全世界株式インデックスは人気のジャンルで関連商品が多数組成されています。日本を含むかどうかで選択肢が大きく変わりますが、現在は日本を含む全世界株式が圧倒的に人気が高く、日本を除く全世界株式との差が開く一方です。
また、組成内容に注意しないと思っていたのと違う、ということになりかねないので、本当に自分の好みにあっているのか、投資する前に良く確認するべきです。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス(除く日本)連動商品
全世界株式(除く日本)と呼ばれる組成です。今ではなにそれですが、全世界株式と言えばこのパターンを指す時代があったようです。現在では日本を含む全世界株式が人気で、(除く日本)はマニアックな組成になってしまった印象すらあります。
eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)
日本を除く全世界株式に投資する場合、eMAXIS Slimシリーズが嫌いでなければ、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)一択でいいです。トータルコスト、純資産総額(人気)で考えるとそうなります。
野村つみたて外国株投信
野村つみたて外国株投信の運用コストは低水準ですが、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)はさらに安いです。純資産総額はどちらも多いですが、人気はeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)の方が上です。それなら、運用コストが安いeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)を選択するのが賢明です。
三井住友DC全海外株
つみたてNISAや特定口座やiDeCoで買うなら、より低コストなeMAXIS Slim全世界株式(除く日本)を選択すべきです。わざわざトータルコストが高く、ベンチマークへの忠実度が劣る三井住友DC全海外株を選択する、経済的合理性はありません。
が、企業型DCの限られた選択肢の中から、好みのアセットクラスで低コストなものを選んだ結果が三井住友DC全海外株だった場合、それは良い選択肢だと思われます。
eMAXIS全世界株式
eMAXIS全世界株式は高コストなので、今から買う価値はありません。eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)一択です。
eMAXIS全世界株式は一般投資家からの要望に応える形で設定したものの、満足な人気を獲得できませんでした。でも設定時の想いは、eMAXIS Slim全世界株式(除く日本)に受け継がれていることでしょう。
FTSEグローバル・オールキャップ・インデックス連動商品
日本を含む全世界株式に時価総額比で投資するベンチマークで人気なのはFTSEグローバル・オールキャップ・インデックスとMSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスです。
楽天全世界株式
楽天全世界株式の現在のコストは低水準で運用も安定しており、安心しておすすめできます。eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の方が低コストですが、VTを間接的に買っている楽天全世界株式が好きという場合は、楽天全世界株式一択でいいです。
日本を含む全世界株式に投資したい場合、運用コストと人気で考えると、おすすめは楽天全世界株式かオール・カントリーの二択になります。
SBI全世界株式
ベンチマークへの忠実度を気にしないのであれば、SBI全世界株式を選択してもいいでしょう。僕はベンチマークに忠実な運用がインデックスファンドのキモだと信じているので、SBI全世界株式はおすすめしません。
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックス連動商品
このベンチマークに連動するためにはMSCIジャパンのマザーファンドが必要です。これは日本ではマイナーなので、本気を出さないと組成できません。
eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)
MSCIオール・カントリー・ワールド・インデックスに投資するなら、eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)一択です。
たわら全世界株式
アセットマネジメントOneも本気を出して全世界株式を組成しましたが、オール・カントリーのような人気を獲得することができませんでした。
ステートストリート全世界株式
オール・カントリーよりもステートストリート全世界株式を選択する、経済的合理性はありません。ステートストリート全世界株式は、やる気のない(=競争力のない)信託報酬で設定し(しかもノーロードじゃない)、受益者から見事に無視されてしまったようです。
つみたて全世界株式
ネット証券よりも、証券会社や銀行の窓口で対面で買う方が良いという人には、コストと運用の安定性から、つみたて全世界株式は良い選択肢になります。
でも現在は純資産総額が極端に少ないです。
MAXIS全世界株式(オール・カントリー)
運用コスト、配当金への課税、課税の繰り延べと、複数の要素が関係しますが、長期投資を前提とするならeMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー)の方が有利と言えます。
でもMAXIS全世界株式(オール・カントリー)の持つ(ETFゆえの)独特なメリットを活かせる人には、良い選択肢になり得るでしょう。が、特段ETFに関心のない人で、長期投資を前提とするなら、普通に投資信託を選択した方が有利だということです。
3地域均等型
つみたてNISAの指定インデックス投資信託で適格認定を受けられる全世界株式インデックスを組成するのに、現状3つ方法があります。
- 全世界株式インデックスに認められている指数に連動させる。
- 異なる資産を固定比率で合成した、合成ベンチマークに連動させる。(各資産の指数は認められているものに限ります。)
- 異なる資産の比率をGDP比率に合わせた合成ベンチマークに連動させる。
厳しい人にとって、3番目はグレーに映ると思いますが、実際に適格認定されています。
3地域均等型は2番目に該当します。
eMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)
ものすごく不人気ですが、3地域均等型を嗜好する人には素晴らしい商品です。
ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)
3地域均等型に投資するならeMAXIS Slim全世界株式(3地域均等型)一択です。ニッセイ・インデックスパッケージ(内外・株式)を買う価値はありません。
3地域の投資割合がGDP比率で決まる商品
つみたてNISAの指定インデックス投資信託の認定要件を満たす、日本を含む全世界株式インデックスを本気を出さずに組成するには、現状、比率を固定にするか(33%ずつでなくてOKです)、GDP比率に連動させるしかありません。後者の方法でつみたてNISA適格認定を受けている、日本を含む全世界株式インデックスが2商品あります。
この方法の最大のメリットは、国内株式のベンチマークにTOPIXが使えることです。デメリットは、時価総額比でないと人気が出ないリスクがあることです。
グローバル株式ファンド
買う価値ありません。たとえGDP比率の組成が好みだとしても、ニッセイ世界株式(GDP型バスケット)をネット証券で買う方がいいです。
ニッセイ世界株式(GDP型バスケット)
3地域の投資割合をGDP比で決める組成が好みなら、ニッセイ世界株式(GDP型バスケット)は良い選択肢です。グローバル株式ファンドも同じくGDP比の全世界株式インデックスですが、推定コスト、組成内容を考えるとニッセイ世界株式(GDP型バスケット)の方が良いです。
ベンチマークがないインデックスファンド
ベンチマークはないけど、参考指数への連動を目指すインデックスファンドは存在します。
EXE-i グローバル中小型株式
賞味期限切れかも知れませんが、日本を含む全世界の中小型株に投資するインデックスファンドです。楽天全世界株式の大型株抜きをイメージするといいです。参考指数はありますが、ベンチマークはなく、つみたてNISAの指定インデックス投資信託以外で適格認定を受けています。
大型株抜きであることを分かって買っているなら良い選択肢だと思います。分からずに買っていたなら、考え直した方がいいでしょう。
結論
純資産総額の多い順に並べました。
次は僕の結論です。
- 日本を除く全世界株式に投資する場合、スリムシリーズが嫌いでなければ、スリム全世界株式(除く日本)一択でいいです。
- 日本を含む全世界株式に時価総額比で投資する場合、運用コストと人気で考えると、楽天全世界株式かオール・カントリーの二択になります。
- 3地域均等型が好みなら、スリム全世界株式(3地域均等型)一択です。
- 日本を含む全世界株式にGDP比率で投資したいなら、ニッセイ世界株式(GDP型バスケット)が良い選択になるはずです。
- ネット証券ではなくて、金融機関の窓口で買いたいのなら、つみたて全世界株式か、たわら全世界株式が選択肢になりますが、純資産総額に注意が必要です。