先進国株式

先進国株式インデックスのおすすめを教えて下さい

日本で先進国株式と言うと、ほぼMSCIコクサイのことを指します。先進国株式インデックスファンドは、つみたてNISA適格のものだけでも17本ありますが、うち16本はMSCIコクサイをベンチマークにしています。

先進国株式は人気のジャンルであり、ローコストなものに限っても多数の商品が設定されました。が、信託報酬引き下げ競争に付いていけなかったものや、人気を獲得できなかったものが多く、現在選択肢になり得る商品は数本しかありません。

超ローコスト化競争に生き残っている商品

税抜き信託報酬が0.1%を切っているものは5本あります。でもうち1本は不誠実な商品です。

ニッセイ外国株式

圧倒的な人気(純資産総額)を誇る、キング・オブ・MSCIコクサイです。信託報酬がスリム先進国株式と同率で最安なのは、ニッセイ外国株式だけです。

スリム先進国株式

ニッセイ外国株式に次ぐ人気(純資産総額)を獲得しています。

たわら先進国株式

たわら先進国株式の税抜き信託報酬は0.0999%ですが、ニッセイ外国株式とスリム先進国株式が競い合っている、信託報酬引き下げ競争から脱落気味です。

純資産総額の伸び率も、人気を反映してニッセイ外国株式、スリム先進国株式より低いです。たわら先進国株式を選択する経済的合理性はありません。

野村スリーゼロ先進国株式投信

野村スリーゼロ先進国株式投信は、2030年末までは信託報酬がゼロ、その後も現在のニッセイ外国株式やスリム先進国株式の信託報酬程度を予定しています。それだけ聞くと強烈なインパクトがあります。が、最大の問題は野村證券専売だということです。これを餌に顧客を釣り上げて、高コストな商品の販売につなげたいという意図がミエミエです。

こういう不誠実な商品は無視するに限ります。

業界最低水準の運用コストの意味

こちらにあるスリムシリーズの生命線とも言える売り文句「業界最低水準の運用コストを、将来にわたってめざし続ける」の注釈が変更されていました。気付いたのは2020年7月21日です。

次は変更前です。

対象範囲:公募投資信託(ETFおよび企業型確定拠出年金のみで取扱いのファンドを除く)をFundmarkの分類を参考に三菱UFJ国際投信が公開情報をもとに集計。他社類似ファンドの信託報酬率が当ファンドを下回る場合、当ファンドの信託報酬率を引き下げ、業界最低水準にすることを目指しますが、これを実現することを保証するものではありません。また、業界最低水準ではない期間が存在する旨、ご留意ください。

次は変更後です。

業界最低水準の運用コストを目指す一環として、公正な比較の対象となる他社類似ファンドに係る信託報酬率が当社ファンドを下回る場合、ファンドの継続性に配慮した範囲で信託報酬率を引き下げることを基本とします。ただし、信託報酬率が業界最低水準となることを、保証等するものではありませんのでご留意ください。

おそらく、野村スリーゼロ先進国株式投信に対抗値下げしないことへの対応でしょう。でも、以前から文句をタレている(スリムシリーズ嫌いな)人は、この変更も納得しないと思いますけどね。

SBI先進国株式

SBI先進国株式は、つみたてNISA適格の先進国株式インデックスで唯一、FTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスをベンチマークにしています。MSCIコクサイと大きく違うのは、日本と韓国を含んでいることです。このベンチマークが好みなら、SBI先進国株式は良い選択肢になり得ます。

高コストで買う価値がない商品

2010年前後に税抜き信託報酬が0.50%から0.60%のローコスト先進国株式インデックスが相次いで設定されました。それらの多くは信託報酬が高止まりしており、新規投資する価値はありません。そういうのには興味ないって方は、ここまで飛ばして下さい。

SMTグローバル株式

ニッセイ外国株式登場以降の超ローコスト化競争には参戦しませんでしたが、だからと言って過去の功績が消え去るわけではありません。そしてSMTグローバル株式は今、(決して長くは続かない)収穫の時を堪能しています。

