるポイントの総額より、スリム先進国株式と野村スリーゼロ先進国株式投信の運用コスト差による評価額の差の方が大きいです。が、このポイントを再投資すると話が違ってきます。

楽天スーパーポイントでスリム先進国株式を買うと

楽天カード決済で付与されるポイントは、1年間で3,960円です。これを原資に、2022年年初に特定口座でスリム先進国株式を買うのです。楽天スーパーポイントで投資信託を買えますから、これは無理な話ではありません。そして、19年間ホールドするのです。当然ですが、驚くべき成果が得られます。

次は期待リターン年率5%の場合です。3,960円は19年後に10,357円に増えました。

でもこれは特定口座なので、売却時に利益に譲渡税がかかります。

この、3,960円でスリム先進国株式を買った成果(税引き後)と、年率0.036%分のポイントをそのまま合算した結果を一覧表にしました。

3,960円でスリム先進国株式を買った成果(税引き後)と、年率0.036%分のポイントをそのまま合算した結果の一覧表

太字の金額は、評価額の差とほぼ同じになりました。もし、年率0.036%分のポイントも、特定口座のスリム先進国株式に再投資したら計算上、スリム先進国株式の方が有利になります。

まとめ:楽天証券で買うスリム先進国株式は野村スリーゼロ先進国株式投信に負けません

それは楽天証券の大盤振る舞いのサービスがとんでもなく強力だからです。付与されたポイントでスリム先進国株式を買うのをズルいとか思います?僕は思いません。だって資産形成のために行った投資行動の結果付与されたポイントなのですから、有効活用すべきです。

楽天証券の大盤振る舞いのサービスを前提にするのはおかしい?確かにそうですね。いつまで継続されるか分かりませんからね。でもこのことが、ちょっとインチキくさいところがある野村スリーゼロ先進国株式投信の対抗策として評価されたら、楽天証券は出血大サービスを継続する気になるかも知れません。そうです、全ては受益者の行動にかかっているのです。

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