バランスファンドは人気のジャンルであると当時に、組成の自由度が高いことから粗製乱造される傾向にあります。実際、つみたてNISA適格商品だけで88本もあります。これは全体の43.8%に相当します。
バランスファンドは商品によって組成内容がバラバラなので、自分にぴったりのものを選ぶのはむちゃくちゃ難しいです。株式100%だと値動きが激しすぎるから、債券を含んだ値動きがマイルドなものが良い、と漠然と思っていても、最適解は人それぞれです。
更新情報
おすすめできない、またはマイナーすぎる商品への言及をやめ、記事構成を大幅に見直しています。
複合型
n資産バランスファンドと呼びにくいものを「複合型」としました。
セゾングローバルバランス
誰もが認めるキング・オブ・バランスファンドです。今ではすっかり高コスト商品になってしまいましたが、圧倒的で安定した人気を誇ります。パフォーマンスは極めて「標準的」です。
楽天バランス
均等型、債券重視型、株式重視型の3タイプがあります。均等型はセゾングローバルバランスキラーになれると思ったのですが、甘かったです。
期待したほどは売れていません。楽天投信投資顧問には販売力強化に本気を出して欲しいです。
楽天バランス(DC年金)
楽天バランスシリーズの姉妹品です。債券比率が85%と超保守的な組成です。楽天証券のiDeCoで保守的な商品を嗜好する人には素晴らしい選択肢だと思います。
8資産均等型
n資産均等型の代表格です。否定的な意見もありますが、8資産均等型がダメかどうかは自分で判断すればいいことです。
スリムバランス(8資産均等型)
8資産均等型ならスリムバランス一択でいいです。
つみたて8資産均等バランス
このブログの読者のみなさんはネット証券を利用しているでしょうから、そもそもつみたてんとうシリーズの対象顧客ではありません。でも世の中にはネット証券より金融機関の窓口を好む人も一定数いるのでしょう。そういう人にとっては、つみたて8資産均等バランスは良い選択肢になるでしょう。
6資産均等型
意外な気がしますが、6資産均等型はマイナーな組成です。三菱UFJ国際投信は6資産均等型を組成していません。
野村6資産均等バランス
6資産均等型なら野村6資産均等バランス一択です。
4資産均等型
4資産均等型は不人気です。人気が出る組成にはそれなりの理由があるので、他の選択肢を検討した方がいいと思います。
ニッセイバランス(4資産均等型)
ニッセイバランス(4資産均等型)はトータルコストが最安です。4資産均等型に投資するなら、ニッセイバランス(4資産均等型)一択になります。
つみたて4資産均等バランス
4資産均等型に投資したいなら、つみたて4資産均等バランスよりニッセイバランス(4資産均等型)の方がいいです。
4資産バランスファンド
4資産に投資する、均等型ではない組成です。
iFree年金バランス
リスクが低めのバランスファンドを考えているなら、iFree年金バランスよりニッセイバランス(4資産均等型)をおすすめします。
7資産バランスファンド
マイナーな組成です。
Funds-i 内外7資産バランス
バランスファンドで債券に為替ヘッジをかけているものは散見されますが、株式、リートにまでかけているのは珍しいです。対象資産への投資割合も含めてこの組成が好きなら、高コストですが選択していいと思います。
8資産バランスファンド
均等型でない8資産バランスファンドは不人気です。
つみたてバランスファンド
バランスファンドは組成内容を第一に検討・評価すべきです。この組成が好きなら良い選択肢になりますが、人気がそれほど高くないので、これから10年、20年という長期で考えた時に生き残るのは難しいでしょう。そのためメインの投資先にはしない方がいいと思います。
リスクコントロール型バランスファンド
リスクコントロール型はやめた方がいいです。
東京海上円資産インデックスバランス
リスクコントロール型は、配分変更が裏目に出た時のダメージが大きいです。リスクを抑えたいのであれば、自分のリスク許容度にあった、債券比率が高いバランスファンドを選択した方が良いと思います。
この記事に登場しなかった商品は
バランスファンドは組成しやすいこともあって、粗製乱造される傾向にあります。組成内容、トータルコスト、人気(純資産総額)で考えて、おすすめできない、この記事で言及するに値しない商品は無視しました。
この記事に登場しなかった商品名を耳にすることがあっても、スルーしていいです。
結論
この記事に登場した商品の純資産総額一覧です。純資産総額でソートしています。
8資産均等型でいいなら、スリムバランス(8資産均等型)一択です。伝統的な組成が良いなら、楽天バランス(均等型)が良いと思うのですが、不人気なのが難点です。その点、高コストながらセゾングローバルバランスの存在感の高さにはいつも驚かされます。
売れる商品と売れない商品の差は拡大する傾向にあり、売れないと繰上償還のリスクが高まります。つみたてNISA適格商品であっても、繰上償還されない保証はありません。
バランスファンドを選ぶ時は、まず好きな組成の商品を探し、そのトータルコストが許せるかどうかを見ましょう。そして、できれば純資産総額が100億円以上あって、現在も資金流入が続いている商品だと安心です。