三井住友DS外国株式指数ファンド

人気を獲得するには信託報酬がちょっと安いだけではダメだってことを、この商品は教えてくれます。

eMAXIS先進国株式

eMAXIS先進国株式に投資するなら、マザーファンドが同じで信託報酬が圧倒的に安いスリム先進国株式に投資した方が断然有利です。ネット証券じゃなくて金融機関の窓口で買いたいのなら、つみたて先進国株式の方がいいです。いまどき、MSCIコクサイ連動ファンドに投資するのに、税抜き信託報酬が0.60%もする商品を選択する意味などありません。

外国株式インデックスe

外国株式インデックスeはローコストインデックスの先駆者の一員ですが、その歩みは不運なものでした。

Funds-i 外国株式

Funds-i 外国株式は人気を獲得できないまま、超ローコスト化競争には参戦せず、このまま終焉を迎える商品です。それでも不思議なことに、いまだに買われています。明らかにもっと有利な選択肢がいくつもあるにも関わらず、どうして高コストな商品を買うのでしょうか。

野村アセットマネジメントが先進国株式インデックスのジャンルにおいて、超ローコスト化競争に参戦した商品が野村スリーゼロ先進国株式投信だというのは、実はもうこのジャンルで今からまともに戦うのは無理だと認識しているからでしょうか。

超ローコストではないけどそこそこ売れている商品

税抜き信託報酬が0.20%程度のローコスト商品でも、そこそこ売れているものがあります。そういうのには興味ないって方は、ここまで飛ばして下さい。

つみたて先進国株式

つみたて先進国株式は2017年8月16日に設定されました。税抜き信託報酬は0.20%で、設定来引き下げられていません。つみたてNISA適格です。

つみたて先進国株式のトータルコスト表

次はスリム先進国株式とのリターン比較です。スリム先進国株式とマザーファンドが同じなので、リターン差はきれいな直線です。

スリム先進国株式とつみたて先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインの傾きは期待通りです。

次は設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は134億円です。

つみたて先進国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

スリム先進国株式が買える人にとって、つみたて先進国株式は買う価値のない商品です。でもネット証券ではなくて金融機関の窓口で買いたい顧客は一定数いると思われます。そうでなければ、134億円も集められないでしょう。また、反り返ったラインは人気が加速していることを示しています。

EXE-i 先進国株式

EXE-i 先進国株式はインデックスファンドでありながら、連動するベンチマークがありません。今でもiDeCo口座で買われているようですが、他の選択肢の方がいいです。

iFree外国株式

iFree外国株式は先進国株式インデックスの超ローコスト化が進む変革期に登場しました。一瞬だけその先頭に立ちましたが、信託報酬引き下げ競争に付いていくことができませんでした。

信託報酬が安くなければ売れない、これが現実です。

ローコストだけど売れていない商品

売れていない商品は繰上償還のリスクが高くなるため、避けた方が良いです。そういうのには興味ないって方は、ここまで飛ばして下さい。

ダイワつみたてインデックス外国株式

eMAXIS先進国株式とつみたて先進国株式の関係に似ているのが、iFree外国株式とダイワつみたてインデックス外国株式です。iFreeシリーズと同じマザーファンドを利用しますが、扱っているのは大和証券のみです。

i-SMTグローバル株式

2017年11月16日に税抜き信託報酬0.19%で設定されました。つみたてNISA適格です。当時としては最安水準に近かったのですが、その後スリム先進国株式が0.1095%に引き下げ、潮目が変わりました。i-SMTグローバル株式は設定来、信託報酬を引き下げていません。

i-SMTグローバル株式のトータルコスト表

次はi-SMTグローバル株式の設定直後を避けた2017年12月15日からの、つみたて先進国株式とのリターン比較です。

i-SMTグローバル株式とつみたて先進国株式とのリターン比較グラフ

青のラインはリターン差で、つみたて先進国株式ーi-SMTグローバル株式です。ほぼフラットなので、この2商品の実際のトータルコストはほぼゼロだということになります。

運用報告書から計算したトータルコストは、i-SMTグローバル株式の方が0.038%ポイント程度安いのですが、その程度だと(その値が正しいとしても)この比較期間で有意差を出すのは難しいですね。

次はi-SMTグローバル株式の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は1.89億円しかありません。

i-SMTグローバル株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

増加してはいますが、絶望的に売れていません。

Smart-i 先進国株式

2017年8月29日に税抜き信託報酬0.20%で設定されました。その後超ローコスト化競争には参戦せず、設定来信託報酬を引き下げていません。つみたてNISA適格です。

信託報酬はつみたて先進国株式と同じですが、Smart-i 先進国株式は隠れコストが大きいです。

つみたて先進国株式とSmart-i 先進国株式のトータルコスト比較表

次は隠れコストの明細です。高い項目を赤字にしています。

Smart-i 先進国株式は売買委託手数料と保管費用が高いです。

次はSmart-i 先進国株式の設定直後を避けた2017年9月15日からの、つみたて先進国株式とのリターン比較です。

青のラインはリターン差で、つみたて先進国株式ーSmart-i 先進国株式です。これは第二期までは高コストだったものの、おそらく第三期はつみたて先進国株式と変わらない程度に改善されたことを示していると思います。

次はSmart-i 先進国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は35.89億円です。

Smart-i 先進国株式の設定来の資金流出入額の累計の推移グラフ

ラインの形状はつみたて先進国株式にそっくりですが、つみたて先進国株式の方が人気の獲得に成功しています。

ステートストリート先進国株式

2016年5月9日に税抜き信託報酬0.21%で設定されました。当時の最安水準でしたが、楽天証券のラップ口座用で、一般販売用ではありませんでした。一気に興味が失せたことでしょう。その後0.20%に引き下げられています。

次は運用報告書から計算したトータルコストです。

ステートストリート先進国株式のトータルコスト表

ところが、ごまかしの効かない基準価額は、あのスリム先進国株式よりリターンが高いことを示しています。

次はステートストリート先進国株式とスリム先進国株式のリターン比較です。

ステートストリート先進国株式とスリム先進国株式のリターン比較グラフ

青のラインはスリム先進国株式ーステートストリート先進国株式です。傾向としては右肩下がりなので、ステートストリート先進国株式の方がトータルコストは安いはずです。

実は何年も前からこうだったのですが、その理由は謎のままです。

次はステートストリート先進国株式の設定来のの資金流出入額の累計の推移です。純資産総額は2.39億円しかありません。

ステートストリート先進国株式の設定来のの資金流出入額の累計の推移グラフ

ある時を境に減少傾向が続いています。ラップ口座専用ですからしょうがないですよね。

iシェアーズ先進国株式

iシェアーズ先進国株式のベンチマークはMSCIコクサイですが、ETFだけで運用します。ではMSCIコクサイに連動するETFを買っているのかと思いきや、そうではありません。なんちゃってMSCIコクサイです。

ブログでiシェアーズ先進国株式のリターンが高いとか言う記述があったら、それはある日とある日の基準価額の差を見ただけの、不適切な評価です。

結論

純資産総額とトータルコストを一覧表にまとめました。(野村スリーゼロ先進国株式投信はまだ運用報告書が公開されていないため、トータルコストは不明です。)

純資産総額とトータルコストの一覧表

トータルコストは運用報告書から計算したもので、いくらか現実のものと差が見られる商品が存在することに注意してください。

次は僕の結論です。

  • MSCIコクサイ連動商品で良いなら、ニッセイ外国株式かスリム先進国株式をおすすめします。
  • ベンチマークとしてFTSEディベロップド・オールキャップ・インデックスがいいなら、SBI先進国株式一択です。
  • ネット証券ではなくて、金融機関の窓口で買いたいのなら、つみたて先進国株式がいいです。

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